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美少女のアバターだが、中身は男性というケースが日本では多いといい、スイスの人類学者であるリュドミラ・ブレディキナさんが研究テーマとしている。
ブレディキナさんはバーチャル世界の研究を進めるなか、「バ美肉」を知った。男性が美少女アバターを利用していることを指し、日本人男性の約8割が該当するという。ヨーロッパではクールでややセクシー、強さを感じさせるアバターが好まれるという。文化人類学者は現地に赴き、人々の生活をつぶさに観察するなどし、人間とはなにかを探求する。また、多様性を明らかにもする。ブレディキナさんの場合、バーチャル世界という新たな地平に着目。美少女アバターを利用し、バ美肉たちにアプローチしている。
ブレディキナさんが注目する美少女アバター、あまちじょんこはバ美肉の1人。今回、あまちを操作する”じょんアニキ”と対面を果たすことができた。機械で加工することなく、天真爛漫で無邪気な声を出すことができ、体得するのに2年の月日を要したという。少女のような動きも意識し、他者からすれば守ってあげたいと思えるという。ブレディキナさんはロシアで生まれ、12歳の時に家族とともにスイスへ移住。フランス語訳された日本語の漫画を読み、フランス語を学んだという。さらに人形浄瑠璃、歌舞伎といった伝統文化を通して「バ美肉」を考察した論文でジュネーブ大学の学術賞に輝いた。6度目の来日となった今回、隙間を縫ってはアニメ、漫画の最新情報の収集に余念がなかった。
バーチャルYouTuber、のらきゃっとを生み出したのがノラネコPで、インタビューに応じてくれた。熱狂的なファンたちから愛されるのらきゃっとについて、仲の良い友達と遊んでいて幸せそうな娘のようだといい、ノラネコPは「楽しく話せる友達が10倍以上に増えた。誰かと話したいときに話せるので、寂しいと思う瞬間がなくなりました」と話す。
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リュドミラさんの研究に協力しているバ美肉にねむがいる。プライベートのほとんどをメタバースで過ごし、専門書も上梓している。リュドミラさんはねむを操作する男性と久方ぶりに再会した。最初はねむという違う自分になりきることに罪悪感を覚えていたが、自由な表現を謳歌するようになっていった。「ありのままでちゃんと意味があるんだと思える気がする」という。リュドミラさんは「日本人男性は美少女になり、カワイイを獲得することでストレスから解放される。カワイイは失敗しても許されるし、責任を負わなくていいから。日本文化から生まれたカワイイに可能性を感じました」、「これからも多くの人達の声に耳を傾けたいと思っています」などと語った。
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