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先月29日、89歳で亡くなった脚本家・山田太一氏を愛してやまない脚本家らからのメッセージを紹介。北川悦吏子氏は「作家である前に人間として素敵な方だった、だからこそ作家として唯一無二な存在だった」などとメッセージを寄せた。
大学生を主人公とした青春群像ドラマ、「ふぞろいの林檎たち」は1983年放送。学歴偏重社会の中で生まれた劣等感に立ち向かう青春ドラマはサザンオールスターズの音楽と共にいつまでも視聴者の胸に焼き付くものとなった。山田太一は一流と言われている人は優れているんでしょうが気持ちや感情はむしろ少しランクが下だと言われている人らの方が豊かに育っているのではないかという印象があった、人格の上下は学校で計れるものではないという憤慨した気持ちがあったなどと語る。2013年放送の「100年インタビュー」に出演した際、山田は色々な人を描かなければならなかったので大変だったが面白かったなどと語る。
代表作「俺の話は長い」や「コントが始まる」などがある脚本家・金子茂樹は「初めて”脚本家”という職業を意識したのも脚本を目にしたのも山田さんが書かれたものだった、これからもずっと憧れ続けていきます」などとメッセージを寄せた。
1939年に浅草で大衆食堂を営む両親の六男として生まれ、23歳で映画会社に就職すると戦後の日本映画を代表する映画監督 木下恵介の下で助監督を務めた。TVシナリオライターに転身後、山田は「連続テレビ小説 藍より青く」を手掛け脚本家 山田太一の名が広く知れ渡るようになる。さらに「獅子の時代」では対称的な2人の運命を通して明治という時代の陰陽を描いた。
代表作「大河ドラマ 鎌倉殿の13人」などがある脚本家 三谷幸喜は獅子の時代のラストシーンのナレーションを紹介しつつこんなステキなナレーションをいつか僕は書けるようになるのでしょうかとメッセージを寄せた。
1992年に放送された「山田太一の世界」で山田は執筆は2Bの鉛筆、助監督の時スクリプトを書くのが2Bだったなどと話す。自身の名前を冠した「山田太一シリーズ 男たちの旅路」について山田太一は脚本家が0から作ったというのが証明されるような番組だったなどと語る。「男たちの旅路」は世代間のギャップを埋めようと企画され、警備会社を舞台に価値観の違う戦後生まれと元特攻隊員との葛藤が描かれた。鶴田浩二は僕たちを通じて今の世の中は一体どうなっているんだということを強烈に訴えられたような気がして再考させられたなどと語る。
第4シリーズまで続いた男たちの旅路シリーズの最終回で山田は当時障がい者が置かれていた厳しい現実に目を向けた。1984年に放送された「日本の面影」で山田は近代化と引き換えに失った日本の古き良きものに思いを馳せる。さらに山田は作品を通じて闇は私達の魂にとってかけがえのないもの何でも持っている、不思議であることをたくさん持っているのに全部分かったような気がしている、人間が努力すればできるというふう思っているのは非常に傲慢などと語る。
「いちばん綺麗なとき」を通じて山田は言いたいことを言えない不自由さや取り返しのつかないことを抱えた人が生きるのは大変だがそういうマイナスを持っている人はちょっと良い気がするなどと語る。
「ちゅらさん」や「ひよっこ」などの代表作がある岡田惠和は山田さんのドラマは永久に観る人の心に問いかけつづける作品、ずっと語り続けて何度も見続けていこうと思うがその度に打ちのめされるなどとメッセージを寄せた。
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2023年11月5日(13:50)