- 出演者
- 橋本幸治 岡野原大輔 今井翔太
テレビ東京の経済メディア「テレ東BIZ」で人気のコンテンツ「橋本幸治の理系通信」。最先端技術やデータサイエンスなど幅広い分野を取り上げている。その地上波第2弾となる今回、AI・半導体を特集。
撮影場所はJR神田駅近くの大衆酒場「やきとん三吉 神田北口店」。ここはAI・半導体関係者の聖地。半導体大手NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが来日時に日本の大手メーカー社長らと訪れたため。ゲストはAIスタートアップ「プリファードネットワークス」の岡野原社長、AI研究者の今井さん。フアンCEOは日本以外の国を訪れた際も大衆的な店を訪れている。「九州じゃんがら」を昔から好きという話も。
今月、エヌビディアがAI開発企業などのインフラ構築を支援するため、金融大手6社と連携して新たな資金調達の枠組みを構築することを発表。総額は5000億ドル(日本円:80兆円)規模で、エヌビディアの半導体を買ってもらうために、エヌビディア側がお金を貸すという“ツケ払い”にも似た構図だという。エヌビディアがここまでする理由などについて、岡野原さんは「半導体を動かそうと思ったらデータセンターや電力、いろんなことをインフラとして作っていかなきゃいけない。エヌビディアとしても、半導体を売る先の環境づくりというので進めている」と解説。今井さんは「少なくとも技術的には実体がないわけではない。技術は成長しているので、技術バブルではないと思う。ただ金融や経済の話になると、怪しいところもある」などと解説した。
先月、上海で開かれた世界人工知能大会。世界中から1100社を超える企業が集結した。ひときわ注目を集めていたのが、中国のAI新興企業・ムーンショットAIのブース。このイベントで披露されたのが「Kimi K3」というAIモデル。その実力は、「グローバルなマクロ経済のデータが1つの画面で分かるようにして」とお願いしたところ、表示されたのは国別のGDPを色分けした地図。世界の経済ニュースも網羅している。AIの性能を示すパラメータ数は2.8兆。アメリカのオープンAIやアンソロピックの先端AIに迫る性能に加え安く使えることから、世界に大きな衝撃を与えてる。創業わずか3年で実現できた理由として「中国全体として性能が高いものを作れる再現性があることが非常に大きい」という。米中が国を上げてAI開発で世界をリードする一方、日本は大きく遅れをとっている。
この差を挽回しようと日本でも国産AIの開発が進められている。その最前線を走る1社が岡野原さん率いるプリファードネットワークス。どんな思いで開発を進めているのか。「AIにはまた新しい技術が出てくるが、必ずしも新しい技術ではなく今の延長上に起きると思う。今乗っておかないと次の流れにも乗れない」と岡野原さんは語る。岡野原さんは今、遅れを挽回する勝機を“AI半導体”に見い出している。そもそも生成AIでは、メモリーにある膨大なデータをGPUなどの演算器へ次々と送り込んで計算する。しかし近年演算器の性能向上にデータを送り込むメモリーの速度が追い付かず、演算器が待たされることが課題となっている。岡野原さんはまさにこのメモリーの壁を突破しようと、AIモデルだけではなく半導体の開発にも挑んでいる。開発中の「MN-Core Lシリーズ」はメモリーを演算器の上に重ねることでデータを運ぶ距離そのものを短くしようというAI半導体だ。岡野原さんは「技術的な難しさとして熱を持つ演算器対してメモリーは熱に弱く、熱をどうコントロールしながら距離を短くするのかというのがチャレンジとなる」などと話す。また「エヌビディアの半導体より競争力のあるものにしたい」などと話した。
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先月、岩手県にあるキオクシアの北上工場で披露されたのが最新のNAND型フラッシュメモリー。約1兆円かけて投じた第二製造棟からサンプル出荷を始めた。NAND型フラッシュメモリーはキオクシアの母体となった東芝が世界で初めて開発。電源を切ってもデータが消えないのが特徴で、スマホ、PC、USBメモリーやSSDなど様々なデータの保存に使われている。今、フラッシュメモリーの新たな需要先として急拡大しているのが、AIデータセンター。今年4月から6月の売上は前年比5倍、純利益約46倍と異次元の業績となっている。今週木曜日には太田社長が北上工場での新たな製造棟の建設を発表。今後6年で5兆円規模の投資をするとしている。その成長戦略について幹部を直撃。なぜ今1位ではないのか?宮島氏は技術で負けているということはなく、お客さんの要求にしっかり応えられていたかという部分は弱かったのではと分析。今後はお客さんにニーズに合わせたものをしっかり作っていくと話した。そのキオクシアは今月、米国で開かれた世界最大級のメモリー業界のイベントで、AI向け新商品を発表した。中でも注目されているのがSSD「GP1」。データの読み出しを従来の3倍以上行えるのが特徴。イベントで最も革新的な技術を称える「Best of Show Award」を受賞した。この製品がキオクシアが狙うのはエヌビディアが構想する次世代のAIシステム。そこでは超高速SSDがカギと位置付けられている。その巨大市場への採用を目指し、世界のメーカーがしのぎを削る中、キオクシアは勝ち抜けるのか?井上さんは「他社に勝ってると思うのは電力効率。強みとしてはCBAを使った単位電力あたり速いものが作れる」と話した。韓国・サムスン電子は同じイベントでキオクシアのCBAと似た新たなメモリーを発表した。宮島さんは「今、1世代が大体2年おきに出ているので、我々からすると他社は2世代遅れ、なので4年と言っている」と強調。一方で、NAND型専業メーカーであることはキオクシアの弱点とも指摘されてきた。そのキオクシアは今、低消費電力が売りの次世代メモリー「OCTRAM」を開発中。
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最後のテーマはAI進化で人類絶滅!?2023年アメリカで、ある共同声明が発表された。この声明には350人を超える経営者や研究者が署名。OpenAIやアンソロピックCEOの名前もある。先月、オープンAIが開発中のAIモデルが性能テスト中に他社のシステムをサイバー攻撃する事案が発生。これを受けてオープンAIは最新AIモデルの学習を2週間中断する事態となった。さらにメタやアンソロピックでも同様のケースが発生。AIによるリスクは現実のものとなりつつある。こうした中、今注目されているのが「超知能AIをつくれば人類は絶滅する」。人間の知能を超えるAIが生まれたら地球上のすべての人間が必ず死ぬと主張している。今井さんは「ユドコウスキーさんはチャットGTPが出るまでは業界では妖怪みたいな扱いをされていた。この人はすごい人で、AIの開発を止めるためにデータセンターをぶっ壊しましょうと言う人。いま日本の書店行くとユドコウスキーさんの本が売れ筋ランキングの上位にある。時代がすごく変わったんだなというのは色んなAI研究者が思っている」と話した。
次回の円卓は光電融合。
