国際報道 Voice to Voice
都立国際高校でSNSについて聞いた。世界では子どもへのSNSを規制しようという動きが進んでいる。オーストラリアでは16歳未満の子どものSNS利用を禁止する法案が成立。SNSの運営会社に16歳未満の子どもが利用できない措置を義務づけ、違反した場合は最大4950万ドル(約47億円)の罰金が課される。生徒に募集したアンケートでは「規制はコミュニケーションの場が減り困る」「規制に賛成」「抜け道を見つけさせるだけな気がする」などの声が寄せられた。
都立国際高校は都内で唯一国際学科がある高校。生徒にSNSの規制について聞くと賛否が分かれた。生徒からは「他人からルールを1個与えられると線引きしやすくなりいい効果がある」「16歳まではだめだが16歳からはOKだと使い方が分からないまま投げ出され危険」などの意見が出た。オーストラリアの規制に関して現地では、子どもたちの知る権利や居場所を奪うとの懸念が生まれているという。これに対し生徒たちからは「SNS使用禁止は嫌」「自分の時間を大切にしなくなったと思っている。SNS機能で友達といることが正解と思う自分がいるため規制は良い」などの様々な発言があった。
オーストラリアでは規制には抜け道があるのではと考える人も少なくない。生徒からは”規制より使い方を教えることが大切”との意見もあった。これまで何度も世界を動かしてきたSNS。「#MeToo」運動、「Black Lives Matter」運動など社会運動につながるSNSとの関わりは高校生の間でも広がりを見せていた。2014年にALSへの支援を広げようと世界的に行われた「アイスバケツチャレンジ」。アメリカで今年メンタルヘルスに焦点をあて学生がキャンペーンを始めた。生徒からは「改めてSNSの広がりの強さを感じたが、実際に分かってやってる人は少ないと思う」「知れるきっかけになるならいいこと」などの意見が出た。SNSとどう付き合っていくか、世代を超えて真剣に一緒に考えていく必要がある。