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- 渡邊佐和子 佐藤二朗
大河ドラマ「どうする家康」で岡田准一が演じる織田信長は安土城を築いたが、本能寺の変直後に焼失してしまった。今回、安土城を仮想空間に再現し、調査を行う。
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オープニング映像。
今回、織田信長が築いた安土城を仮想空間に再現し、調査を行う。22年6月の放送では豊臣秀吉の大坂城にスポットを当てたが、佐藤二朗は仮想空間に再現された大坂城に大興奮していた。安土城は1581年に完成したが、約9カ月後に本能寺の変が起き、直後に焼失。
安土城が築かれたのは滋賀・近江八幡市の小高い山の上で、航空機から最先端のデジタル技術で地形を観測した。城郭考古学者の千田嘉博氏は地形データから人工的に平らにされた部分が山全体に広がっていることを指摘し、現地調査にも同行した。直線の石段は180m続き、そこからは直角の構造が続く。敵襲に対し、十字砲火で迎撃できるなど防御の役割があったと考えられる。また、当時の石垣は5mほどが一般的だったが、安土城の石垣は倍以上だったという。頂上には111の巨石が配置され、巨大な建物を支えるために使われたといい、史料によると、天守は地上6階建てだったという。
城郭建築の専門家である佐藤大規助教授の協力のもと、安土城を仮想空間に再現した。
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佐藤二朗らはCGで再現された安土城を鑑賞した。千田嘉博氏は大手道を歩かせることで信長は権勢を知らしめようとしていたといい、天守の5階部分は法隆寺の夢殿、牽牛子塚古墳のように八角形をしていたなどと説明した。
加藤アナウンサー、千田嘉博氏はゴーグルを装着し、VRに再現された安土城を探検した。石段をのぼった先は直角に折れ曲がり、鉄で補強された黒金門が立ちはだかった。さらに10mの高さの石垣に櫓も設けられていることで天主がどの方角にあるのか、判別できなくなる。
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織田信長が築いた安土城について、ルイス・フロイスは「日本史」で、ヨーロッパの党よりもはるかに気高く、壮大な姿と評している。佐藤二朗、千田嘉博氏はゴーグルを装着し、安土城で催されたイベント「盂蘭盆会」の模様を鑑賞した。佐藤は年甲斐もなくはしゃぎ過ぎてしまったことを侘びつつ、没入感が凄かったという。史料によると、信長は安土城の中心部を一般人向けに公開し、入場料として100文(現代で約1万円)を取っていた。信長自らが一般人から入場料を受け取っていたという。
加藤アナ、千田嘉博氏はゴーグルを装着し、VRに再現された安土城の天主内部を調査。襖絵は天下一の絵師集団、狩野派が手掛けるなど、内装は豪華絢爛。八角形の5階には仏教をテーマにした絵、中央の4本の柱には龍が描かれていたとされる。最上階には中国史の皇帝が描かれ、宣教師の記録によると、外壁は青、金で塗られていたという。ルイス・フロイスの「日本史」には信長が日本国内を統治した後、大艦隊を率いて中国を征服するという野望が記されている。なお、信長が日本の城で最初に置いたのがしゃちほこ。
龍は天と地上を繋ぎ、メッセージを伝える神聖な生き物とされ、安土城の外壁、天主内部にも描かれた。だが、千田嘉博氏によると、信長は中国の模倣になってしまうと、龍のような役割を果たし、火除けの効果があるとされた鯱を日本版の神聖な生き物として作り出したという。千田氏は最新技術により、精密なVRが作れるようになったことで、城に加え、築城した人間の思考回路も見えてくるかもしれないと期待を寄せた。
「歴史探偵」の次回予告。