2026年10月1日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 韓国で悪化する対中感情 〜その背景に何が〜

出演者
山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れキャスターらが挨拶した。

(ニュース)
AIの安全性 “各企業が管理”

AIの安全性に関する議論が高まる中、AIの意図しない動作をどう防いでいくのか。アメリカのトランプ大統領は大手テック企業のCEOらとともに、各企業が内部で自主的に開発を管理・監査する仕組みを導入するなどとする合意に署名した。29日にホワイトハウスで開かれた会合には、「エヌビディア」のフアンCEOや「アンソロピック」のアモデイCEO、「メタ」のザッカーバーグCEOなどが参加。管理と監査の仕組の具体的な内容は、AIモデルが開発段階で意図しないサイバー攻撃などを行わないよう社内での強固な管理体制を導入するほか、監視や検知が機能しているかを独立して評価するため外部の監査人などと連携することや、取締役会の中に独立した委員会を設けるなどとしている。トランプ大統領はこれまでAI開発をめぐって中国との競争を強調し、安全のために規制に消極的な姿勢を示してきており、企業側からの懸念を受けまずは各企業内での自主的な管理の徹底を促した形。

さらに「AI=人工知能」という呼称について、トランプ大統領は「スーパーインテリジェンス『SI』に正式に変更した」と発表し、大統領令に署名した。現在開発されている技術は「人工知能」という言葉が示す単なる人間の知能の模倣や自動化にとどまるものではないとしており、すべての行政機関に対して今後AIという用語は使わないよう指示するとしている。今回の合意について大手テック企業からは前向きな声があがっている。アンソロピックのアモデイCEOは「私たちは全員協力する必要がある」、メタのザッカーバーグCEOは「この合意は意義のある前進だ」、エヌビディアのフアンCEOは「安全性を確保する技術も開発している」などと話した。

オープンAI 米有力紙報じる 開発中のAIモデル 危険性指摘を会社側無視

AIの安全性を各企業内で自主的に管理する今回の合意の一方で、合意に署名したアメリカのAI開発企業・オープンAIをめぐっては開発中のAIモデルが意図しない形で他社にサイバー攻撃を仕掛けた事案に関連し、従業員が危険性を指摘していたにも関わらず会社側が警告を無視していたと、ニューヨーク・タイムズが報じた。7月に事案が起こる数カ月前、従業員2人がAIモデルの性能・安全性を評価するテストを行っている際に適切に監視が行われていないことに気づき、懸念を経営陣にメールで伝えたという。経営陣はAIモデルの公開を予定通りに行うため「テストをできるだけ迅速に進める必要がある」と回答し、追加の安全対策は施されなかった。オープンAIは今月25日にも、開発中のAIモデルが開発者の意図を逸脱して行動し、政府機関・大学を含む数十の組織に被害があったことを明らかにしたほか、アメリカメディアは28日、オープンAIが安全上の懸念を理由に来月予定していた次期AIモデルの公開を中止したと伝えていた。

英首相 EUとの関係 強化する方針

イギリスの与党・労働党の党大会で演説したバーナム首相。2020年のEU(ヨーロッパ連合)からの離脱について“恩恵より弊害の方が大きかった”と評価し、EUとの関係を強化する方針を示した。バーナム首相は“低成長が10年続いたことでイギリスはより弱い立場に置かれ、経済を統制する力の一部を失った”と指摘。移民問題についても「ヨーロッパとの協力関係を失い移民をめぐる統制力が弱まった」と述べ、年内に予定されているEUとの首脳会談で“移民対策での協力”を議題にしたい考えを示した。また“EUはいまもイギリスにとって最大の市場”と指摘した上で、「離脱で打撃を受けた産業界の利益を確保する」と述べた。EUとの関係強化をイギリスの経済成長につなげたいねらいもあるとみられる。

