2026年10月16日放送 4:15 - 5:00 NHK総合

国際報道
2026 ガザから届いた 戦火の刺しゅう

出演者
山澤里奈 辻浩平 藤重博貴 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像と出演者の挨拶。

(ニュース)
米 ICC制裁 EUが対抗措置調整

15日に始まったEU首脳会議で評議される見通しなのが、ICC(国際刑事裁判所)がアメリカの制裁対象に指定されたことへの対応。NHKはこの首脳会議で採択する予定の最新の文書案を入手した。この中でアメリカの制裁について撤回を要請し、EUの執行機関であるヨーロッパ委員会に対し「制裁の影響を緩和しICCを保護するためのあらゆる措置を講じるよう要請する」としている。その措置として調整しているのが「ブロッキング規則」で、第三国が決定した制裁措置にEU域内の企業などが従うことを禁止するEUの法令。これまでに1996年にアメリカがキューバなどに対して制裁を発動した際や、2018年にアメリカがイランに対して制裁を発動した際に適用されてきた。今回適用されれば、EU域内の企業などは制裁による損害を受けた場合は賠償を請求することができる。企業がICCにサービスを提供し続けられるようにすることで、ICCを保護する狙い。EU関係者は「実際に規則を適用するかどうかはまだわからないが、準備をしておく必要がある」と話している。

ジャーナリスト保護委員会 ロシア 日本人記者拘束に“強い懸念”

ロシアの連邦保安庁が、北海道新聞ユジノサハリンスク支局の日本人の男性記者をスパイ容疑で拘束したと発表してから2日。報道の自由を守る活動をしている国際的なNPOのCPJ(ジャーナリスト保護委員会)は、14日にウェブサイトで強い懸念を示した。「地政学的対立における駆け引きの材料として、記者が利用されてはならない」として非難し、直ちに記者を解放するよう訴えている。CPJによると、ロシアは現在少なくとも30人の記者を拘束しているという。半数を超える18人がロシア国内のジャーナリストで、残りの12人はウクライナが中心となっている。ロシア大統領府のペスコフ報道官は14日記者団に対し「スパイがいれば必ず捕まえる」などと述べ、拘束を正当化した。外務省によるときょう午後6時半現在、ロシア側から身柄を拘束した事実を相手国に知らせる「領事通報」はなく、政府関係者による記者との「領事面会」も行えていないという。政府は日本側への通報をせずに一方的に拘束の事実を発信していることに強く抗議するとともに、迅速な情報提供を繰り返し求めている。

日本の記者がロシア当局に拘束されたのは、これが初めてではない。2019年にはウラジオストクで共同通信の記者が一時拘束された。この時は国外退去を命じられている。今回のケースにより近いのがウォール・ストリート・ジャーナル記者のエバン・ゲルシュコビッチ氏が3年前に逮捕された事案で、ウクライナ侵攻の翌年だった。スパイ活動を行っていたとして禁錮16年の判決を受け、身柄の交換でおととし釈放されたがその拘束は500日近くにのぼった。いずれのケーズもメディア側は「通常の取材活動だった」と全面的に否認している。今回の拘束は日ロ関係が悪化する中での日本政府へのメッセージなのか、ウクライナ侵攻でロシアが神経を尖らせているからなのか、その意図は現時点では不透明なまま。

拉致問題 タイで新たな動き

北朝鮮に拉致された被害者のうち5人が日本に帰国してきょうで24年。それ以降他の日本人被害者の帰国は果たせないままとなっている。被害は日本だけでなく、国連がまとめた報告書では日本以外のアジアやヨーロッパなどの国籍の人も含まれるという。こうした中帰国した一人、曽我ひとみさんがNHKのインタビューに応じ北朝鮮で同じアパートで暮らしていたあるタイ人の女性について言及した。タイ北部出身のアノーチャー・パンチョイさんは1978年に出稼ぎ先のマカオで行方不明になった。タイでは今拉致問題で新たな動きが始まっている。

NHKのインタビューに応じた曽我ひとみさん。冒頭自身の母親をはじめ、いまだ帰国できていない日本人被害者について語った。日本人以外の拉致被害者のうち曽我さんが触れたのはタイ北部出身のアノーチャー・パンチョイさん。同じアパートで暮らしていた時期があったという。アノーチャーさんが北朝鮮にいた可能性が高いと判明したのは、曽我さんの夫・ジェンキンスさんが著書の中で証言したことがきっかけだが、タイ国内の政治の混乱も続き交渉に進展はないままとなっている。しかし今年8月タイの独立機関で拉致問題を調査している委員らが日本を訪問し、曽我さんと面会した。委員のピティカン・シティデー委員は拉致されたことを確信したという。面会を受け国家人権委員会は先月タ外務省に対しアノーチャーさんの拉致問題について、優先度を高めて取り組むよう勧告する書簡を提出。タイ政府は2年前国連の強制失踪条約を批准しており、ピティカン議員はこの問題を大きく進める一歩になると期待している。アノーチャーさんを気遣う曽我さん、一刻も早い問題解決に向けた国際連携の必要性を強調した。

