- 出演者
- 高野洋
オープニング映像。
北朝鮮初の核実験から20年となった。6回の核実験のうち4回はキム・ジョンウン政権下。核軍縮をめぐる国際的な取り組みが滞り、国連安保理も機能不全に陥る中、北朝鮮が核保有の既成事実化を進めている現状について考える。
- キーワード
- キム・ジョンウン国際連合安全保障理事会
北朝鮮は20年前に初の核実験を実施したと発表。これをきっかけに11年間で計6回の核実験を強行。当初は推定1kt以下だった爆発の規模は回を重ねるごとに拡大し約160ktと広島に投下された原爆の10倍以上の威力に達した。日本の防衛省は「北朝鮮は核兵器の弾頭化を一定程度実現している」という見方。一連の核実験について、脱北者の元外交官リ・イルギュ氏は「一般国民は1回目の核実験は喜んだが制裁強化で困窮すると不満を募らせた。その後の核実験は高揚感はなく文句を言って当局に連行される人も相次いだ」と証言。一方、韓国政府の調査結果で核実験場に近い地域出身の脱北者214人のうち3割に放射性被爆によって生じた可能性のある染色体異常が確認された。
北朝鮮は2020年代に入って核爆弾に使われるプルトニウムや高濃縮ウランの生産拡大を目指すと共に核弾頭を搭載できるミサイルの多用化を加速。加えて、核兵器をめぐる法制化も行なってきた。最高人民会議は2013年に核保有を正当化する法令を採択し国内的には核武装は合法とした。2022年には核兵器の使用条件を定めた法令を採択。通常戦力で劣る北朝鮮は朝鮮半島有事の際、米軍に本格介入をためらわせ戦闘拡大・長期化を防ぐうえで核戦力が不可欠と考えている。
北朝鮮にとって安全保障上の敵・アメリカは外交上最も重視する国。核に固執するのは将来の対米交渉を有利に進めるための切り札と考えている。目指すのはNPT枠外で核保有しながら良好な対米関係を築いたインド・パキスタンだとされる。NPT脱退を宣言した北朝鮮はアメリカから事実上の核保有国お墨付きを得た上で、核を持ったまま敵視政策撤回・体制保証を取り付けたいのが本音。そうなればアメリカの同盟国である日本・韓国も同調するはずとの読みもある。北朝鮮は11月3日の中間選挙を注視。共和党が敗れればトランプ政権は国内政策に行き詰まり、外交に活路を見出さざるを得ないと踏んでいる。
国際社会が取り急ぎやるべきことは資金源の遮断。資金源の一画とされるのがサイバー攻撃。また、北朝鮮労働者の海外派遣の阻止も課題。ロシアとの軍事協力を深め、中国とも関係を改善した北朝鮮は強気だが、一枚岩とは言えない中露朝の連携は日米韓の結束ほど強くはなく、朝鮮半島の平和と安定を国益とみなしてきた中国に建設的な役割を促す外交努力は今後も必要。まずは核・ミサイル開発を検証可能な形で止めるため北朝鮮に対話復帰を粘り強く働きかけることが肝要。
エンディング映像。
