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オープニング映像。
2025年2月、小樽で開かれたイベントに集まった人のお目当ては、2007年に誕生したバーチャルシンガー“初音ミク”。
「初音ミク」を開発した札幌のクリプトン・フューチャー・メディア。藤原さんは四国出身、入社6年目の29歳。自身も楽曲制作を行うクリエーターでボーカロイド「初音ミク」を使っている。藤原さんは初音ミクを生んだクリプトンで働くために四国から北海道へ。楽曲制作を続けながらクリエーターの音楽活動をサポートする情報を発信している。
クリプトン・フューチャー・メディアはインターネット黎明期の1995年設立。創業者の伊藤博之社長は2007年に初音ミクを開発した。目黒久美子さんは初音ミクのイベントの企画担当で、伊藤社長とともに初音ミクに命を吹き込んだ1人。初音ミクの初めての音をつないだもう1人の社員は佐々木渉さん。初音ミク以前のボーカロイドは機械で歌声を再現していたが、初音ミクは声優の声がベース。唯一無二の歌声でどんな音程の曲でも自由に歌わせることができる。完成までの期間は半年ほどだったという。クリプトンはこれまでボーカロイド製品を約30万本売り上げた。
クリプトン・フューチャー・メディアの社員の6割は音楽経験者。小泉聖道さんは「札幌から世界へ音を発信する」という伊藤社長の思いに共鳴した1人。音の素材のダウンロードストアを管理している。アメリカ出身のリキさんは就職して日本に住み始めた。現役のDJプレイヤーでもある。
札幌のコンサートホールでボーカロイドの楽曲をオーケストラで奏でるコンサートが開かれた。コンサートは今年で10周年だが、地元・北海道では初開催。舞台を取り仕切るのは藤原さん。
ボーカロイドの楽曲をオーケストラで奏でるコンサート。地元・札幌での初開催を取り仕切るのは藤原さん。昼と夜の2公演あわせて3000人以上のファンが集まった。藤原さんは「ファンのみなさんの中にもミクにとって札幌は特別な場所という思いがある。イベントを経て次のクリエーターが出てくることが一番の楽しみ」と話した。夜の公演終了後はコンサートホールでは珍しい盛り上がりが見られた。伊藤社長は「音楽の楽しさや、自分もやってみたいという人が増えるといい」と話した。コンサート後、伊藤社長はこの日が最終日のさっぽろ雪まつり会場へ。
今年で設立30年。3人ほどで始まった会社には現在140人の仲間が集う。伊藤社長は「横でつながって大きなシンフォニーを奏でていくことが大事」と話した。共通するのはクリエーターに対するリスペクト。その思いを同じくする人たちが集まることで札幌から新たなカルチャーを発信し続ける。
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エンディング映像。