- 出演者
- 神子田章博
オープニング映像。
神子田章博解説委員が「中国 成長目標引き下げ 振るわぬ経済 政策対応は」について解説。最初のポイントは成長目標引き下げの背景。李強首相はアメリカとの対立を念頭に一国主義と保護主義がエスカレートしているとした上で、新5か年計画について説明し、AI・ロボットなどの科学技術を発展させ外国に依存しない自立自強をするめる方針を強調。経済成長率目標は4.5~5%で4年ぶりに目標を引き下げた。中国経済は不動産は製造業の投資が成長を支える構図が続いてきたが、長引く不動産不況で去年の投資は-3.8%と異例の事態に。四半期ごとの成長率をみると年後半にかけ失速。前半は対米のかけこみ輸出が経済を押し上げ、その後も家電買い替え支援策などが支えた。しかし後半は下支え効果が薄れ経済の地力は力強さを欠いている。その一方、2035年に1年あたりのGDPを2020年の2倍に増やすと明記された。去年までの5年間は平均で5.4%の成長をしていたのでこれからの10年間は年平均4.17%の成長で目標達成となる。後半にかけて4%台の成長が厳しくなっていくことも考えられる。このため前半は4.5%以上の成長を維持したい思惑から4.5~5%との目標が設定されたとの見方も出ている。
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続いてのポイントは「政策対応は十分か」。より積極的な財政政策と適度に緩和した金融政策が打ち出された。このうち財政政策は対GDP比4%程度まで財政赤字を容認し、財政支出拡大で家電買い替え支援などで経済を押し上げる方針。ただすでに買い替えが進み、効果には限界がある。一方、金融政策の適度に緩和という表現はリーマンショック直後と同様の表現で、当局の危機感を映し出している。しかし経済状況が低迷する中では企業が投資のための資金を借りず緩和策は空回りに終わる恐れも指摘されている。中国経済の力強さを取り戻すには財政金融政策だけでは力不足。そこで求められるのが抜本的な対策。中国の住宅販売床面積は4年連続で前年割れとなりピーク時の約半分にまで減少するなど落ち込みに歯止めがかからない状況。最大の要因は不動産開発業者の中で業績が悪化して住宅が完成できず頭金を払ったのに部屋が手に入らないケースが相次いだことを受け、どの業者から買えば大丈夫かわからなくなってきているためで、悪循環を断ち切れずにいる。解決策としては経営悪化した開発業者の整理・とう汰され、消費者が安心して住宅を買える環境整備が求められる。しかしきょうの政府活動報告では消費者の心理に着目した対策を打ち出せず、今後も低迷が続くという見方が広がっている。さらに内巻き式という競争によるデフレ懸念が強まっている。きょうの政府活動報告では各地の実情に応じて新たな質の生産力を発展させるとして、全国で一律に同一産業の生産拡大を是正させる方針が打ち出された。ただ中国では各省ごとにより高い成長を目指し投資の規模を競うのが習わしとなってきており、政府の号令一つでどこまで変われるか懐疑的な見方も出ている。
最後のポイントは「対日関係への影響」。中国は1月、軍民両用品目の対日輸出規制を強化すると発表。続けて2月には20の日本企業など輸出規制リストに追加。対象商品はレアアースなどが対象。禁輸なら日本企業に大きな打撃を与える。ただ中国政府は日本に対し具体的にどの品目を規制するかを明らかにしていない。あえて明らかにしないことで日本側を不安に陥れ心理的な圧力をかける思惑がある。対日関係悪化で中国への投資が減れば中国にもマイナスの影響が及ぶことから極端な措置はとりにくいとの観測もある。日本は中国の心理戦に惑わされず相手の状況を冷静に見極めた対応が求められる。
エンディング映像。