SPOT LIGHT INTERNATIONAL
ガザから届いた 戦火の刺しゅう

パレスチナの刺しゅうはガザ地区の女性たちが作ったもの。パレスチナの自然風景を表したのが特徴でユネスコの無形文化遺産にも登録されている。刺しゅうの輸入販売を通じガザ地区の女性たちを支援するのは北村記世実さん。魅力はユニークな模様、模様は地域ごとに異なるものが受け継がれてきた。北村さんは1999年、初めてガザ地区を訪れボランティアとして滞在。多くの女性は刺しゅうで生計を立てていることを知る。9年前、刺しゅうの輸入販売事業を始め、売り上げを国連機関を通じて送り、約500人の生活を支援してきた。しかし3年前、ハマスとイスラエルの衝突が始まり、500人近い刺しゅう職人の女性のうち約20人が犠牲になる。拠点も攻撃を受け、ガザ地区からの発送も途絶えてしまう。衝突が続くなか、北村さんの元へ1度だけ刺しゅうが届いたという。しかしそれは未完成の製品、停電でミシンが仕えず仕上げることができなかった。そしてこの夏、待ち望んだ知らせが届く。停戦合意後、一部の停電が解消され、ミシンが使えるようになり3年近く途絶えていた刺しゅうの発送が再開した。届いた製品は8枚のストール。白地に青のストールは北村さんが特別に注文したもの。北村さんは3年待った甲斐があった。彼女たちが生き延びてくれたと感じ取れてすごくうれしかったと述べる。8枚のストールを作った女性に話を聞く。アスマハンさんはガザ地区中部で暮らし、国連機関で働いている。ベテランの刺しゅう職人でストールを作った3人の女性を指導。そのうちの1人の36歳の女性は電気も通っていないテントで刺しゅうを重ねてきたという。女性は腎臓の病気を抱えている。家族のために収入を得るのが支えになっていた。アスマハンさんはパレスチナの刺しゅうは世界のどこにもない特別なもの。アイデンティティーの証であり自らの存在を示すものと述べる。北村さんはガザから届いたストールの展示会を開く。観客は集中することで悲しい気持ちを忘れられているのかなと思ったと述べる。北村さんは状況は良くなっていない。ガザは置き去りにされたまま。何か少しでも心を飛ばしていただけたら。安心して刺しゅう作りできるような環境になればいいなと思っていると述べる。

スタジオトーク

日本に届いた刺しゅうには現地からメッセージが添えられていた。「自分は旅に出られないけれど自由を感じる」と書いてあったという。ガザ地区に留まる女性たちが刺しゅうを分身のように大切に思っていることの表れを感じた。アスマハンさんによると、ガザ地区の刺しゅう職人の女性たちは子どもの食料や衣服、避難生活を送るテントに立てる時に必要なシートを購入することができたという。今も深刻なのが食料価格の高騰。特に肉や野菜などの生鮮食品、乳児用のミルクは価格が高く手に入れることが難しいという。北村さんは日本で刺しゅうの魅力を多くの人たちに伝えることによってガザへの支援の輪を広げてきた。今後もその輪が広がっていくことを期待するとともにガザ地区の人道危機を忘れないことが大切などと話した。

WOW!The World
ドイツ 来年7月から“砂糖税”導入へ

ドイツ政府は国民の健康を守り公的健康保険制度の財政安定化を目指し砂糖の入った飲み物に対して砂糖税を導入すると発表した。課税の対象となるのはコーラやレモネード、エナジードリンク、アイスティーなど砂糖の入った飲み物。消費者保護団体はすでに導入しているイギリスでは砂糖の入った飲料の消費が減り、子どもの肥満や虫歯などで効果が出ているとしている。一方、飲料業界は商品の値上げにつながると猛反発している。導入は来年7月1日の予定。政府は砂糖税により1200億円余りの税収が増えると見込んでいる。法案はこの後議会にかけられるが反対する人も多くほろ苦い論争が始まりそう。

ベトナム製ロボットが日本進出へ

ベトナムで開発、製造されたロボットが日本へ。ベトナムのIT大手が東京でサミットを開催した。最大600kgの荷物を運搬できるスマートロボットは工場での活躍を想定している。ベトナムの企業担当者は完全なメイド・イン・ベトナム。日本の企業からすでに注文を受けていると述べる。イベントには海外企業およそ500社が訪れたという。

