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オープニング映像。
スノーボード・ハーフパイプの平野歩夢選手は世界選手権の前日（3月26日）練習で肋骨を骨折。来年のオリンピック出場がかかる試合を欠場した。4月16日にカメラの前で初めて心境を語ってくれた。2022年の北京五輪で平野は前人未到の大技を決めて日本選手初の金メダルを獲得。今シーズンは後輩たちが急成長する中、勝てない日々が続いた。もがき這い上がろうとする日々を見つめた。
去年9月、平野歩夢は故郷の新潟・村上にいた。地元の人たちを招いて練習施設のお披露目イベントを開催。人工芝で作られ、雪が無くても一年中滑ることができるという。集まった人たちの質問にも気さくに答え、オリンピック2連覇への決意を語った。
去年10月、オリンピック代表選考に関わるワールドカップまで1か月となり、平野歩夢はオーストリアで合宿に入った。久しぶりの雪上トレーニングで最初に行ったのはパイプの確認。パイプごとに異なる壁の角度や表面の凹凸、風の強さをつかんでどう滑るかイメージする。1日5時間の練習で繰り返していたのは踏み切りと着地の基本動作。金メダルを獲得した北京五輪で見せた大技「トリプルコーク1440」（縦3回転・横4回転）の完成度を高めようとしていた。日本代表の村上コーチは「彼の強さは圧倒的な高さ。いちばん気にしている踏み切りのタイミングがあの高さを生んでいる」と語った。ワールドカップで優勝経験もあるチェイス・ジョージー選手の踏み切りと映像で比較しながら平野の踏み切りを紹介した。ギリギリで踏み切ることで滑走距離が長くなり、高く飛ぶことで、より回転することが可能となる。北京五輪では高さ・技の難度が評価されて高得点となった。
ことし1月にスイスで行われたワールドカップ第3戦。戸塚優斗は平野の代名詞「トリプルコーク1440」を決めた。平野流佳は「ダブルコーク1440」「トリプルコーク1440」を連続で決めて、さらにその上を行った。平野は「トリプルコーク1440」の着地が乱れて3位。日本選手トップは平野流佳で2位だった。試合後の平野は「納得いく滑りを常にめざしていきたい」などと語った。
次の試合まで2週間。平野歩夢はトリプルコーク1440の完成度を高めれば勝てると考えていたが、思うようにいかなかった。着地に失敗して膝を打撲、全治10日と診断された。
ことし2月にアメリカで行われたワールドカップ第4戦。平野歩夢は冒頭でトリプルコーク1440を決めたが、コンビネーションを決めた平野流佳が優勝。完成度を高めるだけでは勝てなかった。試合後の平野歩夢は「限界を超えていかなきゃいけない。そこがいちばん連覇するために必要になってくる」などと語った。指導する父・英功さんも対策が必要だと感じていた。
ことし3月、海外遠征から帰国した平野歩夢は青森・鰺ヶ沢町で合宿。シーズンの集大成となる世界選手権が9日後に迫っていて、演技構成に新たな技「スイッチバックサイド1260」を組み込もうとしていた。通常は利き足の右足を前にして滑るが、スイッチは左足を前にして助走、進行方向と逆向きに回転する。3年前から取り組んできたが課題として残っていた。2017年3月のUSオープンで試合中にバランスを崩して転倒。膝の靭帯と内臓を損傷する全治3カ月のけがを負った。ピョンチャン五輪まで1年を切っていたが平野は諦めずに復活。五輪では当時最高難度の技を連続で決めたが、ショーン・ホワイトに同じ技を決められて金メダルは獲れなかった。さらに難度の高い「トリプルコーク1440」に取り組み、北京五輪ではショーンの壁を乗り越えて金メダルを獲得。新たな技の特訓は連日5時間に及んだ。
ことし3月、スイスで来年のオリンピック出場をかけた世界選手権が行われた。平野歩夢は大会3日前から現地で調整。大会前日の練習で転倒して肋骨を骨折。大会当日の練習に姿を見せた平野は基本動作を繰り返した後、欠場を決めた。やりきってちゃんとオチをつけたのでスッキリしたと語った。日本勢トップは平野流佳の2位だった。
エンディング映像。
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