EU加盟交渉再開を問う国民投票

2026年9月1日放送 4:30 - 4:36 NHK総合
国際報道 山澤’s Focus

アイスランドで週末、EU加盟に向けてEU側と交渉すべきかどうかを問う国民投票が行われた。アイスランドは2008年のリーマン・ショック後の金融危機で国内経済が大きな打撃を受けたため、経済立て直しのために翌年EUに加盟を申請し、交渉を開始した。しかし、漁業への影響を懸念する声や自国の通貨放棄への抵抗などが根強く、2013年交渉を中断。2024年に誕生した親EU派の連立政権が今回国民投票を実施した。交渉再開賛成派が訴えたのは、安全保障。アイスランドは、NATO加盟国ではあるが、自国の軍隊を保有せず、アメリカへの依存度が高い。最近トランプ大統領がNATOに懐疑的発言を繰り返したり、近隣のデンマークの自治領グリーンランドを領有するという発言が出ているため、アメリカへの過度な依存を減らしたい思い。アイスランドはGIUKギャップと呼ばれる海域の中心に位置し、北極圏を巡るアメリカ、ロシア、中国との競争が激しくなった場合に備え、EUとの結びつきを強めるべきだと賛成派は主張している。
反対派が訴えていたのは、漁業の保護。今年7月までの1年間、輸出に占める海産物と養殖魚の割合は47%。EUに加盟した場合、共通の漁業政策の下で管理されるため、自国だけで漁業資源の管理について決めることは難しくなる。アイスランドは、1950年代~1970年代までイギリスと繰り返し対立しながらアイスランド沖の漁業権を守ってきた歴史がある。この海域はタラが多く捕獲されるため、対立は“タラ戦争”とも呼ばれた。国民投票の結果、賛成47.2%、反対52.8%。選挙区別でみると、首都レイキャビク以外の全ての選挙区で反対が多くなった。都市部は親EU、地方はEUに懐疑的。


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