2026年1月4日放送 6:00 - 7:00 テレビ朝日

プログレス賞
『救いの時差 〜ある小児がん医師の呻吟〜』

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(オープニング)
オープニング

久保田ちひろと高橋結衣は神経芽腫に侵された。二人の主治医である名古屋大学病院小児科の高橋義行医師は再発した神経芽腫の治療方法を模索し続けている。

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名古屋大学医学部附属病院神経芽腫
救いの時差 ある小児がん医師の呻吟
救いの時差 ある小児がん医師の呻吟

名古屋・昭和区にある名古屋大学病院の敷地内にあるドナルド・マクドナルド・ハウス なごやは病院に通う子どもとその家族のために寄付によって建てられた施設であり久保田ちひろ一家は一昨年9月から滞在している。久保田は3歳の頃に神経芽腫を発症した。神経芽腫の発症は年間約100人。久保田一家は本格的な治療を求めて名古屋大学病院に訪れ、2年に渡る治療で一旦はがんが消えて退院したが2023年、9歳の頃に定期検査で再発が確認された、再び名古屋大学病院に戻ってきた。治療を担当する高橋はできる限りの手を尽くして漸く生存率が半分になるなどと明かした。

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ドナルド・マクドナルド・ハウス なごや名古屋大学医学部附属病院昭和区(愛知)神経芽腫

高橋結衣は3歳の頃に神経芽腫を発症し、治療をし続けてきたが頭の骨や足にも転移した。高橋医師は新たな治療法の研究を進めており、CAR-T細胞療法に着目し、動物実験の段階まで来ていた。2023年4月に発表された神経芽腫の治療に関する論文に衝撃を受けた高橋医師はこれまで助けられなかった患者の3分の2が治療効果を得られ、3分の1ががんが完全に消えてしまっていることから研究者が期待を寄せているなどと明かした。2023年12月、イタリアに行けばCAR-T細胞療法を受けられる可能性があることから久保田一家は6000万円以上の費用をクラウドファンディングで募った。2024年2月、羽田空港からイタリアへ向かった。

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CAR-T細胞療法クラウドファンディング名古屋大学医学部附属病院東京国際空港神経芽腫

2024年3月、イタリア・ローマに到着した久保田はバンビーノ・ジェス病院にて神経芽腫の治療としてCAR-T細胞療法の臨床試験を受けた。結果が判明するまでに3か月必要で、それまでは経過観察が必要となる。がんの遺伝子治療研究所のコンチェッタ所長は、CAR-T細胞療法が医療的に緊急性の高い案件と捉え、研究に特別チームが結成されているなどと伝えた。名古屋大学病院は2013年に小児がん拠点病院に指定された。高橋医師は小児科の教授でありながら副病院長を務め、若くして父を亡くしたことで医師を志してきたなどと明かした。この日、高橋医師は小児がんで子どもを亡くした母親たちの会合に招かれていた。高橋医師はこうした会合には初参加であり、自分が最終責任者として担当し、死なせてしまった申し訳なさからご遺族とどう対面して良いのか、責められて然るべきである自分が何を伝えれば良いのかと参加を躊躇していたなどと胸の内を明かした。会合に参加した母親たちは、高橋医師を責めることはなく、わが子が生き延びる可能性を当時示して海外での手術を紹介支援してくれたことに感謝しているなどと伝えた。新薬を使用するには国の違いによる時差がある。

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CAR-T細胞療法バンビーノ・ジェス病院ローマ(イタリア)名古屋大学医学部附属病院神経芽腫高橋一夫

