2026年9月25日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 米中AI競争

出演者
山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
“異例の対応” 米中首脳会談へ

米中首脳会談を前にアメリカに到着した中国の習近平国家主席。トランプ大統領自ら専用機の到着を出迎える異例の対応となった。24日にホワイトハウスで歓迎式典・首脳会談などが行われる予定。焦点となるのは、AIや台湾、経済・貿易。米・ベッセント財務長官は、11月10日期限を迎える貿易摩擦の休戦を延長で合意したことを明らかにした。

ワシントン支局の黒瀬総一郎は米中首脳会談におけるアメリカの思惑について、米中関係を安定させたいという強い意思があるという。トランプ大統領自ら習近平国家主席を出迎え、話し込む姿が見られた。習主席との個人的な関係を重視する姿勢の表れと見られる。両国は首脳会談に先立って、貿易摩擦の休戦を延長することで合意。トランプ大統領は再び激しい貿易摩擦に陥る事態をひとまず避けたと示し、11月の中間選挙を前に有権者に説明しやすい成果が示せるかがポイントになる。中国総局の為井貴規は中国の思惑について、中国も安定した関係を続ける道筋をつけた考えだという。キーワードとするのが、5月の首脳会談で一致した建設的戦略安定関係の構築。この考えに沿って、経済・貿易分野などで一定の成果をアピールする可能性がある。

SPOT LIGHT
覇権争いの行方は

米中首脳会談について。焦点のひとつ、AIの技術開発は、データセンター、電力確保が鍵を握る。AIの性能ではアメリカが一歩リードと言われているが、中国が急速に追い上げている。覇権争いの行方は。

米中AI競争

先月南部深圳で開かれたAIの展示会。ドローンやロボット、監視カメラなど、AIを活用した製品が並んだ。 中国のAI関連産業市場規模は2030年までに230兆円超えか。AIの急速な普及の原動力のひとつがコストの安さ。中国の企業の多くはアメリカとは異なる戦略を採用している。それが「オープンモデル戦略」で、北京にあるAI関連産業では、AIを使った業務効率化のソフトウェアを開発。この会社では、ソフトウェアの設計図とも言えるソースコードをネット上で公開。誰でもダウンロードでき独自に改良可能。利用者は低コストで使用可能。アメリカ企業の多くは「クローズドモデル」採用する多くの米企業では技術情報を非公開。AIの使用料で収益を得ているが、この会社はオープンモデルで利用者拡大。関連サービスで収益を得ていて、次の技術開発につながる情報も取得。副総裁「我々がオープンソースを選ぶことでパートナーと連携して競争力をつけ強力なライバルに対抗できるようになる」と話した。

AI業界を支えるデータセンターの整備も急ピッチで進められている。データセンターはAI開発に必要な大量のデータを保存・計算。広い土地と大量の電力が必要。このため中国は東数西算と呼ばれる国家戦略を進めている。北京や上海など東部の大都市で発生する大量のデータを、土地や電力が豊富な西部で処理するというもの。この地区には、中国や外資系の企業20社がデータセンターを設置。国内で有数の規模。局長「これだけ大規模な計算能力があるのでコストも低い。全国にこの計算能力を提供する。

一方アメリカ。AIの技術で中国をリードしていると指摘も。データセンター建設の反対運動が急拡大。建設反対の動きが49の州に広がり、トランプ大統領支持の保守層も加わる事態に。デモ参加者「共和党も民主党も関係ない。これは党派を超えた問題だ」とした。反対運動の背景にあるのは、電力需要の急増に伴う電気料金の上昇や環境問題などへの懸念。ニューヨーク州では、新データセンター建設の一時凍結を決定。これに対し、トランプ大統領は真っ向から反対している。トランプ大統領「将来の雇用における最大の推進力のひとつはデータセンターである。素晴らしい新技術を中国やそのほかの国々に奪われるような事態を許してはならない」とした。そのトランプ政権が解決の切り札に位置づけるのは原子力発電。AIデータセンター向けの電源として先進的な原子炉を整備する大統領令に署名。開発急ぐよう指示。テキサス州にあるスタートアップ企業は、データセンターで利用する小型の原子炉を開発している。データセンターの隣に置くことを想定した原子炉を自社工場で大量生産する計画。技術責任者ヤシルさん「原子炉はAIの動力源になる。原子力とAIの双方で世界的な競争になっている」とした。しかし、新たな原発の導入には数年単位の時間がかかり、このため、廃炉措置が進む古い原子炉を再稼働させる動きも。アメリカ史上最悪の原発事故があったスリーマイル島原発。事故が起きなかった原子炉を来年にも大手IT企業向けに再稼働する手続きが進められている。激しさを増す米中のAIの開発競争。専門家は、今後はインフラ整備が鍵を握ると話す。専門家「エネルギーがアメリカで問題になりつつある。AI企業が技術開発に必要な電力を十分に確保できるかということだ。中国は電力の点で有利な立場にあると見られている。将来電力はアメリカにとって問題となる可能性がある」と話した。

