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オープニング映像。
次第に体が動かなくなる恐怖。難病 ALS。生まれながらにしてその運命を背負った。それでもあなたたちに伝えたい。
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2023年10月、北九州市小倉北区 日明小学校で小学4年生のクラスを受け持つのは竹永亮太先生(34)。放課後になると顧問を務める合唱部の元へ。部員は3~6年生の28人。6歳からピアノを習っていた。竹永は教壇に立って3年目に将来ALSになると診断された。失意の中、偶然に耳にしたのが合唱部の歌声。子ども達の姿に心を動かされ教師を続ける決意を固めた。2年前に日明小学校 合唱部の顧問となった。創部20年以上の合唱部。全国大会に2年連続で出場が決まり、この年も金賞を目指している。自由曲には「樹形図」を選んだ。竹永は「その歌詞を子ども達に伝えたい そういう思いで選んだ」などと理由を話していた。5年生の花田千奈さんは「竹永先生が自分のことを犠牲にして合唱部のために頑張ってくれている 竹永先生にありがとうございますという感謝の気持を込めたい」と話していた。
2023年11月 全国大会当日。日明小学校は樹形図を披露し、金賞を獲得した。
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妻の三央さん(32)は結婚してから6年間、竹永先生を支えてきた。三央さんは「もう少し自分を大事にして休んでほしいなっていうのは思う、たくさん抱えて帰って来るので一つくらいなくしてもいいんじゃないかとかちょこちょこ言ってしまう 結局は本人がやりたいようにと思う」と話していた。今年に入って竹永先生は薬を飲み始めた。この薬はALSの進行を遅らせる可能性はあっても改善には至らない。いまだ治療法が確立されていないALS。竹永の場合母親から遺伝したものだった。
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ALSと戦いながら合唱部の顧問をつとめる日明小学校の竹永亮太先生。この日、難病患者が集まるシンポジウムに講演の依頼を受けた。テーマは”難病と音楽”。ALSは突然発症する孤発性の他にも家族から遺伝する家族性がある。遺伝する確率は約2分の1と言われているが、竹永先生の場合、4世代に渡り発症した。2人の妹にはALSの症状は現れていない。2年前、妹の友梨さんには長男が生まれた。友梨さんは「遺伝するかもしれないから子供は作らないほうが良いんじゃないかと思ったことがある けど夫に言ったらすごく怒られた なったらなったで自分たちが支えていけばいいし作らないという選択をするのは違うんじゃないと怒られた」等と話していた。妹の舞さんは、兄のいう大丈夫は不思議と大丈夫と思えてきて、兄も今元気に過ごすのがお母さんを安心させる一つだと言っていた、などと明かした。竹永亮太先生は、自分は前向きに生きているので、そうやって生きていけてることを母には伝えたい、何の責任も感じてほしくない、僕は幸せなので、伝えたい、それが伝わったら嬉しい、などと話していた。
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竹永先生の家族性のALSはSOD1遺伝子の異常が原因とされている。2023年にアメリカで承認されたトフェルセンは、根本的な原因に働きかける初めての薬だが、九州大学 大学院の山崎亮教授は「そういう薬は早期に使わないと神経細胞がダメージを受けた後に使っても有効にはならない」「(海外で承認された薬が日本で)1年以内に新たに承認されたというのは聞いたことがない」という。個人輸入する方法もあるが、費用は年間約3000万円と言われている。
3月、2年間ともに過ごした6年生達が卒業する。最後の歌 正解/RADWIMPSを披露した。
この春、新たに7人が加わった。子ども達と竹永先生の一年が始まる。
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