NHKニュース おはよう日本 (特集)
ことし8月にロックンロールの帝王と呼ばれた、エルビスプレスリーにどれだけ近づけるかを競う世界大会に出場した青森県出身の男性。大会出場の原動力な何なのかを取材した。青森市でバーを経営する東北町出身の「エルヴィス☆トキ」こと土岐豊一さん。土岐さんがエルビスプレスリーのパフォーマンスをしようと思ったのは大学生のとき。彼の歌っている映像を見たのがきっかけだった。土岐さんは「エネルギーがほかのアーティストとはまるっきり違うように見えた。エルビスから出てくるパッションが人間の素のまま、動物が叫んでいるような衝撃を受けて、全ての最初のような気がして、俺もきょうからエルビスになるって思いました」と述べた。それから30年以上、エルビスプレスリーの曲を歌い続けてきた。そして3年前の2021年、世界各地の予選を勝ち抜き、どれだけエルビスの魂を受け継いでいるかを決める世界大会に初めて出場。これまでの最高順位は5位。ことし8月にも土岐さんにとって3回目となる世界大会に出場した。世界で活躍する土岐さんだが、一時歌う場所を失ったときがあった。仙台でサラリーマンを辞めて音楽一筋で頑張っていたとき、東日本大震災で被災。そんなとき手を差し伸べてくれたのが、地元・青森に住む人たちだった。パーティーやイベントなどで歌う機会を提供してくれた。支えてくれた青森の人たちに恩返しをしたいとの思いから、県内各地でステージを重ねてきた。さらに、一日警察署長のような地域貢献も。今後は県内すべての自治体でステージに立って、地域の人たちともっと触れ合いたいとしている。土岐さんは今月上旬からおよそ1か月間、米国に渡っていて、来年8月に行われる世界大会への出場に向けて、本場のステージで腕を磨いているという。