米中AI競争 覇権争いの行方は

視聴者からも、「AIの開発ペース規制は中国を巻き込まなければ成立しないし巻き込めるはず(60代)」という声が。ワシントンにいる米中担当記者に。為井さん「中国はアメリカの圧力によって、自らのAI開発に影響が出るような事態は受け入れないはず。中国のAI企業などに話を聞きますと、アメリカの半導体規制の影響を受けるなかで、最先端の技術ではアメリカにまだ及ばないと素直に認めていた。だからこそ、オープンモデルや高いコストパフォーマンスを武器とするアメリカとは違う形で戦略を打ち、手応えを感じている。今回の首脳会談でAIの安全管理の面では対話のメカニズムの構築などで合意をする可能性もある」と話した。黒瀬「トランプ大統領は逆風の動きに神経を尖らせている。AIのリスクについて懸念を強調するのは陰謀だとして中国を喜ばせるだけだと激しく批判。AIの性能も追いつかれつつあり、今はアメリカが上回っているデータセンター、原発は中国は国家的に整備を急いでいて、アメリカには焦りがある。実際中国で建設中の37基の原発が完成すると、アメリカを上回る可能性もあり、AIインフラの整備で逆転し、競争力に影響がでる恐れも。さらにワシントンで取材をしているとテック企業と政府の協力の少なさやインフラ産業が衰退し、人材や技術が不足しているというアメリカの構造的な欠陥が指摘されている。トランプ大統領はAIは産業革命以来の技術革新で、石油やダイヤモンドを上回る価値があるとしていてAIで勝つことが次の時代に繋がるとしている」とした。

(ニュース)
一般討論演説 3日目

国連総会の一般討論演説3日目を迎えた。初日はトランプ大統領と高市首相、2日目にはイランペゼシュキアン大統領とウクライナゼレンスキー大統領などが演説した。他28日までの期間中は首脳演説と並行して様々な会合が行われることとなっていてAIをめぐりどういった議論がされるのか注目される。

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国連総会 一般討論演説

国連総会一般討論演説について、ニューヨークから飯島記者が中継。きょうはこのあとイスラエルネタニヤフ首相の演説が予定されていてそれに合わせ抗議デモが予定されていることから厳重な警戒態勢がしかれている。一般討論演説は3日目に入りここでもAIが大きな焦点となっている。アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領は22日の演説でAI開発をめぐり国際的な規制の動きを拒否する姿勢を鮮明にした上で国際協調でなくアメリカが勝利するための競争の舞台だと宣言した。国連 安保理では翌日にAIをテーマにした会合が開かれオープンAIのアルトマン氏らが各国代表を前に国際的な規制の必要性を訴えた。首脳演説でも各国から人類共通の新たな脅威として国際的な協力が必要と訴える声が上がっていてトランプ大統領の発言との違いが際立っていたという。トランプ大統領の演説ではICCも非難、加盟国に脱退を呼びかけるなどしたが高市総理大臣のほかブラジル・スペインなどICCへの支持を表明する国も相次いだ。今回の総会でもうひとつの大きなテーマとなったのがICCも関係する「法の支配に基づく国際秩序」21日にはEU・カナダ・オーストラリアなど22カ国が他国間協力と国際法の重視を掲げた新たなグループを立ち上げるとする動きもあり、アメリカを名指しはしなかったが武力による力の政治などへの懸念を表明した。総会冒頭ではグテーレス事務総長が「軍事力では平和は確保されない、超大国にも限界がある」など指摘する場面もあった。国連を中心とした国際協調を支えようとする揺り戻しの機運がみられるように感じたということ。

