- 出演者
- 岡田准一 鈴木蘭々 夢枕獏 いとうせいこう
「杖で叩いたところから温泉が出てきた」などの伝説を持つほか、川崎大師など全国各地の名所とも深い関わりを持つ空海。その生涯や、密教に惹かれるきっかけとなった神秘体験などをこのあと紹介。
オープニング映像。
高野山を開き密教を広めた空海。奈良時代末期に香川に生まれ官僚を志したが、家柄が貴族ではないため断念。仏教に惹かれ、親族の反対を押し切って出家。費用は伯父などに頼み込み、遣唐使として中国へ。当時31歳。
留学僧として中国にわたった空海。期間は20年。当時の唐は国際都市で宗教も多数存在。死後の幸せではなく現世の利益を重視する密教に惹かれ、サンスクリット語で書かれた書物を3ヶ月で習得に。当時の有力者・恵果の弟子となり、教えをあずかって継承者となった。留学の費用を経典や法具などの購入に費やし、2年で帰国。天皇を弟子にしたい思惑もあったという。
留学期間20年間を全うせず帰国した空海。帰国後は大宰府に留め置かれたが、唐から持ち帰った法具の価値などを書物に記して朝廷へ提出。これを見つけたのが天台宗の開祖で当時の有力者・最澄。天皇からの命で密教をより深く知る必要があったという。空海は最澄を弟子とし、一部の経典を貸与。関係が絶たれたあとも空海は各地を放浪。
中国から帰国した空海は、故郷・香川へ。現地で学んだ土木技術を活かして満濃池の堤防を修復。現場では密教の加持祈祷も行った。薬に関する知識も習得しており、加持祈祷と合わせて人々に施していった。こうして密教を浸透させていったという。「水の乏しい地域で貴重な水をもらった空海が村に湖を作った」「渡し船に無償で乗せてもらった空海が木の葉を魚に変えてお礼とした」などの伝説が各地に残っている。
奈良仏教が浸透していた時代に密教を広めようとした空海。貴族を信者にするためには「供養」の考えを広め、嵯峨天皇を弟子にするためには書物を何度も送るなどした。嵯峨天皇には継承者として認め、「天皇を弟子にしたい」という帰国の目的を完遂させた。当時50歳。高野山を拠点とし、「密教はこの国に欠かせない」とのアピールを続けた。立体曼荼羅などわかりやすい表現も活用。生前最期の言葉は「人々を救済するため 弥勒菩薩と共に再びこの世に現れる」。
『創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」』の告知。9月8日まで、東京国立博物館にて。
「パリオリンピック2024 開会式」の番組宣伝。NHKプラスで同時配信。
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