2025年6月22日放送 20:56 - 22:15 テレビ朝日

有働Times

出演者
有働由美子 片岡信和 千々岩森生 紀真耶 黒井文太郎 田中浩一郎 
(ニュース)
アメリカ軍イランへ初の直接攻撃

アメリカ軍がイランの核施設に対して直接攻撃を行った。慶応義塾大学教授の田中浩一郎と、軍事ジャーナリストの黒井文太郎を紹介。日本時間のきょう午前11時頃、トランプ大統領は国民向けの演説で「アメリカ軍がイランの3つの核施設に攻撃を行った」と表明した。アメリカメディアによると、地下貫通弾のバンカーバスター6発が投下されたという。アメリカ軍がイラン本土を直接攻撃したのは初めて。一方イランはアメリカによる攻撃の報復として、イスラエルへ20発以上の弾道ミサイルを発射。一部がテルアビブや北部のハイファに着弾し、被害が出ている。またイラン原子力庁は攻撃を受けた3つの核施設に関して「汚染の兆候はない」としたうえで、周辺住民にも危険はないと声明を出している。イスラム革命防衛隊は「本日の侵略行為はイラン・イスラム共和国に正当に対応する選択肢を与えた」として、アメリカやイスラエルへの報復を警告している。今後イランが中東のアメリカ軍基地を狙うなど、戦火が拡大する恐れが出てきている。

速報 米・国防長官ら 作戦の詳細説明/アメリカ軍イランへ初の直接攻撃

まもなくイランの核施設攻撃について、ヘグセス国防長官と軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長の記者会見が行われる。慶応義塾大学の田中浩一郎教授は「アメリカが参戦することを見越したうえで、イスラエルは攻撃を始めたとみていた」とコメント。軍事ジャーナリストの黒井文太郎は「イラン側のダメージはまだわからない。地中貫通爆弾がどのくらいの被害を出したかはこれからの調査」などとコメントした。攻撃された3つの核施設について、フォルドゥとナタンズはウランの濃縮施設。

速報 米・国防長官ら 作戦の詳細説明

アメリカ・国防総省で行われたヘグセス国防長官とケイン統合参謀本部議長の記者会見を、中継で伝えた。ヘグセス国防長官は「昨夜トランプ大統領が、アメリカ中央軍に対して精密攻撃を指令した。目的はイランの核開発計画に大きなダメージを与えることで、圧倒的な成功を収めた。トランプ大統領はアメリカの抑止力が復活したことを見せつけた。トランプ大統領の言葉を世界は聞くべきだ。イランからどのような報復行為があったとしても、今まで見たよりもさらに大きな力で対抗する」などと述べた。ケイン統合参謀本部議長は「アメリカの中央司令軍は3つの施設に対する作戦『真夜中のハンマー』を遂行した。この作戦はイランの核開発計画を大きく劣化させるものだった。大型のBー2爆撃機がアメリカ大陸から出発して18時間にわたり標的に向かい、空中での給油を行った。イラン領空内に入り、潜水艦から地上の標的に対してミサイル攻撃を行った。高い高度から高速度で貫通弾を投下し、地対空ミサイル発射台などを攻撃した。イラン領空内を飛行する戦闘機、爆撃機に対して、イランからの地上からの攻撃はなかった。Bー2爆撃機が核施設に貫通爆弾を投下したあと、爆撃機はイラン領空内を出て帰還した。初期の評価の中では、3つの核施設に対して大規模なダメージを与えられたと考えている」などと述べた。

トランプ大統領“電撃”決断の背景

2週間経たずトランプ大統領が行ったイラン本土への空爆。アメリカ軍がイラン中部イスファハンに対する攻撃とみられる映像を紹介した。トランプ大統領はホワイトハウスの作戦司令室でイラン攻撃を指揮した。バンス副大統領、ルビオ国務長官も同席。日本時間午前9時前、トランプ大統領は自身のSNSに「イランの3つの核施設への攻撃に成功した。今こそ平和の時だ!」と投稿。その後トランプ大統領は「ファルドゥ、ナタンズ、イスファハンの核施設を攻撃した。目的はイランの核濃縮能力を破壊し世界最大のテロ支援国家が引き起こす核の脅威を阻止することで軍事成功を収めた。イランは直ちに和平を選ぶべ。さもなければ次の攻撃は強力」などと演説した。

