ひるおび JNN NEWS
茶道裏千家の前家元・千玄室さん102歳。海軍の元特攻隊員。1943年、日本が敗走を重ねる中、不足する兵力を補うため大学生は陸海軍へ入隊。学徒出陣と呼ばれ、大学生だった千さんも海軍に入隊。1945年3月、特攻隊員を志願。爆弾を抱えた戦闘機が艦船を目掛けて急降下する特攻。出撃すれば確実に死ぬ。千さんが我が身を重ねたのが先祖の千利休。時の権力者、豊臣秀吉の命令で切腹した。千さんは「みんな本当は死にたくなかった」と話す。特攻機のそばで開いた茶会の写真。仲間が立ち上がり「お母さーん」と叫んだ。仲間が特攻で命を失う中、千さんには待機命令が続き、終戦を迎えた。戦後、裏千家の家元となった千さん。茶を介し敬いあって交流すれば国同士が争わなくなるはずとの想いを胸に茶会を開き続けている。根底にあるのは仲間たちへの想い。「80年間、慙愧の念に耐えず生き残ってきた。お茶をすすめ合う気持ち。これを私は世界中に伝えてきている」と語った。