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オープニング映像。
東北地方のクマによる人身被害は10月に入り急増している。県別で見ると全国228人のうち、秋田が約3割の66人、岩手が37人となっていて、東北6県で154人で67.5%が集中している。声を大にして伝えたいのはクマに対してこれまでの常識は通用しないということ。
秋田県南部の湯沢市で先月20日、クマによる人身被害が起きた。最初にクマの姿を捉えたのは防犯カメラだった。場所は地域の消防本部の敷地。いわば地域の安全の砦に現れた。湯沢雄勝広域市町村圏組合消防本部の高橋敦志消防司令長は、庁舎北側から南部に走り去っていくクマの映像を捉えていると話す。もし仮にそちらのドアもアイていればクマは中に入っていたと思うので、人命救助する職員がクマに襲われる非常事態になれば大変なことだとした。約50分後、朝コンビニで新聞を買い自宅へ帰る途中の男性が、背後からクマに襲われ背中を負傷した。その後、国道で犬の散歩中の男性が右腕をケガ、ホテルの駐車場では警備員が襲われ大怪我をした。警察が警戒を呼びかけるさなか、自宅の玄関先で襲われた住民は、「はっきり聞こうと思って扉を開けて外で聞こうと思ったら、そしたらここにいて」「飛びかかってきて私がひっくり返った」などと当時の状況を説明していた。中に入ったので扉を締めたといい、この後クマは6日間に渡って住宅に立てこもった。銃による駆除も検討されたものの、市にできたのは箱罠を仕掛け中に入るのを待つことだけだった。市民生活は大きな影響を受けた。どうしてクマは次々と人を襲ってしまったのか。岩手大学農学部の山内貴義准教授が現場を検証した。市街地ですらパニックになったクマと遭遇してしまう。私たちは今こうした危険と隣り合わせ。
ここからは岩手大学の山内貴義とともに考えていく。山内貴義は、街なかでの人身被害は東北のどこでも起きうる、常態化するのではと危惧しているという。湯沢市の接している北奥羽と言われるエリアは、クマの数が近年増えているという。山内は先週はクマの駆除の現場にも立ち会ったといい、盛岡駅から北に3kmほどの住宅地のりんご園にクマが出没したといい、最終的にはリンゴの小屋に侵入してしまったなどと説明。麻酔薬で眠らせたといい、作業が終わるまでに2時間以上かかったという。昔から大胆な行動をするクマはいたが、ただかつては東北地方にはマタギと言われるハンター集団がいて、彼らが積極的にクマを捕獲していた、緩衝地帯の里山でもクマが出てくると捕獲して、クマは人が怖いということを学習していたが、最近はハンターも少なくなって、緩衝地帯も人間活動が衰退していったことで、クマは臆病である、人を恐れない常識が通用しなくなってる個体が増えているという。
先月7日、北上でキノコ採りに行った73歳の男性が帰宅しないと家族が通報。翌日、北上市の山中で、死亡しているのが確認された。警察はクマに襲われたと断定した。その8日後、男性が襲われた場所の約1.8kmほど東にある温泉施設から警察に通報が入る。露天風呂の清掃中に従業員の男性の行方がわからなくなった。疾走当日、男性の足取りは全く掴めなかった。翌朝、範囲を広げた捜索が行われた。男性が見つかったは露天風呂の向かいの雑木林の急斜面。捜索に立ち会った北上市猟友会の鶴山博会長は「周りは囲われているから そこにいた人を引っ張っていったのは(これまでの常識では)考えられない」等と話していた。露天風呂に侵入して人を襲い、山に引きずり込むというハンターも驚く行動をしたクマ。胃の中を調べると、植物性のエサがまったくなかった。今回のクマは露天風呂を清掃していた男性を狙って襲った可能性を否定できないと専門家は見ている。
これまで見られなかった行動を取るクマは、人里にも。一関では、クマの被害はこれまでもあったというが、先月22日、農家ではない住宅で、地元ではこれまでなかった被害があった。クマの被害を受けた住民は、車庫に入れていた犬が以上に吠えている、風呂から慌てて出て玄関から顔を出したら目の前にクマがいたという。クマは駆けつけたパトカーに動じること無く車庫の近くを徘徊。男性は、次の日の朝、車庫に入ったら犬がのびきった形で死んでいた、いつも使う毛布にくるんでその日は車庫に安置して仕事に行ったと話す。2日後の土曜日、車庫には犬も毛布もなくて首輪とリードだけが残っていたという。そして5日後、同じ地区でさらなる被害が。岩手県一関市厳美町の住宅の庭でクマに襲われたと見られる飼い犬と一人暮らしの男性の遺体が見つかった。西磐猟友会の小岩広昭副会長は、現場検証が行われるさなか、「みんながいる前にクマが出てきた 犬の死骸をまた食べに来たのか 人間を食べに来たのか」「ガヤガヤしているところに堂々と出てくるのは誰も予想していなかった」などと語った。このときはまだ、誰もが車庫の犬や一人暮らしの男性を襲ったのは同じクマだと思っていた。
一関市厳美町での被害について、現場のクマから採取した毛からDNA鑑定を行った所、すべて別の個体だったことがわかった。岩手大学の山内貴義は、始めは犬の餌などの執着して近づいたとおもうが、そのうち犬を獲物として考えたんじゃないかと思っているとし、クマ自体の祖先は鋭い牙があり、肉食獣の名残りが残っているが、基本的には草食でチャンスが有れば肉も食べるという習性があるという。今年は鶏を襲う映像があったり、動物を襲う場面がみられた。山内はクマは個体差があるのですべての個体というわけではないが、最初は鶏のエサとかに来ていたが、獲物として考えて襲ってしまったという。私たちがこれから気をつけることについて山内は、山のくまはおそらく早く冬眠に入っていると思う、ただ人のものに執着してしまっている個体については人里に遅くまで出てくる可能性があり、12月になっても出没が収まっていない状況なので、里に降りて来る可能性があるなどと話した。山内はクマは頑丈で多少の雪ではびくともしない、それよりは柿の木に身が残っていたりすると執着して来てしまうので雪が降ったから安全ではないなどと伝えた。まずは行政の出す情報をしっかり入手して適切に対処してほしいなどと呼びかけた。
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