- 出演者
- 天野ひろゆき 塚原愛
福島県大熊町は、町内にある福島第一原子力発電所の事故により大量の放射線物質が農地に降り注いだ。大熊町はいま、農業の再生に向け大きく動き出している。原動力となっているのが若い移住者たちで、栽培しているのがキウイフルーツ。今日は大熊町の未来を背負ったキウイフルーツの魅力を紹介する。
大熊町のキウイフルーツは、濃厚な甘味とほどよい酸味が絶妙。ニュージーランド産などは夏から秋にかけて多く、これからは国産が出回ってくる。大熊町は2011年から全域に避難指示が出され、2019年から一部地域で避難地域が解除されていき、除染が行われた土地では農業も再開している。出荷をする場合は県に報告して放射線物質の検査をする必要がある。
除染が行われた大熊町の中心部には、新たに住宅地が整備され着実に復興が進んでいた。かつて大熊町には60軒ほどの果樹農家があり、多くがキウイの栽培を行っていた。阿部翔太郎さんは23才の大学生で、出身は神奈川県で大熊町に移住してキウイ栽培を行っている。おおくまキウイ再生クラブは2019年に設立されたボランティア団体で、除染が終わった農地を借りて苗木を植えるなどの活動を続けてきた。阿部さんは2年前から参加し、東京の大学に通いながら今年4月に移住した。
農家としてはまだ新米の阿部さんだが、日々勉強しながら栽培に取り組んでいる。大切なのが木の形。棚仕立ては、地面から2メートルほどの高さに設置した針金に枝を固定する栽培方法。太陽光が葉や実にまんべんなく届き、光合成が活発になる。糖になるでんぷんが多く蓄えられる。枝や葉が重ならないようテープで固定していく。数年先の収穫も考えながら行っている。
- キーワード
- キウイ
さらに美味しいキウイを生み出すために欠かせないのが土作り。大熊町は、放射性物質の除染作業によって栄養を含んだ土はすべて剥ぎ取られた。鶏ふんには植物が育つときに必要な成分が入っていて、福島市内のにわとりから出たものを使っている。阿部さんたちは、魚のアラを発酵させた肥料を夏場にまいている。含まれるミネラル成分が甘くなめらかな食感を生み出すという。
キウイは10月中旬から収穫が始まった。今年は約100キロ収穫する予定。もぎたてのキウイを食べて松井絵里奈は、甘くないすっぱいなどとコメント。キウイは採ったままの状態だとかたくておいしくない。収穫後追熟と呼ばれる工程が必要。エチレンガスがキウイの追熟を促す。でんぷんが糖に変化するのを早め食べ頃の状態になる。追熟したキウイを食べると、松井絵里奈はほどよい酸味もあってそして甘いなどとコメントした。糖度は18%以上あった。
スタジオトーク。「紅妃」という中心部が赤いキウイを試食。天野さんは「美味しい」などと話した。再生クラブのキウイは販売されておらず、イベント等で使用されているという。キウイの生産者の阿部翔太郎さんは会社を立ち上げて新たに土地を借り、本格的なキウイ栽培に乗り出すという。
10月下旬、おおくまキウイ再生クラブの農園でバスツアーが行われた。参加者はキウイの収穫体験を行い、収穫後は農園でランチをした。またキウイ再生クラブは東京・六本木のイベントでもブースを出店し、キウイのスムージーを販売していた。
関本元樹さんは元々大熊町の果樹農家出身だったが、原発事故で町外へ避難。震災の翌年から避難先の千葉県で農園を再開させており、キウイ再生クラブから栽培を手助けしてほしいとの依頼を受けて大熊町に戻ったという。現在はキウイ再生クラブの顧問とのこと。関本さんは「大熊町に行く機会を作り出してくれているのでとてもありがたい」などと話した。
スタジオトーク。天野さんは「若い力がどんどん繋がっていって嬉しくなる」などと話した。スタジオでは出演者がキウイのスムージーを試飲し「美味しい」などとコメントした。スムージーにはキウイだけでなく梨も使用されているとのこと。
エンディング映像が流れた。
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