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オープニング映像。
ゲーム芸人のフジタこと藤田真也は今年1月、30年間絶縁状態だった父と暮らすことを決めた。認知症が進んでおり、ガス台の火を消すのを忘れたりと、目を離すことができない。フジタは幼い頃に母を亡くしており、父は同級生の母と親密になった。3万円だけを置いて家を空け、自分よりも同級生を可愛がる父。同級生を亡きものにしてしまおう、そんな気持ちに歯止めをかけたのがファミコンゲームだった。
16歳で高校を中退、タクシー運転手をしながら芸人を志し、30代後半でゲーム芸人として歩き始めたフジタ。家には所狭しとレトロゲームが並んでいた。父の異変に気づいたのは昨年2月、物忘れが増え、1か月でクレジットカードを30万円も使っていた。診断結果はアルツハイマー型認知症、好きな競馬ならとお金を渡してもすぐに帰ってきてしまい、金銭への執着にフジタは悩まされていた。ケアマネージャーにも来てもらい、日常生活を一人で送ることが難しい「要介護2」の認定を受けた。
日に日に病が進行する父は足元がおぼつかず、物忘れも相変わらず。大切にしていた鳥の死にも気づかず、目を離した隙に道を歩けば大怪我を負う。ところが、しばらく続いていた内縁の妻に対する援助は先方から断りの連絡があったにも関わらず、銀行へ向かおうとし、フジタの元にもひっきりなしに連絡が来る。すでに借金を負うほどの額を払っていることに、本人は気づいていない。
ふと目を離した隙に転んだ父の診断結果は、背骨の圧迫骨折により全治3か月。寝たきりのような生活が続き、食も細くなる一方。届く弁当は余り続け、自分で炊いた白米は手つかずで残ったまま。戦時中に静岡で育ったフジタの父は、ギャンブル癖のあった祖父の影響もあり、お金こそが愛情表現だと信じて働き、生きてきた。内縁の妻との暮らしは楽しかったと話す反面、お金こそ置いたものの孤独を味わわせたフジタへの申し訳無さも口をついた。
新たな家族を求めて女性との交際を順調に進めるフジタ。彼女の誕生日を共に祝い、とてつもない数のゲームで埋め尽くされた自宅の片付けも買って出てくれた。憎んでいた父の言葉「お前に子どもがいたらどんなに楽しいか」に心を動かされ、孫の顔をみせてやりたいとの思いがフジタには確かにあった。
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- 吉祥寺(東京)
骨折しているフジタの父が「内縁の妻に会いに行く」と言ってきかない。仕方なく相手方に電話越しで来ないよう説得してもらい、その日は引き下がったが「死んでもいいから会いに行く」と言い放った父に対して苛立ちを隠せなかった。
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