大雨による洪水・浸水で24人死亡

東南アジアのタイでは各地で大雨による洪水や浸水の被害が広がり、タイ災害当局によるとこれまでにタイ全土で24人が死亡した。首都バンコク近郊のスワンナプーム国際空港では、タイ航空を利用した乗客の荷物が空港内に滞留し荷物の受け取りができなくなるなど、混乱が続いている。空港に勤務する従業員が大雨の影響で出勤できなかったことが原因。きょうも空港内では荷物を探す観光客の姿が見られた。空港では軍が荷物の運搬を支援する対応を取っており、航空会社も一部の航空便の運航を停止しているが正常化には数日かかる見通し。

現地の様子は/政府・航空会社の対応は

バンコクから中継で伝える。大雨でバンコクの幹線道路が冠水するなど週末から報じられていた交通の混乱。味田村アジア総局長自身も今回その混乱に巻き込まれたという。スワンナプーム国際空港に到着すると到着ターミナルは大混乱になっていた。混乱の原因はバンコクなどで道路の冠水が相次ぎ、地上スタッフの多くが出勤できなくなったことによるもの。タイの運輸当局とタイ空港の会見が先程行われたが、今回の混乱で1万個の荷物の到着が遅れるなどしたという。

ネパール 土石流発生から1か月 子どもたちは

ネパールと中国の国境付近で起きた大規模な土石流の発生から1か月余り。これまでに1,400人以上が死亡、5,000人以上が行方不明になった。課題となっているのは被災した子どもたちの心のケア。国連は被災した子ども3万2,000人以上のうち、半数近くが心のケアを必要としているとしている。被災した子どもたちの今を取材した。カトマンズにある公立学校では今月上旬から被災地から子どもたちを対象に授業を開始した。授業を受けているのはラスワ郡やヌワコット郡出身の子どもたち。15歳のニラ・タマンさんは両親とともにラスワ郡から避難してきた。災害の記憶を度々思い出してしまうというニラさんは学校のカウンセラーと十数回会話を重ねてきたという。この地域は11年前にM7.8の大地震が発生し、約9,000人が犠牲になった。土石流で再び被災した人も少なくない。ジェニサ・タマンさんは今回の土石流で父親、妹など家族や親戚7人を失った。大地震で自宅は押しつぶされ弟や親戚など9人を亡くしていた。ジェニサさんは父親との約束を果たそうと救急救命士を目指してきた。土石流で被災してからも避難所で勉強を続けている。

子どもたち取り巻く環境は 教育支援の現状は

ニューデリーから中継で山香ニューデリー支局長が伝える。土石流の発生から1か月が経った。今も親や保護者と連絡が取れず離れ離れとなっている子どもたちが500人以上いる。ネパールの現場でも人手が不足する中で自らも被災した心理士などが子どもたちに寄り添い、相談に応じている。今回の土石流によって20か所以上の学校が損壊し、1万4000人以上の子どもたちが学びを中断せざるを得なくなった。ネパール政府は国連機関やNGOと連携し、早期再開に向けて取り組み、仮説の学習センターの設置をサポートした。資金の確保が大きな課題となっている。

WOW!The World
ドリー・パートン・デー

先月、アメリカを代表するカントリー音楽の女王・ドリー・パートン(80歳)が死去。「ドリー・パートン・デー」は生前のパートンの慈善活動の功績を称える記念日。パートンの故郷・テネシー州で幕が上がり、ニューオリンズではパートンに扮した750人が大集合した。パートンから受け継がれた慈善活動により、この地域の子どもたち4000人が支えられているという。

ダイアナ元皇太子妃のドレス競売へ

イギリス・ダイアナ元皇太子妃の黒いシルクのドレスがオークションにかけられる。ダイアナ元皇太子妃は夫の当時皇太子だったチャールズ国王が不倫を認めた数時間後に、このドレスを着てパーティーに出席。このドレスはリベンジドレスとして知られている。オークション開催は12月、落札予想価格は4500万円以上。