辻’s ANGLE
カナダ軍制服組トップ インタビュー

カナダ軍制服組のトップ、ジェニー・カリニャン統合参謀長にインタビュー。カナダは大国が力による支配を強める中、法の支配を維持するためにはミドルパワーが連携を強化すべきだという考え方。ジェニー・カリニャン統合参謀長はカナダ、日本ともにミドルパワーでありG7の加盟国、日本は極めて重要なパートナーなどと語った。カナダは今、アメリカとの摩擦を抱えおり、これまでのようにアメリカに全面的に依存しない外交の在り方を模索している。日本もカナダと今年3月、両国の関係を包括的戦略的パートナーシップに引き上げることを確認。アメリカとの関係についてジェニー・カリニャン統合参謀長は最優先事項はカナダとアメリカの間の大陸防衛を確保すること。大陸を共有するカナダにってアメリカは最も重要な同盟国などとコメント。

キーワード
Group of Sevenカナダ軍ジェニー・カリニャンダボス(スイス)トムソン・ロイターマーク・カーニー共同通信社
(ニュース)
イタリアのウナギ祭り “ウナギを食べる文化”守る日本人

イタリアのコマッキオでウナギ祭りが行われた。イタリアでは素焼きやマリネなどにして食べられる。特に冬眠前の脂がのりきったウナギが好まれる。クリスマスには七面鳥の変わりにウナギを丸焼きにして食べる人も多いという。この祭りに日本から10年以上参加し続けているウナギ料理の職人がいる。福岡県北九州市の緒方仁さんは今年で創業100年の店の4代目。ヨーロッパ産のウナギを使って日本の蒲焼きを披露。今月8日にはバチカンで各国の大使やローマ教皇庁職員たちにウナギのかば焼きをふるまう。緒方さんは仕込みの間に地元の人たちからイタリアのウナギについて教わる。ウナギの天ぷらを試食。緒方さんはやり方は違うが精神的に似たところもある。共通点も一致するのでそういうところを確認して高め合えたらと思うと述べる。熱波による影響について、ウナギが生息するコマッキオ周辺の湖の水温が上昇。ウナギの稚魚を餌にするカニが急激に増え、今後の影響が懸念されている。祭り当日の気温は10月としては異例の28℃。緒方さんは地元の人たちを前に日本の技を披露した。緒方さんは一番大事なのはウナギが食べ物であるということ。食文化としてしっかりあること、そこを残すため、次の世代に継承するためにはどうしたらいいかという視点でいつも考えていると述べる。

INTERNATIONAL NEWS REPORT
パキスタン 学校屋根崩落で33人死亡

パキスタンのペシャワルで学校の屋根が崩落し子どもら33人が死亡。警察は建物が適切に管理されていなかった可能性があるとみ、学校の経営者を拘束。原因を調べている。パキスタンでは建設コストを抑えるため、建築基準を満たさない建物が崩れる事故がたびたび発生している。

ウクライナ国防省 “米スペースXが「スターリンク」利用一部制限”

ウクライナ国防省はアメリカのスペースXのインターネット接続サービス「スターリンク」の利用を一部制限し、ロシア軍の無人機の迎撃などに支障がでていると明らかにした。こうした中ロシア軍は13日~14日首都キーウなどに弾道ミサイルや無人機による大規模攻撃を行った。ゼレンスキー大統領は“攻撃が続き「スターリンク」が機能しなくなれば、人々が命を落とすことになる”と懸念を示した。

イエメン反政府勢力フーシ派 “サウジアラビアの空港など攻撃”と主張

イエメンの反政府勢力「フーシ派」は14日もサウジアラビアの首都リアドの国際空港などを攻撃したと主張した。フーシ派は“過去24時間でイエメンの首都サヌアなどでサウジアラビア軍による42回の攻撃があった”と発表、今回の攻撃についてサウジアラビア側からの公式な発表はなく緊張が高まった状態が続いている。

(エンディング)
皆さんの声

視聴者の声を紹介した。10代の学生は“近頃多くの国が過度に安全保障を追及していると感じる。どのような条件に至った際に満足できる安全保障になるのか”とした。山澤里奈は「安全保障に明確なゴールはない気がする。どこまでやれば十分か、というよりもどこまで不安を減らせるのか、ということなのか」などと語った。

あすは

あすの予告。「エルニーニョ現象に揺れる世界」について伝える。番組はNHK ONEでも配信中。

キーワード
NHK ONE
エンディング

エンディングの挨拶。

(番組宣伝)
所さん!事件ですよ

「所さん!事件ですよ」の番組宣伝。

ブラタモリ

「ブラタモリ」の番組宣伝。

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