- 出演者
- 桑子真帆 高橋和夫 西野正巳
アメリカの軍事介入で緊迫の度を増していた中東情勢。急展開の停戦合意発表までを徹底分析する。
オープニング映像。
今月22日未明、トランプ大統領はアメリカにとって初めてとされるイラン本土への攻撃を行ったことを発表した。さらに、トランプ大統領はイランの体制転換にまで言及。ところが、けさトランプ大統領はSNSにイスラエルとイランが停戦に合意したと投稿した。米国防総省の元高官のラムリー氏は、トランプ大統領はイランの核開発阻止に焦点を絞り長期的な軍事作戦には消極的だったとみている。今回、アメリカが標的にしたのはイスラエルからの攻撃を受けていた3つの各関連施設。重要拠点であるフォルドゥでは地下深くの施設でウラン濃縮が行われているとされている。アメリカ軍は最大級の貫通弾“バンカーバスター”を使用。専門家は「実際にどの程度施設にダメージがあったかは不明。イラン、あるいは国際社会に対してアメリカの決心の強さを示す効果があったように思う」としている。
アメリカの攻撃後、イランはイスラエルに反撃。さらに、カタールにある米軍基地に対して見入る攻撃を行った。しかし、イラン側から攻撃について事前の通知がされ、けが人はでていないと伝えられている。ラムリー氏は「イランとしてはこの攻撃で一定の勝利を主張できる一方で、アメリカも基地を防衛できたと主張できる。これにより両者に緊張緩和の余地が生まれた」とした。その約5時間半後、トランプ大統領はイスラエルとイランが停戦に合意したと発表した。戦闘は本当に終息するのか、 今後のカギはアメリカがイスラエルにどう働きかけるかだとラムリー氏は指摘した。
スタジオで中東情勢が専門の高橋和夫氏とイランの安全保障を研究する西野正巳氏が解説。トランプ大統領は「停戦は発効している。違反しないでほしい」とSNSに投稿。イスラエルとイランは停戦案に同意していたが、イスラエル国防省は「イランが停戦違反」として軍にテヘラン攻撃を指示。イランは停戦違反を否定している。高橋氏はスケジュールの急さにトランプ氏の焦りが見えると指摘。西野氏は「イランは劣勢のため停戦に応じた。イスラエルはアメリカが参戦してくれた恩がある状態なのでアメリカの要望に応じたのでは」とした。
バクーから中継。停戦発砲後、イラン側では攻撃が収まっている。一方で、イランが停戦を破りミサイルを発射したとするイスラエル側の発表について、イラン側は否定している。核開発を巡っては継続する意志を示している。
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- バクー（アゼルバイジャン）
エルサレムから中継。ネタニヤフ首相は今回の軍事作戦でイランの核とミサイルの脅威を排除したと成果をアピールした。市民からは再び軍事衝突が起きるのではないかという不安もきかれた。
ブレを感じるトランプ氏の発言に高橋氏は「リップサービスと同時に、一連の事件が終わればイランとの核交渉が始まるのでそのときにイランに対して揺さぶりをかけておきたいのでは」とした。
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- ドナルド・ジョン・トランプ
ワシントンから中継。イスラエルが望む形でイランへの攻撃に踏み切ったことで、アメリカの影響力が強まり、今後停戦を維持するようイスラエルにたいして働きかけを強めていくという見方もある。
中東をめぐる一週間の動きはNHK＋のプレイリストでまとめていると紹介した。
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- NHKプラス
西野氏は「イスラエルは停戦に納得していない可能性がある」などとした。高橋氏は「イスラエルの合意の遵守率は高くない。トランプ大統領がネタニヤフ首相を抑え込めるかどうか」などと話した。