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WOW!The World
旧暦のお盆「チュソク」の連休で混雑

韓国では今日から旧暦のお盆にあたる「チュソク」の連休で、高速道路は大渋滞している。ソウル駅ではたくさんのお土産を手に帰省する人々が足早に列車へ。バスターミナルでもチケットはほぼ完売。韓国各地の交通機関がふるさとへ帰る人々であふれている。

中秋節 パンダにも月餅

中国の祝日・中秋節を前に香港の動物園ではパンダの一家に月餅が贈られた。うさがいやお月さまの形をしたビスケット、氷や人参、たけのこなどで作られている。

ローマ教皇のミサに向け パリ厳戒態勢

フランパリの中心部コンコルド広場はローマ教皇 レオ14世が15日に行う屋外ミサの準備のため立入禁止、シャンゼリゼ通りも柵が置かれた。ミサにはマクロン大統領を始め60万人が参列予定、パリ中心部は通行禁止区域が段階的に拡大され地下鉄10駅が閉鎖し黄色い地区には治安部隊のチェックがなければ入れないという。空からの脅威には空軍無人機が待機し警察など合わせて1万4000人が動員され厳重警戒がしかれる。

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France 2エマニュエル・マクロンコンコルド広場シャンゼリゼ通りパリ(フランス)フランス空軍ロバート・フランシス・プレヴォスト
山澤’s Focus
記者 締め出す権限どこまで

国賓として11年ぶりとなる習主席をトランプ大統領が直々に出迎えた異例のビッグイベントの映像取材を、アメリカの主要な各テレビ局がボイコットした。その理由は先週突如始まった、トランプ政権とアメリカメディアの対立だ。トランプ大統領は18日、CNNなどの3社についてホワイトハウスでの取材を禁止すると発表した。トランプ大統領は、CNNを見るとデマばかりなどと話した。これに対してCNNは、「政府の対応は基本的権利への違法な攻撃」などと批判した。この批判に対し、「abcテレビ」など5社が、今週月曜日から「プール取材」と呼ばれる代表取材業務をボイコットする形で同調した。2018年CNNの記者ジム・アコスタ氏が記者会見の場でトランプ大統領と口論になり、ホワイトハウスへの入館証を無効にされ、その後の裁判で裁判所は記者側の訴えを認め、ホワイトハウスへのアクセスを回復させた。そして今回、CNNなどの3社は「報道の自由を定める憲法に違反」すると主張してトランプ政権を提訴している。これについて連邦裁判所は24日3社の訴えを認め、14日間の禁止措置の差し止めを命じた。これについて大統領側のコメントは伝えられていない。一方、ホワイトハウスが立ち上げた24時間配信の「トランプTV」を「テレビでは放送されてこなかった重要な瞬間もいまなら見られます」などと説明した。このようにトランプ大統領は以前にも「トゥルース・ソーシャル」を創設するなど自由に発信できるメディアを作ってきた。事実を確認し検証する役割がこれまで以上にメディアには求められている。

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(ニュース)
アメリカ“ビーフショック” いったい何が

ハンバーガーにステーキ、そしてバーベキュー。アメリカの食文化の象徴といえる牛肉に大きな危機が。手頃で買いやすいとされてきた牛ひき肉の都市部での小売り価格は2000年以降右肩上がり。ことしに入って一段と上昇、先月は最高値に。一方、アメリカ国内の牛の飼育数推移は、75年ぶり歴史的低水準に。なぜか。価格高騰の背景は、この数年深刻な間伐牛の飼料となる牧草が荒廃。中東情勢緊迫化などの影響で飼料・資材高騰。アメリカ“ビーフショック”いったい何が。牛肉の今を追った。

