2025年7月11日放送 4:00 - 4:10 NHK総合

ニッポンの里山 ふるさとの絶景に出会う旅
▽オオムラサキが舞う雑木林 山梨北杜市

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

オオムラサキが舞う雑林 山梨県 北杜市
オオムラサキが舞う雑林 山梨県 北杜市

山梨県と長野県にまたがる八ヶ岳連峰。その麓に広がる北杜市は、人口4万5000人。農業が中心の街。田んぼの向こうに雑木林が見える、これはかつて炭や薪を作るため田んぼに出来ない斜面などに人々がクヌギを植えて作った林。クヌギは切っても株を残せば再び芽が出るため、同じ木を何度も利用できる。それを物語る木も残っていて、太い幹から上が切った後に出た枝。幹の周りのコブは何度も切られた跡。7月、大きなクヌギの根本を見てみると、たくさんの昆虫が集まっていた。この時期、クヌギの幹から染み出す樹液が目当て。そこに蝶がやってきた、全国でも数が減っているオオムラサキ。美しい青紫の羽の色がその名の由来と言われている。地味な羽の色はメス。クヌギが多い北杜市は、日本有数のオオムラサキの生息地。スズメバチがやってきたが、オオムラサキは怯むことなく羽を動かして追い払う。オオムラサキは今繁殖の季節。蝶になってから2週間ほどの命、その間に子孫を残さなければならない。卵を生むと一生を終える。

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オオムラサキクヌギ北杜市(山梨)

オオムラサキにとって大切なクヌギの林。ところが最近は、炭や薪が使われなくなり手入れされずに荒れたクヌギ林が増えている。そこで、茂った下草を狩り元気なクヌギ林を復活させようと取り組み始めた人々がいる。農家の跡部治賢さんは、子供の頃親しんだオオムラサキが舞う林を取り戻したいと考えた。活動しているのは、地元の農家と東京などから移り住んできた人々。共同で作業する内に絆が深まってきたという。活動を始めて9年、人々が手入れした林にオオムラサキが少しずつ戻ってきた。

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オオムラサキクヌギ

オオムラサキにはもう1つ大切な木がある。それは、エノキ。川の近くの湿った場所で多く見られる。エノキの葉の上にいたのは、オオムラサキの幼虫。幼虫はエノキの葉しか食べないため、エノキがないと生きられない。こうして2か月エノキの葉を食べて蛹になる。バッタが蛹の上を通ろうとすると、動いて振り落とす場面も。蛹になってから19日目に羽化し、羽が乾くとすぐに樹液を求めて飛んでいく。

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エノキオオムラサキ

雑木林の利用も始まっている。木を切り、再び芽吹きを促す。切った木は薪にし、それを使っているのが移住してきた人たち。ストーブの燃料になる。クヌギを利用することが育てることに繋がり、オオムラサキの住処も守られる。人が蘇らせたクヌギの林で美しい蝶が命を繋ぐ里山。

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オオムラサキクヌギ
里山 色とカタチ

「蝶文様」。古くから蝶は晴れ着などに描かれる人気の柄で、蝶は成長と共に姿を変えることから出世の象徴ともされ、戦国時代の武将も好んで使っていた。”蝶”という響きは長寿に繋がり縁起の良い文様。

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