橋本幸治の理系通信 キオクシア編
先月、岩手県にあるキオクシアの北上工場で披露されたのが最新のNAND型フラッシュメモリー。約1兆円かけて投じた第二製造棟からサンプル出荷を始めた。NAND型フラッシュメモリーはキオクシアの母体となった東芝が世界で初めて開発。電源を切ってもデータが消えないのが特徴で、スマホ、PC、USBメモリーやSSDなど様々なデータの保存に使われている。今、フラッシュメモリーの新たな需要先として急拡大しているのが、AIデータセンター。今年4月から6月の売上は前年比5倍、純利益約46倍と異次元の業績となっている。今週木曜日には太田社長が北上工場での新たな製造棟の建設を発表。今後6年で5兆円規模の投資をするとしている。その成長戦略について幹部を直撃。なぜ今1位ではないのか?宮島氏は技術で負けているということはなく、お客さんの要求にしっかり応えられていたかという部分は弱かったのではと分析。今後はお客さんにニーズに合わせたものをしっかり作っていくと話した。そのキオクシアは今月、米国で開かれた世界最大級のメモリー業界のイベントで、AI向け新商品を発表した。中でも注目されているのがSSD「GP1」。データの読み出しを従来の3倍以上行えるのが特徴。イベントで最も革新的な技術を称える「Best of Show Award」を受賞した。この製品がキオクシアが狙うのはエヌビディアが構想する次世代のAIシステム。そこでは超高速SSDがカギと位置付けられている。その巨大市場への採用を目指し、世界のメーカーがしのぎを削る中、キオクシアは勝ち抜けるのか?井上さんは「他社に勝ってると思うのは電力効率。強みとしてはCBAを使った単位電力あたり速いものが作れる」と話した。韓国・サムスン電子は同じイベントでキオクシアのCBAと似た新たなメモリーを発表した。宮島さんは「今、1世代が大体2年おきに出ているので、我々からすると他社は2世代遅れ、なので4年と言っている」と強調。一方で、NAND型専業メーカーであることはキオクシアの弱点とも指摘されてきた。そのキオクシアは今、低消費電力が売りの次世代メモリー「OCTRAM」を開発中。
