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岩手県盛岡市にある「カワトク」は、創業150年以上の老舗百貨店。常連客の高齢化やネット通販の広がりなどで地方百貨店の閉店が相次ぐ中、カワトクは「誰もが自由に楽しめる百貨店にしたい」と1階に新たな複合型施設「ISAI PARK」をオープンした。公園のような自由な空間にあらゆる人が垣根なく集まってほしいと、地産地消のカフェにアート作品を楽しめるギャラリー、日用品や洋服などを購入できるショップが集結。あらゆる差別や偏見をなくすため、福祉を起点とした新たな文化を創出していく。カフェでは福祉施設と連携し、知的障害のあるスタッフを採用。ギャラリーでは障害のある作家が作品の展示やライブパフォーマンスを行うことができる。ショップで販売されているアイテムも、障害のある作家のアート作品をデザインとして活用したもの。障害があるからこそ描ける世界や価値観に触れることで、多くの人に障害を個性として考えてほしいという狙いがある。今回カワトクとタッグを組んだのは、岩手県の福祉スタートアップ「ヘラルボニー」。障害のある作家と契約を結び、アート作品を日用品やアパレル、街など様々なものにデザインとして反映し、使用料の一部を作家に還元することで社会的地位の向上につなげている。共同代表を務める双子の松田文登さんと崇弥さんには、重度の知的障害がある兄がいた。松田崇弥さんは「皆が持たないといけない権利を、普通に実現している」などと話した。