- 出演者
- NAOTO(EXILE) 真矢ミキ 宮田崇
誰もが一度は訪ねていみたい世界遺産や見たこともない奇祭、絶品グルメも隅々まで映し出してきた。だがまだ驚きのスポットは残されている。テレビが紹介して”ない”ガイドブックに載って”ない”、ないない尽くしの未知の世界を現地で実施したアンケートだけで取材。
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- バーニングマンモン・サン=ミシェル
オープニング映像が流れた。
番組クルーはNHKのネットワークを駆使し、世界各地のコーディネーターに連絡を取った。「日本のメディアが取材していない魅力的な場所は?」を聞いて回ると”ライペンディン村”という土地がない村や”ズロット村”という日本人も行ったことがないが世界自然遺産に入ってもおかしくない絶景があるとのこと。
日本のテレビでもガイドブックでも取りあげていないことを確認した番組クルーは日本から18時間のセルビア共和国へ。首都ベオグラードから車で3時間半、見えてきたのは赤い屋根の家が並ぶ集落であった。セルビアの東部の山間に位置するズロット村である。昔ながらの暮らしが今なお息づくのどかな村となっている。渡されたのは村人300人のアンケート結果で『日本人に伝えたい”村の自慢”は?』を聞いてきた。魅力的な場所は”ラザルペチナ”と”ラザルカニオン”がいいとのこと。
”ラザルペチナ”と”ラザルカニオン”に詳しい人物に案内してもらうこととなった。まずは第2位の”ラザルカニオン”へ。舗装されていない道を進むこと20分、第2位のラザルカニオンこと”ラザル峡谷”が見えてきた。目の前に広がる雄大な景色やどこまでも続く垂直で荒々しい断崖となっていた。悠久の時をかけ、雨や川が大地を削り作り上げた絶景である。
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- ズロット村(セルビア)ラザル峡谷
第1位の”ラザルペチナ”に期待を胸に進んでいくとなぜか大勢の人だかりがあった。半年ぶりに公開されるということでセルビア各地から観光客が集まっていた。そこはセルビアで最も長い鍾乳洞でラザルペチナとは”ラザル洞窟群”のことであった。数百万年かけ生み出された自然の芸術が広がっていた。さらにこの洞窟はセルビア人にとって神聖な場所でもあった。コソボの戦いで逃れたラザルの兵がここに身を隠していたのだという。その時に軍を率いたのが”ラザル・フレベリャノヴィッチ”であった。さらに山道を30分進んでいくと、案内されたのは非公開の鍾乳洞となっていた。
鍾乳洞はとても広く複雑に入り組んでおり、ナチスが金塊を隠したという伝説がまことしやかに伝えられているという。そしてここに連れてきてくれたのにはもう1つ訳があり、そこにあった”この鍾乳石の呼び名になった日本のあるものとは?”について。その呼び名は”ゴジラ”でありセルビア人もみんな見ているとのことだった。
今回は「地球の歩き方」前編集長の宮田崇さんに来てもらった。社内でもヒアリングしたがセルビア担当者でもズロット村は知らなかったという。この番組は日本のメディアが取りあげていない場所を現地の住民アンケートをもとに取材していく。そこで番組クルーが地元テレビに出演し、スムーズに取材が可能になったという。そこで出てきたのがまずは”ラザル峡谷”でスタジオにその景色が流れていった。バルカン半島は石灰岩が多い地域のため峡谷や鍾乳洞が出来やすいとのこと。
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- ズロット村(セルビア)ラザル峡谷
アンケートを見ていくと”バクリャーダ”とあり、それは”たいまつ祭り”とのことだった。祭り2日前、村の公民館に学校や仕事を終えた人たちが大勢集まっていた。踊っているのは”コロ”と呼ばれるセルビアの伝統舞踊である。大勢がひとつなぎとなり、息を揃えてステップを踏んでいく。このコロを大きな火の周りで踊るのがたいまつ祭りのクライマックスとなる。イリーナさんは村の行事の中でこのたいまつ祭りが特に好きだという。祭り当日、特別な準備ああると聞きイリーナさんの自宅を訪ねた。そこには民族衣装を腰で束ねる布のベルトである”トゥカニッツェ”があった。イリーナさんは祭りでこの民族衣装を着て踊ることとなる。
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- たいまつ祭りコロズロット村(セルビア)