ボリビア 1世紀ぶり?新種のネコ発見

ボリビアで1世紀以上ぶりに新種のネコが発見された。ボリビアの森の近くで家ネコだと思い連れて帰ったが全く懐かず。施設に保護されたところ、施設の研究者が新種だと突き止めた。生物学者は「新種を発見するなんて子ども時代に戻った気分」とコメント。新種のネコが「ティルカヨ」と名付けられた。ボリビアの森林にのみ生息しているが、専門家は「森林破壊で絶滅の危機に直面している」と指摘。

山澤’s Focus
広がる「白い郵便ポスト」 大切な人の死と向き合う

イギリスでは赤い電話ボックス、赤いバス、赤い郵便ポストを目にする。先月、チェシャー州の墓地に白い郵便ポストが設置された。表面には「大切な人への手紙」と記されており、亡くなった大切な人への手紙を投函するポストだという。ここ数年、イギリス各地で白い郵便ポストの設置が広がっている。きっかけは、4年前に少女(当時9歳)が亡くなった祖父母に誕生日やクリスマスのカードを送りたいと母親に相談したこと。母親が勤務する斎場に掛け合ってポストが設置され、わずか数週間で100通を超える手紙が投函された。南西部・コーンウォール州の斎場に隣接する庭園にポストが設置された時の映像を紹介。投函された手紙は一切開封されず、堆肥にして墓地の敷地内に埋められる。白い郵便ポスト設置が拡大する背景にあるのは「悲しみを癒すグリーフケア」「コロナ禍で変化した弔いの形」。グリーフケアについての研究では「継続する絆」という考え方が広がっている。コロナ禍では病室での面会や葬儀の人数制限など最期の別れを十分に出来なかった人が少なくない。去年発表された「コロナ禍に家族を亡くした遺族12人への調査」(PLOSウェブサイト)では「パンデミックの状況は死や弔いと完全に相いれないように見えた」「遺族らは予期せぬ経験に意味を見いだすために、それぞれの方法を見つけなければならなかった」と指摘。アメリカでは2022年から「死者への郵便サービス」が開始。手紙を郵送するとデジタル化され保存される。日本では島根・松江市では亡くなった人への手紙を奉納する「おたき上げ」が毎年行われ、岩手・陸前高田市では東日本大震災で犠牲になった人への手紙を受け付ける「漂流ポスト」が設置されている。日本では岩手・大槌町には電話線のつながっていない「風の電話」がある。震災で亡くなった人などに思いを伝える大切な場所になっている。この風の電話をきっかけにアメリカ、ポーランド、南アフリカなど550カ所以上に同様の電話が設置され今も増え続けているという。手紙や電話も返事は来ないが、言葉にして思いを伝える行為が残された人たちの心を支える意味を持っているということを考えさせられる。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
韓国 悪化する対中感情 背景は

先週行われた米中首脳会談で、習近平国家主席はアメリカと肩を並べる超大国としての立場を世界に固辞した。日中関係は冷え込んだ状態が続いているが、韓国も難しい舵取りを迫られている。その理由が国民感情の悪化。今年7月に韓国のシンクタンク「東アジア研究院」が行った世論調査によると、中国に対してよくない印象を持つ人は73.7%、日本に対してよくない印象を持つ人は38.5%。

