- 出演者
- 松井裕子
オープニング映像。
2016年6月、改正公職選挙法が施行され選挙で投票できる年齢が20歳から18歳に引き下げられた。投票率の低迷などを背景に若者の政治参加を促そうというものだった。これにより重視されるようになったのが「主権者教育」。主権者として自立し他社と協働し課題解決を主体的に担う力などを身につけるとしている。その推進に向け見直されたのが現実の具体的な政治的事象の取り扱いだった。文部科学省は1969年の通達以降、慎重に取り扱うことを求めてきたが、引き下げに合わせた通達で政治的中立性は確保しつつ現実の政治的事象も取り扱い実践的な指導が重要と積極的な方向に転換した。その後、成人年齢も18歳に引き下げられ航行では社会参画などを重視した新たな科目「公共」が必修となり、こども基本法の施行で子どもの意見表明や社会参画の機械の確保が掲げられさらに推進されてきた。ことし2月の衆議院選挙では10代・20代の投票率は全体の平均を10ポイント以上下回り、若者の投票率が低い傾向は続いている。18歳意識調査で「わたしの行動で国や社会を変えられると思う」という回答は2019年の18%から2026年には50%余に増えたが、調査した6カ国中最も低い状況が続いている。こうした結果に文部科学省は社会参画意識が高い状況ではないとしている。国がことし2月に行った高校への調査では「現実の政治的事象を議論」という回答は各学年で2割から3割弱に留まり課題となっている。背景には政治的中立性の判断が難しくタブー視する現状があると言われている。
ことし3月に沖縄県名護市辺野古の沖合で同志社国際高校の生徒たちを乗せた船が転覆し17歳の生徒と船長が死亡した事故を受け、調査した文部科学省が先月、教育活動についてさまざまな見解を示さず偏った扱いをし抗議船に生徒たちを乗せたなどとして“政治的中立性定めた教育基本法に違反”すると判断した。教育基本法違反という判断には現場への影響・法解釈などをめぐり様々な意見が出ている。生徒を第一に考え政治や論争あるテーマを多面的に学ぶ重要性への認識は一致する点。
都内の私立学校の教員は現場を見て様々な立場の当事者から話を聞く授業に取り組んできた。担当教員は賛成・反対の二項対立で割り切れない複雑な現実を知り“自分ごと”になればと話している。また、高知県の公立高校では模擬国連で学ぶ授業が行われている。「核軍縮・核不拡散」をテーマに、主張が異なる歴史・経済的背景、最新の国際情勢を調べた上で各国の立場で主張し合い合意形成を目指す。担当教員は根拠となる事実を確認し主体的に学ぶ中で国際政治を現実の課題として多角的に捉える機会にしたいと話している。都内に開館した「民主主義博物館」では政治などに関わるキーワードのボードの裏に説明が書かれている。各政党の議員を招いたり、時事的なテーマを議論したりする機会もも受けている。大事にしているのは異なる意見も言える“心理的安全性”で、事前にルールも共有する。ドイツには「連邦政治教育センター」があり、政治教育の副教材を開発し超党派の議員による委員会などが監督する取り組みなどを行っている。文部科学省は2030年度以降の学習指導要領で「主権者教育」を“より深く広く実践的に”しようとしているが、この10年の課題を踏まえ現場を後押しする具体策が必要になっている。
エンディング映像。