イリーナさんの家族は少数民族のヴラフ人の血を引いていた。ヴラフ人とは古くから牧畜をなりわいとし、独自の文化や言語を守りついできた民族である。実はズロット村の多くがヴラフ人で、火は特別な存在なのだという。
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- ズロット村(セルビア)
午後6時、普段は静かな広場に続々と村人が集まってきた。たいまつに火をつけたら祭りスタートとなる。祭りには家族で参加し、たいまつを持つのは子供の役目となっている。こいしてたいまつの火は親から子へ受け継がれてきた。行列が村の中心にでき、それぞれのたいまつを集め大きな火を作っていく。いよいよ祭りのクライマックスとなり、火を囲んでの伝統舞踊となった。ヴラフ人が繋いできた大きな輪の中にはあのイリーナさんの姿もあった。祭りは夜更けまで続いていた。
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- たいまつ祭りズロット村(セルビア)
ヴラフ人の文化は日々の暮らしの中にもあった。至る所で見られるのが家畜の姿で、ズロット村の人々は今も家畜と共に生きている。そんな村で古くから受け継がれるヴラフ人の伝統料理に出会った。それは”プラシンタ”でアンケート総合ランキング第4位となっていた。
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- ズロット村(セルビア)
ちょうどプラシンタを作っているというお宅にお邪魔させてもらうこととなった。まずは生地づくりで小麦粉にイースト菌、砂糖・塩・水を加え弾力が出るまでこねる。発酵させた生地で卵とチーズを包んでいく。そしてもう1つのこだわりは自家製ラードで揚げることで外はカリッ、中はふっくら仕上がるという。実際に食べると生地はフワフワしてて、ヴラフ人を代表するとても大事な料理とのことだった。プラシンタには家畜と共に生きてきた民族の誇りが詰まっていた。
日本人が誰も訪ねたことがないズロット村だが、日本人の知らないズロット村にあった「日本」を見つけたという。なんと人気の習い事が空手教室だった。しかもそのチーム名は”ガンバッテ”であった。
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- ズロット村(セルビア)
村で出会ったアナマリアさんはズロット村随一の日本通だという。漫画をきっかけに日本文化への興味が広がっていった。漫画でよく見るという和食を食べてみたいというアナマリアさんに番組クルーが自分たちのために持ってきていたごはんとみそ汁に初挑戦となった。人気漫画のワンシーンでラーメン屋でラーメンを食べるということで世界中に一気にラーメンという言葉が浸透したという。
アンケートのオススメTOP10を全て開け、中でも第9位の” 丸焼き(全自動)”が番組クルーも気になって取材することとなった。川に行くと明後日料理する羊の内蔵を洗っている人がおり、聖ジョルジェの日に食べるという。聖ジョルジェとは農民を守護するキリスト教の聖人で、その聖ジョルジェを称える日はヴラフ人にとって特別な日となる。
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- ズロット村(セルビア)聖ジョルジェの日
5月6日”聖ジョルジェの日”に訪れると全自動で羊丸焼き中となっていた。特別な日は”丸焼き”にするというズロット村だが全自動丸焼き機がほぼ一家に一台あるという。自分たちを守ってくれる聖ジョルジェに感謝を伝えるため大事に育てた羊を家族で食べるとのこと。若者の中には牧畜ではなく、会社勤めをする人もいるがこの日は村中丸焼きで祝うという。
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- ズロット村(セルビア)聖ジョルジェの日
取材中は村中でおもてなしを受けた。ヴラフ伝統の占いでもてなしてくれた人もいた。番組の成功を占ってもらうと大成功とのことだった。
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- ズロット村(セルビア)
アンケートを頼りに日本人が知らない村に10日間いて、出会いを通じて互いを知った。出会いをきっかけに村の子どもたちが日本の絵を描いてくれていた。旅の最終日、取材を通じて仲良くなった女の子が挨拶に来てくれた。
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- ズロット村(セルビア)