アメリカ軍が攻撃したのはファルドゥ、ナタンズ、イスファハンの核施設。ニューヨークタイムズによると、アメリカ空軍のB2爆撃機6機がフォルドゥの核施設をバンカーバスター12発、ナタンズの核施設はバンカーバスター2発で攻撃。アメリカ海軍の潜水艦が30発のトマホーク巡航ミサイルでナタンズとイスファハンの核施設を攻撃したという。13日にイランへの大規模攻撃を開始しアメリカに支援を求めていたイスラエル・ネタニヤフ首相は「大英断は歴史を変える。トランプ大統領と私は”力による平和”を唱えてきた。力があってこそ平和が成り立つ」などと述べた。一方、イランの国営テレビは「イランはこの地域にあるすべてのアメリカ軍基地と駐留するアメリカ軍関係者を正当な標的とみなす」と報じた。

イスラエル軍はイランから弾道ミサイルの発射を確認したとして国民にシェルターなどへの避難を呼びかけた。アメリカの核施設攻撃への報復としてイランは20発以上の弾道ミサイルを発射。テルアビブやハイファに着弾し少なくとも86人がけがをした。23日にモスクワでプーチン大統領と協議する予定のイラン・アラグチ外相は「平和利用目的の核施設に対するアメリカ軍の残忍な侵略行為を最も強い言葉で非難する」と語った。

イランへの攻撃をめぐり20日「2週間以内に判断を下す」としていたトランプ大統領だったが、その翌日に空爆を開始。第1次トランプ政権で中東政策を担当していたグラントラムリー上級研究員は「だまし討ち的な要素もあったのでは。理想的なシナリオはこの攻撃が圧倒的な成功をおさめること。恒久的でなくてもイランの核施設を長期的に後退させ目標が達成されること、異端の報復に対し十分な防御ができ、今後数日間のアメリカ兵に対するリスクや犠牲を最小限に抑えること。トランプ大統領は『軍事力こそが唯一の確実な手段』と判断した」と指摘。決断の背景に「彼(トランプ)のイランに対する直感はいつも正しい」など側近議員らの後押しがあったとも話し「(この攻撃を)『各拡散防止の勝利』として描こうとするだろう」と語った。

フォルドゥの核施設付近で上がる黒煙。イスラエル軍の攻撃では破壊できないと言われていたフォルドゥのウラン濃縮施設は山岳地帯の地下80m~90mにあるとされている。CNNによると、地中60mまで貫通できるバンカーバスター「GBU57」が攻撃に使われた。アメリカ軍は核施設に12発投下。ニューヨークタイムズは「初期の被害評価では施設は使用不能」と報じた。一橋大学・秋山信将教授は「使用不能にするという意味ではイスラエルの攻撃により一定程度目標は達成されていたが、アメリカしか持っていない大型のバンカーバスターの使用は非常に象徴的意味合いが強い」と指摘した。

イランメディアは攻撃を受けた3施設では濃縮ウランを事前に別の場所に移していたと報じている。国連・グテーレス事務総長は声明を発表し「アメリカに対しさらなる軍事行動を控えるよう求め、緊張緩和に向けた外交努力を強化するよう強く促す。軍事的解決策はない。前進する唯一の道は外交」と述べた。日本政府はイラン在住の日本人87人を退避させているが、今も約200人がイランに滞在していて、石破総理大臣は安全確保に向けた措置を指示し「早期の沈静化が何より重要。同時にイランの核開発は阻止されなければならない。(アメリカ軍の攻撃への支持は)これから政府内で議論する」などと述べた。