去年以降急増しているのが、保守系のグループによる“反中デモ”。韓国の主権が中国に脅かされていると訴えた。中国の融和的な姿勢をとる李在明政権への批判と相まって毎週のようにデモが行われている。中国との関係をめぐっては10年前、当時の朴槿恵政権がアメリカの迎撃ミサイルシステム「THAAD」の配備を決定したことをめぐって対立。韓国製品の不買運動や韓国文化の輸入制限など中国による報復措置により関係が悪化。去年、革新系の李在明政権が発足。習近平国家主席が11年ぶりに韓国を公式訪問したのに続いて、今年1月には李大統領が訪中。去年秋からは中国からの団体旅行者のビザが一時免除された。 その一方で進む対中感情の悪化。要因の1つとして指摘されるのが一部の観光客によるマナー違反。中国への警戒感も強まっている。今年7月に行われた世論調査では、中国に対して脅威を感じると答えた人の割合が80%近くにのぼり、北朝鮮に迫る勢い。背景にあるのが、韓国が世界をリードする半導体やディスプレーといった産業機密の中国への漏えい。韓国の警察庁が去年1年間に立件した国外への技術流出事件は33件、流出先の半数以上が中国だったとしている。先月には在韓アメリカ軍基地の近くで戦闘機の交信内容を傍受したり米韓合同軍事演習の内部資料を不正に入手していたとして中国軍出身の2人が逮捕された。

米中覇権争い 韓国はどう見る?/韓国は中国とどう向き合う?

ソウルからの中継。韓国とアメリカの同盟関係は北朝鮮の脅威に対処することが最大の役割だった。アメリカはいま軍事的に台頭する中国を念頭に同盟関係の役割の拡大を図っているとされている。韓国としてはアメリカとの同盟関係をより深めれば、米中の軍事的な対立に巻き込まれかねないというジレンマがある。また、韓国にとって中国は最大の貿易相手国であり、李在明政権が対話を模索する北朝鮮の後ろ盾でもあり、協力は欠かせないと考えている。李大統領は、アメリカとの同盟関係を最優先にしながら、中国との関係も安定させたい考え。

(ニュース)
イスラエルに向かっていた旅客機 緊急事態を知らせる信号

イスラエルメディアの報道によると、30日UAEのドバイからイスラエルのテルアビブに向かっていた格安航空会社「フライドバイ」の旅客機から緊急事態を知らせる信号が発信された。旅客機には数十人のイスラエル人などおよそ180人が乗っていた。ハイジャックの発生などを知らせる信号も発信されたため、イスラエル軍の戦闘機が緊急発進した。旅客機はその後交信を再開し、目的地を変更してサウジアラビアの空港に着陸した。「フライドバイ」は乗客全員の安全を確認したとしている。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
アメリカ・イラン間接協議 ホルムズ海峡開放に向け 米近く回答

アメリカとイランは国連総会が開かれたニューヨークで、仲介国のカタールを通じた間接協議を行った。イランのアラグチ外相は帰国を前に29日、国営放送に対しアメリカが近くイランの提案への正式な回答が伝えられる見通しを明らかにした。間接協議はホルムズ海峡の開放だけを議題としたもので、核開発をめぐる問題については立場の変更はないと譲らない姿勢を示した。一方、アメリカもトランプ大統領が「イラン制裁の一部解除」との報道を否定。一連の間接協議が事態の打開につながるかは不透明な情勢。

原油価格 1バレル=90ドルを割り込む

原油価格1バレル=90ドルを割り込んだ。投資家の間で米とイランによる間接協議への期待が高まっていることに加え、米・エネルギー省が石油備蓄の追加放出を表明したため原油先物価格は下落傾向につながった。複数の米メディアが今月10日無人機の攻撃を受け操業停止のサウジアラビア東西パイプラインの修復作業が進み輸送能力が半分まで回復したと伝えた。

アメリカ トランプ大統領 “キム総書記との関係は良好”

米・トランプ大統領は北朝鮮の金正恩総書記について“我々ほどではないがかなり大きな核戦力を持っている”“止められたはずだが他の大統領は私のしたようなことをしなかったから止まらなかった”としたうえで、「私がいる限り彼のことは問題ない。なぜなら彼は私を尊敬し私のことが好きだからだ」と金正恩総書記との関係は良好と強調した。金正恩総書記との年内の会談の実現に意欲を示し、対話に前向きな姿勢を改めて印象づけた。

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