報道ステーション (ニュース)
中国・北京から中継で、中国総局長の冨坂範明がリポート。中国の大国意識は確実に高まっている。会談で習近平国家主席は「建設的戦略安定関係」という新たな概念を打ち出した。これは米中関係の枠組みで競争ではなく協力で大国同士の関係を安定させ、アメリカもこれに同意したとしている。また晩餐会では「世界の80億人に我々が関わる」と述べた。米中が世界にとって大切なので、アメリカと中国が責任を持って世界を管理していこうと定義したものとも言える。台湾問題について「アメリカにとっても危険だ」という習主席の発言はある意味脅しのようなもので、かなり強い発言。少なくとも去年の秋に韓国・釜山で会談したときには、このような内容は発表に含まれなかった。また中国政府は今回メディアを使って、台湾問題についてアメリカへの強い牽制を国内向けにもアピールしている。早く国民に向け台湾問題について強く出たと知らせたかった様子で、それだけ会談では譲れないトピックだったよう。
アメリカ・ワシントンから中継で、ワシントン支局長の梶川幸司がリポート。アメリカ側の声明はイラン情勢の長期化を懸念するアメリカの世論やマーケットへ向けて会談の成果をアピールした形だが、この程度の内容でイランがたじろぐはずもなく、ホルムズ海峡の膠着状態に進展があったとはとても言えない。トランプ大統領はこの行き詰まった状態を打開するため、習主席から何らかの協力を引き出したい思惑があったはずで、本音では中国に当面の間イラン産の原油を買わないよう確約させたかったのではないか。アメリカは現在イランへの経済的な圧迫を強めることで譲歩を迫ろうとしており、中国からもイランに圧力を加えて欲しかったがその目論見は不発に終わった。トランプ大統領の主たる目的は、中間選挙へ向けて経済的な成果を上げることにあった。それを中国から確実に引き出すためにも、習近平主席にアメリカに9月に来てもらい会談を重ねる必要がある。ホワイトハウスとしては台湾をめぐる議論がどうだったのか、ことさらにアメリカの立場を説明することはプラスに働かないと判断した可能性がある。今回台湾に関して何らかの譲歩をしてしまうのではないかという懸念があったが、アメリカ国内では中国に対抗しようという認識が超党派のコンセンサスとしてあり、安易な譲歩はトランプ大統領の政治的立場を弱めかねない恐れがあった。中国にもアメリカの政治情勢にも配慮し、今回台湾については言及しないという判断になったとみられる。
