新美の巨人たち 新美の巨人たち
2月18日。文化財の修理を数多く手掛けている表具師の稲崎さんにとって、最も緊張する仕事は、完全な状況で裏彩色をみるために、裏に貼られた古くなった裏打ち紙を少しずつ剥がすこと。でんぷんのりで接着された和紙を水で湿らせてピンセットでミリ単位のうすさの本紙を傷つけずに取り除く。全て剥がし終えれば北斎の裏彩色が。胡粉の白は牡蠣の貝殻などから作られ、日本画には欠かせない。顔を描く際には胡粉に朱色を混ぜていく。まずは、献本に墨を入れた顔の部分を裏返して胡粉をまんべんなく塗っていく。北斎の裏彩色を知るためにその効果は絹は細かい折り目があり、この折り目の繊維そのものの透明性をいかすことで裏から塗った色が透けてみえる効果がある。花魁の顔に淡い奥行き。そして日本画家の向井さんが最も注目したのは花魁が持っている蛇の目傘。何の変哲もない蛇の目傘の裏に意外な色を施していた。
