ドキュメンタリー「解放区」 里は山は海は ~原発事故15年~
東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質は遠く離れた地にも影響を及ぼした。福島・郡山市の酒蓋池のある中心部では事故後放射線量が比較的高かった。鯉の養殖を続けてきた福島・県南鯉養殖業組合の熊田組合長は、結果的にこの15年間で福島のものが売れなくなり、鯉の文化をなくさないように戦いのように活動してきたなどと語った。原発事故後、郡山市では養殖鯉から基準値超えの放射性セシウム検出は一度もないが、それでも鯉の値段は一度ももとには戻らなかった。熊田組合長は福島大学や行政と協力して調査に取り組んできた。2017年には酒蓋池で大規模な除染が実施され、放射性セシウムの総量は減少したが池底の土表面には予想以上の高濃度の放射性セシウムが残っていた。除染の報告の場には東京電力の社員も参加しており、熊田組合長はこの現状では養殖していても意味がないなどと伝えていた。生け簀の中の養殖と外の鯉で線量調査が行われ、鯉は堆積物から放射性セシウムを取り込んだ可能性があることが判明した。熊田組合長は原発事故後に郡山市郊外にある線量の低い北沢池で養殖を続けており、畜養をすることでさらに線量を下げることができることが分かった。郡山市の食用鯉のモニタリングでは2023年以降はセシウム不検出となっており、加工場では鯉を加工して出荷している。熊田組合長は今年からこうして加工した鯉の県外出荷を再開した。