トランプ大統領はイランに「和平に応じるか、この8日間をはるかに超える悲劇の2択だ。早急に和平が実現しなければ別の標的を狙う」と警告。CNNは、トランプ大統領は今回の攻撃でイラン側が交渉に戻ることを期待していて追加攻撃は計画されていないと報じた。イランの最高指導者・ハメネイ師についてニューヨークタイムズは21日、後継者候補3人をすでに選出したと伝えている。暗殺により国内の動揺を防ぐ狙いがあるとみられる。CBSによると、アメリカ政府は21日にイランと接触し、今回の攻撃がアメリカの計画のすべてでイランの体制変換を図るもとのではないと伝えたという。

中継 イランへ 初の直接攻撃 メディアは

トランプ大統領による突然の決断。アメリカではイラン攻撃を多くのメディアが”驚くべき方針転換”と報じている。トランプ氏が政治の表舞台に登場した背景にはアフガニスタン、イラクでの長年の戦争に対する国民の不安があった。これまでは海外の紛争に介入することに否定的な姿勢だったため今回の決定は”方針転換”といえる。”大きな賭け”という評価も目立つ。今後のイランの反撃次第では泥沼の戦争に巻き込まれる恐れもあり、ニューヨークタイムズは「2次政権の最大かつ最も危険な賭け」としている。議員の多くは共和党、ごく一部を除きイランへの攻撃を概ね指示する考えを表明しているが、トランプ氏の岩盤支持層「MAGA派」は軍事介入に批判的で、今回の判断を”裏切り”と捉える人が一定程度出ることは避けられないと思われる。右派のインフルエンサーは「イスラエルのために働いている」など疑問の声を発信。アメリカが長期間、中東の紛争に巻き込まれれば岩盤支持層の離反は避けられず、来年の中間選挙にも影響が出てくることになりトランプ氏にとって今回の攻撃は大きな賭けと言える。

トランプ氏 イラン攻撃 急転のワケ

トランプ大統領のイラン攻撃について解説。慶応義塾大学教授の田中浩一郎は、イスラエルの空爆によってイラン側の反撃能力が低下しており、制空権も失っていたと指摘。イラン側に最後通牒のようなものを突きつけていたが、条件が全面降伏であって、交渉ではなかった。トランプ大統領は力による平和を体現しようとしている。今回のアメリカの介入の経緯はイラク戦争のときよりもひどい。イラク戦争の際は既存の国連安保理決議に基づいて行動した。今回はイスラエルが正当性のある攻撃をしたとはとても言えない上、アメリカが同じような攻撃をしてしまっている。トランプ大統領は、イランが和平を結ばなければ「この先の攻撃ははるかに大きなものに、そして容易なものになるだろう」などと述べている。軍事ジャーナリストの黒井文太郎は、イラン側からアメリカ、湾岸、イラク等に攻撃があった場合にはもう一度大きな攻撃すると脅しをかけていると分析。

速報 イランの革命防衛隊 アメリカに報復警告

イラン最高指導者のハメネイ師直属の精鋭部隊でもあるイランの革命防衛隊が声明を出し、核施設を攻撃したアメリカに対して報復を警告。アメリカ軍によるイラン領内への直接攻撃は初めて。1979年のイラン革命のとき、親米の王政が倒され、イスラム教シーア派による宗教指導体制が誕生。同じ年、イランの学生グループが外交官らを人質にアメリカ大使館を占拠。1980年、アメリカはイランとの国交を断つ。2002年には当時のブッシュ大統領がイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しする中、核開発疑惑が明らかになった。2015年にはアメリカなど6カ国とイランとの間で、イランが核開発を制限する代わりに経済制裁を解除する核合意が結ばれた。2018年、第1次トランプ政権が一方的に離脱し、イランの核開発加速を招く。再び大統領に返り咲いたトランプは当初、イランの核問題について「外交的な解決を目指す」としていた。4月、イスラエルのネタニヤフ首相にイランとの核協議を始めることを伝えた。4月12日からアメリカとイラン両国の高官による核協議が始まった。5回目の協議後、トランプ大統領は「本格的な進展があった」などと述べ、早期の合意実現に期待を寄せていた。イランの核施設を攻撃したいネタニヤフ首相にも、イランと協議中であることを理由に自制を求めていた。しかしイランは核開発を平和利用の目的だと主張。ウラン濃縮活動の完全な放棄を求めるアメリカ側の要望には応じず、溝は埋まらないままだった。13日、イスラエルのイラン攻撃で、自制を求めていたトランプ大統領は態度を変え、「イスラエルを支持する」と表明。

