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オープニング映像。
野球がマイナーな国で普及活動を続ける高校野球の監督を取材した。
おかやま山陽高校野球部で監督を務める堤尚彦氏(53)は小学3年の時に野球をはじめ、選手としてのキャリアは大学時代に幕を下ろすこととなった。ある時、青年海外協力隊でジンバブエに派遣された村井洋介氏が現地で野球を教えていることを知った。1996年、24歳だった堤氏は現地へ趣き、2年にわたって野球の普及に努めた。帰国後にはおかやま山陽高校から硬式野球部の監督を打診され、23年にチームは全国高校野球選手権大会でベスト8入りを果たす。また、中古の道具を開発途上国へ送るというプロジェクトにも参画。教え子には福岡ソフトバンクホークスで活躍する藤井皓哉、横浜DeNAに加入した田内真翔がいる。
25年2月、堤氏はコロンビアを訪れ、現地で野球の指導にあたっている川田健氏と対面した。実は教え子の1人。現地の子供達と積極的にやり取りを交わすなど順調そうに思われたが、教え子がいつの間にか他チームに在籍しているなど、日本とは違った文化に驚かされるという。川田氏は指導の合間を縫って、日本語や体育などの巡回指導を行っている。バランキージャはコロンビア国内でも野球が盛んで、小学校では子どもたちもひたむきに野球に打ち込んでいた。
堤氏の長男である尚虎氏はペルー・リマに赴任し、父と同じく野球の普及活動を行っている。サッカー、バレーと比べて野球はマイナースポーツで、競技人口は約1500人。尚虎氏から技術指導を受ける代表選手ですら1時間をかけて練習場に通うという。現地を訪れた堤氏は子どもたちとキャッチボールをしたり、高校野球の指導では打つこともなくなったノックまで披露。尚虎氏が言葉の壁に苦戦するなか、堤氏は「細かいことを教えられなくても、楽しそうに情熱を持ってやっているのは伝わる」などと語った。帰国後、球児たちを前に堤氏は「種になって芽を出して、活躍して人の役に立ってください」と伝えていた。
エンディング映像。