2023年12月22日放送 22:45 - 23:30 NHK総合

ふたりのディスタンス
ピース 綾部祐二と又吉直樹

出演者
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(オープニング)
オープニング

これは、とあるふたりの物語。お笑いコンビ「ピース」。綾部祐二と又吉直樹。ふたりがコンビを組んで14年。人気芸人への道を一緒に切り開いてきた。6年前、人気絶頂の中、綾部が渡米した。ふたりは別々の道を歩むことに。コンビでの活動が一度もないまま6年が過ぎた。それでも解散することのなかったふたり。そのふたりが、6年ぶりに1度きりのライブをすることになった。

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ピース 綾部祐二×又吉直樹
6年ぶりの帰国

10月2日、帰国の2日前。番組スタッフはアメリカの綾部にビデオ通話で挨拶をした。綾部は自ら考えた帰国時の演出について話してくれた。10月4日、綾部は羽田空港から帰国した。6年ぶりの帰国。滞在は3週間の予定。密着は芸人になる前から憧れていたという。10月15日に相方・又吉との一夜限りのライブを企画している。綾部はそのステージ上に立つまで又吉との一切会わないことにしている。

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一方の又吉。この日はラジオの生放送に出演していた。又吉は別にライブ前に会ってもいいのではと思っている。又吉は密着が苦手だという。相方・綾部について、密着は好きだが過剰演出に走るところがある、しかしそれが綾部の自然体である、自己演出がかかっていない通常モードがない、などと教えてくれた。

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6年ぶりの帰国 一度きりのライブ

帰国の翌日、綾部は原宿・表参道に向かった。気を遣ってかほとんどの人は綾部の存在に気づいていない感じだった。気づいて話しかけてくれたファンたちと記念撮影をした。その後、帰国して最初に訪ねると決めていた明治神宮に向かった。コンビを組もうと決めるなど、ふたりの思い出の場所だという。おなじみのカツカレーを食べた。密着取材でも細かい演出を気にする綾部。「自意識過剰やねん、誰が気にするんだよ」などと言われることもあるが、だからこそ自分が気にしないとと思ってしまうという。

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都内のホテルに又吉はいた。2015年、小説「火花」で芥川賞を受賞した。今は仕事の8割が執筆だという。カレーが大好きな又吉。寿司だと何を注文をしたらダサくないかと考えだしたら注文できなくなるという。誰も気にしていないとは思うが、気にしてしまう。このあたりは綾部と似ている。

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ふたりの道のり

違うようでどこか似ているふたりは、どんな道のりを歩んできたのか。茨城出身の綾部は子どもの頃から目立ちたがりだった。小学生の頃は芸人になる夢を持っていたが、高校卒業後は地元の工場に就職した。20歳の時、遊びに行った東京で、人生を変える出来事があった。代々木公園で「ダウンタウンのごっつええ感じ」の収録があり、その人気ぶりを見て、工場を辞めて東京行くぞと決意し、吉本に行ったという。

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一方の又吉は、幼い頃から人見知り。でも創作の喜びをずっと胸に秘めていた。小学2年生の頃、赤ずきんの劇をやることになったが、台本が標準語であることが気になり、自ら関西弁に直した。それがウケたときに快感を覚え、物語を書く楽しさを知った。

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ふたりはお笑いの養成所(NSC)で出会った。綾部は21歳、又吉は18歳だった。綾部の方が年齢的には先輩で、又吉は敬語で話す。4年後、最初の相方とコンビを解散し、芸人を辞めようとしていた又吉を引き止めたのが、綾部だった。そこからふたりはコンビ「ピース」を結成した。自分を信じることにためらいのない綾部は、「てんぐになった」と言われている時期もあった。又吉から見れば、綾部はてんぐになってたのではなく最初からてんぐだったのだという。コンビ結成から7年後、日本一をかけた賞レース(キングオブコント)では、弱気だけどやりたいことがある化け物(又吉)と、怒りっぽいけど面倒見の良い男爵(綾部)を演じた。いつものふたり、そのままのコントだった。その後、ピースは人気番組9本を抱える人気コンビとなった。2015年、又吉は芥川賞を受賞し、その物語を生み出す才能が世に知られることとなった。その2年後、綾部は渡米した。子どもの頃から映画などでアメリカに憧れを持っていたという。又吉が芥川賞を受賞し、コンビでなくてもやっていけそうだと感じたことも後押しした。又吉は綾部の渡米を止めることはなかった。周囲から無謀だと言われても、思った通りのことを言い、挑戦している綾部に潔さを感じている。

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6年の距離

ピースとしての活動がないまま6年が過ぎた。綾部はキャーキャー言われたいだけなのでネタには興味がないという。一方の又吉は、綾部とコントをやらなくなってからもひとりでコントを作ってきた。綾部のコントに対してのスタンスを聞かされた又吉は「こんなに気持ちが伝わらんことってあんねやな」と話した。まだ6年…。もう6年…。

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6年ぶりの帰国 一度きりのライブ

10月15日、ふたりのトークライブ当日を迎えた。本番3時間前、綾部が現場入りしてスタッフたちに挨拶した。舞台上まで顔を合わせないように、又吉が来る前に別の場所に移動した。又吉が到着。緊張はしていないという。ひとりのライブなら何を喋ろうかなどと考え緊張することもあるが、「きょうは喋ってくれる人がいるので」とのこと。しかし、本番が近くなると、流石に落ち着かなくなってきた又吉。そして本番となった。又吉、綾部の順でステージの上へ。ふたりは6年ぶりに再会した。ステージ上で抱擁した。ふたりのトークだけで進める2時間半。お互い、何を話すかは知らない。綾部は大変だったアメリカでの番組出演経験などを話し、笑いをとった。ライブが終わり、別々の方向にはけるはずが、又吉が綾部についてきて同じ方向にはけた。ふたりはライブ終わりの感想を話し合った。不思議とライブの雰囲気は昔と変わっていなかったという。

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近づく別れ それぞれの道

綾部の日本滞在があとわずかとなった。ふたりで過ごす最後の日、行っておきたい場所があった。「知恩院」は、コンビ結成前のふたりを結びつけた場所。売店で売っていたストラップが、仲を深めるきっかけとなったという。脇のベンチに座り、2人は先日のライブを振り返ったり、掴みきれていないふたりの関係性について話した。日本滞在最後の夜、ふたりで外食した。これからのふたりについて聞いてみた。それぞれ、コントなどふたりでの活動について考えていることもあるという。そして綾部は再び渡米した。ピースをして手荷物検査場へ消えていった綾部。そのことを聞いた又吉は、「前日にひとりでリハやってたんちゃうかな」「さすがっすね。でもそれをできるのが綾部祐二ですからね」などと話した。

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