2024年3月、イタリア・ローマに訪れた高橋医師は新薬開発に必要な助成金を日本政府に申請した。高橋医師は久保田の経過観察のために入院している病院へ向かい、久保田の発熱はCAR-T細胞ががん細胞を攻撃しているもので効果が出ている明かしなどと説明した。CAR-T細胞療法の研究を指揮しているフランコ医師と対面した高橋医師は世界規模の治験を進める計画があると教わり、日本も参加できれば日本でも承認前にCAR-T細胞投与が可能となるため高橋医師は参加を志願した。イタリアのCAR-T細胞療法は臨床試験の段階にあり安全性と有効性は確立できていない。2024年6月、帰国した高橋医師はイタリアの研究グループからWeb会議に招待され、2030年にヨーロッパでの承認を目指し共同治験を開始すると知らされた。日本が共同治験に参加するための課題は資金と時間であると高橋医師は打ち明けた。2024年12月、高橋結衣は抗がん剤治療を続けており、母・忍は日本でのCAR-T細胞療法が実現することを願い続けていた。
