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福井県越前市の小さな山の麓にある「御誕生寺」というお寺が今回の舞台。駐車場の至るところにネコが居た。お寺の本堂の前にある仏像にもネコが象られている。ネコと戯れるご夫婦に話しかけた。昔は家でネコを飼っていたが、2年前に亡くなってしまい、ネコが懐かしくて隣県から訪れたという。駐車場脇の小屋で子ネコの写真を撮る女性が居た。この小屋ではお寺に来たばかりのネコが暮らしているという。一昨年なくなった先代の住職がネコ好きで、20年前から捨てネコを保護してきたことがこのお寺がねこ寺となった理由。お昼、ネコを膝に乗せて地べたに座る男性が居た。たまにリラックスしに来るという。ある女性が、「タッちゃん」という背中にお地蔵さんの模様があるネコを教えてくれた。女性の御主人はインスタで毎日ネコの写真を投稿しているという。御朱印を貰いに来た男性に声をかけた。仏像とネコが描かれたゆるい感じの御朱印。自動車の通り道に居た足の悪いネコを安全なところに移動させてあげている女性が居た。女性は半年に一度、エサの寄付を続けているという。小屋を覗くと、ネコがケンカしていた。ケンカではなくアプローチの可能性もある。愛知県からネコ友同士で旅に来たという男女がいた。女性には別に彼氏がいるが、彼氏公認での旅だという。午後3時すぎ、お寺の人がネコのご飯の準備を始めた。ご飯は午前8時と午後3時半の1日2回。エサは主に寄付されたもの。お寺は午後6時に閉門する。人がいなくなった後、ネコたちは思い思いの場所で夜を過ごしていた。
撮影2日目の午前4時30分、朝のお経が始まると、その音に気づき駆け出すネコなどがいた。午前9時半、1台のバイクが。滋賀県から来たという男性。数ヶ月に1度は訪れるという。男性はここのネコの中にもいじめるネコ、いじめられるネコがいて、人間社会と同じだと感じていることなどを話した。撮影スタッフに女性が話しかけてきた。週に2日は通う常連。ボスネコの風太など、ここのネコのヒエラルキーについて教えてくれた。ネコが車の下に入ってしまい、車を動かすことを躊躇している男性がいた。傘を車の下に入れて誘い出そうとしていた。夕方、境内のハズレできのう会った男性が居た。シローというネコを探してここまで来たという。男性は製造業の会社で人事をしており、管理職になった頃からここに通い始めた。馴染めないネコ、はぐれてしまった感じのネコなどを見ていると、自分を見ているように感じるという。
撮影3日目、雨の中で一組の男女が居た。男性は実家のネコが去年亡くなってしまい、さみしくなって通うようになったという。降りしきる雨の中、ベンチで女性がネコを抱えながらうたた寝していた。きのうネコたちのヒエラルキーについて教えてくれた女性だった。かつてパワハラで会社に行けなくなったときにここのことを知った。ネコと戯れるうち、女性はまた少しずつ人と触れ合えるようになり、仕事に復帰できたという。雨が上がり、ネコたちの温もりを抱きしめた女性は、日常へと戻っていった。
撮影4日目、出勤前に立ち寄った常連の男性がいた。ネコの元気な姿を見て、自分自身にもエンジンをかけているという。やんちゃざかりの2匹が本堂の中でケンカしていた。住職は「ご勘弁してほしい」と、ネコを外に運んだ。最後に出会ったのは2歳の男の子。ネコに手をのせ、「お昼寝したいな」というネコの気持ちを感じ取っていた。
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