日本では新薬が患者に届くまでには長い時間が必要で、厚生労働省が設置する薬事審議会では国の他に学識経験者などが新薬の有効性や安全性などを審査している。薬の開発・承認までの流れは、基礎研究等→前臨床→臨床試験→治験とここまでで15年かかると言われ、その後も承認申請審査に約1年経て厚生労働省に承認されることとなる。欧米で承認された新薬も日本国内では原則として臨床試験からやり直す必要があり、欧米で承認されながらも日本では未承認となっている新薬は143品目で、うち86日目が未着手となっている。2023年3月に実施された製薬会社133社を対象にしたアンケートでは、国内で小児用医薬品を開発しない理由に採算が取れない・日本では治験実施が困難・国内賞に患者が少ないなどがあがった。欧米では成人向け医薬品開発で小児用薬の開発も検討することを義務づけているが、国内多くの製薬会社で肯定的な意見が出ているものの実現できないのが現実となっている。ファイザージャパンの梅田元社長は低分子医薬品時代には日本は強かったがバイオ時代になると出遅れたなどと伝えた。アメリカでは希少疾患の薬開発はベンチャー企業が主流となっている。アメリカ・カリフォルニア州にあるソレノ薬品は小児疾患に力を入れており、アニッシュCEOはアメリカでは患者団体の活動が活発であるためなどと告げた。FDA(アメリカ食品医薬品局)が2024年にイノベーションハブを希少疾患の治療を促進させる目的で設立し、患者・企業・投資家を繋いでいる。

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FDA Rare Disease Innovation Hubアメリカ食品医薬品局カリフォルニア州(アメリカ)ソレノ・セラピーティクスファイザー厚生労働省

2024年5月、神経芽腫が再発した高橋はイタリアに行くことが叶わず、すでに体中にがんが転移して治療ができないと判断されていた。神経芽腫向けのCAR-T細胞療法の治験を日本でできないか可能性を探るために高橋医師はイタリアへ向かった。

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CAR-T細胞療法神経芽腫

2024年3月、イタリア・ローマに訪れた高橋医師は新薬開発に必要な助成金を日本政府に申請した。高橋医師は久保田の経過観察のために入院している病院へ向かい、久保田の発熱はCAR-T細胞ががん細胞を攻撃しているもので効果が出ている明かしなどと説明した。CAR-T細胞療法の研究を指揮しているフランコ医師と対面した高橋医師は世界規模の治験を進める計画があると教わり、日本も参加できれば日本でも承認前にCAR-T細胞投与が可能となるため高橋医師は参加を志願した。イタリアのCAR-T細胞療法は臨床試験の段階にあり安全性と有効性は確立できていない。2024年6月、帰国した高橋医師はイタリアの研究グループからWeb会議に招待され、2030年にヨーロッパでの承認を目指し共同治験を開始すると知らされた。日本が共同治験に参加するための課題は資金と時間であると高橋医師は打ち明けた。2024年12月、高橋結衣は抗がん剤治療を続けており、母・忍は日本でのCAR-T細胞療法が実現することを願い続けていた。

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2024年5月、イタリア・ローマ。神経芽腫の治療を受けていた久保田は4月に退院し、がん細胞が確認できなくなるまで回復していた。9月、久保田は再び学校へ通い始めた。日本で神経芽腫で亡くなる子どもは年間約50人で、高リスク群で再発した場合には国内で救うことはまだ出来ない。11月、高橋医師はCAR-T細胞の研究を続けており、白血病や悪性リンパ腫向けのCAR-T細胞投与は治験として人への投与が出来る段階まで進んでいた。高橋医師は従来より若い人へ投与できる薬を開発し、この日初めて治験に臨んだ。愛知・蒲郡市にあるベンチャーであるジャパン・ティッシュエンジニアリングも参入を始め、高橋医師の研究を基に悪性リンパ腫向けのCAR-T細胞を製造し、全国で治験を行うための薬剤の製造や運搬も請け負っている。この日、父の墓参りに訪れた高橋医師は人生の節目時には訪れ父に報告しているのだと明かした。2025年2月6日、高橋結衣が永眠し、高橋医師は自分の研究で子どもたちを救うためにも努力し続けたいなどと打ち明けた。

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