2023年9月27日放送 19:57 - 20:42 NHK総合

プロフェッショナル
ふたりのキネマ 〜山田洋次と吉永小百合〜

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

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吉永小百合山田洋次男はつらいよ
file:525 ふたりのキネマ
山田洋次と吉永小百合 知られざる“ふたり”の物語

去年10月、撮影が始まろうとしていた。映画監督 山田洋次92歳。およそ2年ぶりとなる撮影には100人以上のスタッフが集結した。主演を務める吉永小百合はこれまで山田と5本の映画をともに制作してきた。8年ぶりとなる共作だが2人に再会を喜ぶ様子はない。山田にとって90作目の映画となる「こんにちは、母さん」は涙と再生の人情喜劇。吉永は母・フクエを演じる。この日山田はスタッフ全員を集めた。前作「キネマの神様」の制作中、主演の志村けんをコロナで失った。それから1年半山田は今回の脚本に向かい続けてきたという。山田は「映画に艶がある」の艶とはスタッフの映画を作る喜びみたいなものが不思議と画面に出ることだと話した。翌週本格的に撮影が動き出した。母・フクエが牧師の男性に恋心を抱く場面。繰り返し俳優のそばに足を運んでは演出の意図を伝え続ける。山田が62年貫いてきた流儀が「魂が、映る」。いいものを作らなきゃいけないという魂があるかどうか、作品に愛情を持っているかが必ずフィルムには映るという。このシーンは8度目のテイクでOKが出た。誰よりも厳しい声を掛けられていたのが主演の吉永だった。セリフのない芝居にも容赦なく声がとぶ。吉永は「今回の監督の思いとかすごいですよ。今までと全然違う」と話した。吉永にとってこの映画は123本目となる。

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こんにちは、母さんキネマの神様寺尾聰志村けん

吉永は11歳でデビューしてから67年、80本を超える映画で主演を務めてきた。今回の作品に秘めた思いがあった。一緒にやってきた渡哲也や高倉健との別れをあげ「ひとりになってしまったような感じ」と話した。映画の現場は好きでやっていきたいが自分にそれだけの力がこれからあるんだろうかという恐れや疑問もあるという。78歳での主演。撮影のわずかな間に何度もセリフを繰り返す。吉永は自らの引き際を山田に託そうとしていた。映画の撮影が始まって3週間。吉永への指導は厳しさを増していた。久しぶりに実家に帰ってきた息子と顔を合わせる場面。撮影の合間、山田の体は控え室に戻ることすら大きな負担になっていた。嚥下障害で食べ物を飲み込めず十分な食事をとることができない。周囲が心配するほと体重も落ちたという。それでも山田は幾度となく吉永の近くへ足を運ぶ。今回の映画で吉永に期待していることがおばあちゃんになることだという。山田は「いつでもしゃんとしなきゃいけない小百合さんであり続けることはどんなにプレッシャーであろうかとときどき気の毒に思うぐらいだね」と話した。

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こんにちは、母さん大泉洋宮本信子川村元気樹木希林渡哲也犬童一心高倉健
山田洋次と吉永小百合 ふたりの半世紀

2人が出会ったのは51年前。山田さんが「男はつらいよ」のヒロイン役として吉永さんにオファーを出した。吉永小百合の登場に撮影所中が興奮して出迎えたという。年間10本以上の出演作を抱え社会現象を巻き起こすほどの人気俳優。だが分刻みで撮影所を渡り歩き異なる人物を演じる日々に吉永さんは孤独を深めていた。日記に「私は、魂のない人形」と記した。その頃に山田さんからの出演依頼の手紙に「とらやに遊びに来るような気持ちで来てください」とあり肩の力を抜いて行けばいいのだと感じて気持ちが楽になったという。語り合いながらひとつの作品を作っていく様子は今まで出てきた映画と違っていたという。撮影を終えたとき「自分に正直に生きたい。もう1回人間らしい生活をしてみよう」と思った。もしあのとき休んでなかったら途中でどうなっていたか分からないと話した。吉永さんは自分にとっての学校だと話した。山田さんは吉永さんのためにと映画の企画を考え続けた。山田さんは「小百合さんと仕事をするっていうのは大きな喜びだからね。あの素敵な人格に触れられるってことですよね」と話した。山田さんは「みなさんこれが私の最後の作品です」なんて言って映画を作りたくないと話した。

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男はつらいよ
山田洋次と吉永小百合 知られざる“ふたり”の物語

10月下旬、吉永は重要なシーンの撮影に臨もうとしていた。フクエが足袋を縫いながら先立たれた夫との出会いを孫に語る場面。孫の言葉を受け止めながら長いセリフをワンカットで撮影する。休日には足袋職人から指導を受けていた。ミシンの手元が映ることはほとんどないがそれでも練習を繰り返す。撮影本番、カットがかかり撮影が中断するが吉永は山田の声を待ち続ける。吉永はひと息に演じた。吉永を褒めた山田を見たのはこの撮影で初めてのことだった。撮影の終盤、山田は笑顔を見せるようになっていた。山田は「映画を見終わって観客がふと元気になるような映画を作れば文句ないね。さらに言えば「ああ笑った笑った腹減っちゃった」そんな風に人を笑わせる映画を作れれば。僕の夢です」と話した。ことし2月身内だけの試写会に山田組の姿はなく預かってきた文書が読み上げられた。試写が終わったあと、吉永は俳優を続けたいと言った。映画の公開日、山田と吉永は舞台挨拶に立った。2人は控え室で次の作品のアイデアを話した。2人はこの仕事が誰かの希望に繋がることを祈っている。山田はプロフェッショナルとはいいものを作りたいという良心を持っていることだと話した。

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こんにちは、母さん石井きよ子高倉健
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