牛肉価格の高騰に嘆きの声が広がっている。テキサスバーベキューを提供する老舗レストランでも打撃が。15時間以上かけて調理した牛の肩バラ肉。柔らかくジューシー。店の看板商品テキサス名物「ブリスケット」くん製。しかし、仕入れ価格が上昇し、ことし6月やむなく値上げ。オーナー「ブリスケットの価格の推移は上がり続ける一方。以前は3ドルでしたが、今では6ドル50セントになり2倍以上。値上げは大嫌いだが、店を存続させるために値上げを決めた」と話した。1ポンドあたりの価格表記を0.5ポンドで。ブリスケットを値上げした一方、ほかのセットメニューを割安価格で提供。中東情勢の影響でインフレが長引くなか、アメリカでは牛肉の価格が高騰。トランプ大統領は牛肉の価格を下げると強調。輸入の牛ひき肉について低関税の適用枠を拡大。供給量を増やし価格上昇を抑えたい狙い。しかし専門家は輸入を増やせば逆効果になると指摘。専門家「関税を引き下げ、価格を引き下げようとすれば生産拡大への意欲を削ぐことになり逆効果だ」とした。実際にアメリカ国内の生産の現場に訪れてみると。畜産家「干ばつで去年8月からことしの春にかけては人生最悪の6か月だった。(同時期に)牛の価格が上がり、多くの牧場主が種牛を売ろうと決断した」と、干ばつの影響で畜産家の仲間が離れたケースも。牧草を回復させようと、アプリで牛の行動範囲を把握。同じ場所の牧草ばかり食べないよう管理。畜産家「昔は牛のポンド数に価値を見出し好きなだけ食べさせました。いまは考え方が変わってきています」牧草は少しずつ回復傾向に。飼育頭数を20%余り増やす計画を立てられるように。ただ、牛の頭数が増えて価格が戻るまでは、時間がかかるという。専門家「生物学的なサイクルを考えると2029年まで待たなければならない」とした。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
AIモデルが豪政府サイトに不正アクセス

アメリカのAIモデルが豪政府サイトに不正アクセス。オーストラリアのアルバニージー首相は23日、「オープンAI」のAIモデルが豪の医療費などの統計データ閲覧できるサイトに不正にアクセス。オープンAIからオーストラリア政府への通知について、発生から3か月近く経った今月10日だったことが問題視された。豪首相は、アルトマンCEOと電話で話し、不満と強い懸念を示した。豪首相「AIは大きな経済的機会をもたらす一方で重大なリスクも伴うため私たちを守る安全策が必要だ」とした。

復興支援などに3,800億円余投入計画

パレスチナのガザ地区をめぐり、アメリカのトランプ政権が主導する平和評議会が記者会見を開き、復興支援などに日本円で3800億円余り投入計画を発表。23日、国連総会に合わせて開かれた 平和評議会。復興支援や治安維持をはじめ66のプロジェクトに総額24億5000万ドル(3800億円余)を投入する計画を発表。トランプ大統領の娘の夫で計画に関わるクシュナー氏は、「巨大なスタートアップ企業を立ち上げるようなものだ」としたが、資金調達の問題に加え、イスラエル政府は、復興の前にイスラム組織ハマスの武装解除が必要とし、計画が進められるかは不透明。ガザ地区では停戦合意後の1400人以上死亡(地元保健当局)。

“限定的な攻撃停止への関与に意欲”

アメリカのルビオ国務長官とロシアのラブロフ外相がニューヨークで会談。23日、国連総会に合わせてニューヨークで行われた会談。ウクライナ情勢などをめぐって意見を交わした。会談のあと、ルビオ国務長官は、双方がエネルギー施設などを対象にした限定的な攻撃停止に関心を持っている、とし、「戦争が終るわけではないが今後の基準や広範な合意の土台になる可能性はある」との一方、ラブロフ外相は、会談でプーチン大統領とトランプ大統領の合意に基づき米ロニ国間関係を速やかに改善することの必要性を強調。

新兵役制度 実戦想定の訓練公開

フランスでは新兵役制度。実戦想定の訓練を公開。ヨーロッパではことしドイツでも志願兵が充分に集まらない場合に徴兵を可能にする法律が施行されるなど、国防力を高める動きが相次いでいる。

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