イスラエルの攻撃 トランプ氏なぜ容認

今月15日に予定されていた6回目の協議を待たずに、13日、イスラエルがイランの核施設を攻撃。イランの精鋭部隊「革命防衛隊」のトップや核科学者らを殺害。イスラエルに自制を求めていたトランプ大統領だが、イランへの攻撃を評価。6回目の核協議は中止となった。放送大学の高橋和夫教授は「イスラエルの攻撃がイランをアメリカとの交渉に動かすのではという期待があった」と分析。今年3月の上院公聴会で、CIAなどアメリカの情報機関を統括するギャバード国家情報長官が「イランは核兵器を製造していないと判断している」と証言。ところがトランプ大統領は「彼女が間違っている」などと述べた。19日には「2週間以内に決定」としていたが、期限を待たず、イランの核関連施設への爆撃に踏み切った。高橋教授によると、早くやる方が奇襲効果がある。トランプ大統領を強く支持するアメリカ第一主義のMAGA派は、アフガニスタンやイラク戦争が泥沼化し、国が疲弊したことを背景に他国への軍事介入に反対。

革命防衛隊は22日、アメリカの攻撃を受けて、イラン・イスラム共和国に正当な自衛権の枠内で対応する選択肢を与えたとする声明を発表。放送大学の高橋和夫教授は、アメリカ軍を受け入れているクウェートやサウジアラビア等周辺の産油国に対して圧力をかけてくるのではないかと指摘。第1次トランプ政権で中東政策を担当したグラント・ラムリーは、中東にある米軍基地が狙われる可能性は確実に高いとする。イランの核プログラムを後退させることは、イランのパートナーである中国やロシアに対しても間接的な打撃になるという。アメリカとイランの対立で鍵を握るのはロシアの存在。

“和平”カギ握る 軍事支援の見返り?

アメリカとイランの対立はエスカレートするのか。鍵を握るのはイランと友好的な関係にあるロシア。ウクライナ侵攻をめぐり、イランはロシアに大量のミサイルや無人機を支援した。アメリカメディア「アクシオス」の記者はSNSで、イランのアラグチ外相が23日にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する予定だと報じた。放送大学の高橋和夫教授は「現在イランはロシアと中国しか頼るところがない」などとコメント。

速報 「真夜中のハンマー」作戦 全貌判明/戦火拡大の懸念 イラン反撃の行方

ヘグセス国防長官の会見で今回のイラン攻撃の詳細が明らかになってきた。作戦名は「真夜中のハンマー」で、ごく少数で計画された。B2戦略爆撃機7機を投入し、2人のパイロットが乗って18時間かけてイランに向かったという。B2爆撃機が2発の貫通弾を投下し、ほかの爆撃機も爆弾を投下した。潜水艦が最後にイスファハンの核施設にトマホークを発射したという。黒井は「特に一番大事なものはバンカーバスター」、と述べた。イスラムの革命防衛隊は侵略者の計算を超えた方法で対応すると言っている。田中は「いままで脅しもかけてきているが、実際に攻撃をかけると、ホスト国との関係も悪くなるので、イランにとっては四面楚歌になるだけ」と述べた。イランの外相があす、プーチン大統領を訪問するという。

(気象情報)
気象情報

気象情報の映像。

(ニュース)
速報 東京都議選 “都民ファ”第1党へ

東京都議会議員選挙で「都民ファーストの会」が自民党に代わり第1党に返り咲く見通しとなった。ANNが行った出口調査による推計では小池知事が率いる「都民ファーストの会」は、開戦前から議席を増やす勢いで、自民党に代わって第1党となる見通し。自民党は開戦前から議席を減らし、裏金問題を受け、無所属で当選した候補を加えても第1党となるのは難しい情勢。これまで都議会に議席を持っていなかった国民民主党、参政党が初めて議席を獲得する見通し。去年の都知事選挙で2位となった石丸伸二が代表を務める「再生の道」も議席を獲得する可能性がある。

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