2024年6月4日放送 23:50 - 0:35 NHK総合

歴史探偵
戊辰戦争と会津

出演者
渡邊佐和子 佐藤二朗 河合敦 
(オープニング)
今回は...

今回、戊辰戦争を特集。会津藩は最新の戦法を駆使し、幻の挙兵計画も立案していたという。では、敗因はなんだったのか。

キーワード
戊辰戦争
オープニング

オープニング映像。

(歴史探偵)
スタジオトーク

慶応4年、薩摩、長州を中心とする新政府軍と会津藩などがいる旧幕府軍が京都で激突した。鳥羽・伏見の戦いと呼ばれる。旧幕府軍は敗れ、朝敵とみなされた。新政府軍は江戸へと進撃し、江戸城は無血開城となった。会津藩は新政府軍に恭順の意を示すが、新政府軍は応じず、討伐に着手する。会津藩は東北の諸藩と連携し、奥羽越列藩同盟で新政府軍と相対した。

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奥羽越列藩同盟鳥羽・伏見の戦い
戊辰戦争と会津

新潟・小千谷市の朝日山には新政府軍と奥羽越列藩同盟軍の戦いの痕跡が残され、少ない時間と労力で塹壕をつくっていたという。山中では小規模の塹壕が40ヵ所見つかり、敵の侵入に合わせて塹壕を移動し、戦うことが可能。これにより、同盟軍は兵力差をカバーしていたという。銃弾も多数発見され、最新鋭だったイギリスのエンフィールド銃と判明。さらに会津藩は熊本藩と連携し、熊本藩が挙兵するという計画もあったという。当時、薩摩など一部の藩が権力を牛耳っていて、公平な話し合いを求める意見書が見つかっている。同盟軍は諸藩の間に渦巻く不安を察知し、味方を募ろうと図っていた。

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仙台市博物館奥羽越列藩同盟小千谷市(新潟)市立米沢図書館新発田藩事実記録朝日山
スタジオトーク

新政府軍といえども一枚岩ではなく、会津藩を討伐しようとする強硬な勢力に疑問を呈する藩もあったという。また、同盟軍は新型の武器、最新の戦法も活用していたとされる。朝日山の戦いには長州藩の奇兵隊が投入されたが、同盟側が圧倒し、敵軍の参謀を屠ることにも成功していた。だが、会津藩は降伏へと至る。

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奥羽越列藩同盟朝日山
戊辰戦争と会津

会津藩は新政府軍の侵入を防ぐため、領内に兵力を分散していた。侵攻の可能性が低いと考えられていた母成峠を突破され、各地の兵士は撤退を余儀なくされた。日本大学の淺川教授は工夫次第では防衛ラインを維持できたと考え、同大学の研究者たちの協力のもと、シミュレーションが行われた。城下にバリケードを張り巡らすことで、新政府軍を巧みに誘導し、藩士たちは二方向から攻撃する戦法を駆使する。新政府軍が城に到達した場合、城に陣取る銃撃隊が一斉放火。この戦術であれば、新政府軍は撤退すると検証で確かめられた。実現できなかった要因に指揮官の不足があり、薩摩藩、佐賀藩では指揮官の養成に力を入れていた。

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日本大学母成峠若松城天守閣郷土博物館鶴ヶ城

幕府や朝廷と折衝し、情報収集や根回しを行う外交官は公用方と呼ばれた。藩に2桁いれば多いとされるなか、会津藩には36人いたという。藩主の松平容保は都の治安維持を任されたため、有能な人材は公用方に割り当てる必要があった。また、奥羽越列藩同盟の盟約書に着目すると、諸藩の公平な話し合いで物事を決めるべきとされているが、迅速な判断が求められる緊急事態の際には足枷となりかねない。判断の遅れは戦況の悪化へと繋がり、同盟から離脱する藩が続出した。1868年9月、会津藩は降伏した。

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会津若松市(福島)奥羽越列藩同盟復古記松平容保
スタジオトーク

奥羽越列藩同盟の公平な話し合いによる取り決めは戦時下では機能せず、時代が早すぎたといえるという。そして、新政府軍に降伏した会津藩では復興がなかなか進まなかったという。

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奥羽越列藩同盟
戊辰戦争と会津

会津では経済発展を目指し、鉄道敷設の請願書に1万人以上が署名した。だが、国にとって経済的・軍事的に役立つ路線が優先され、会津は後回しに。山間部にあるため、鉄道の敷設の他、トンネルや橋の建設も必要となり、多くの資金が欠かせない。県知事だった日下義雄は出資を募るべく演説を行い、鉄道ができれば復興が進み、鉄道会社も多大な利益が見込めるなど出資者にもメリットがあると訴えた。2000人ちかくが1株(今の金額に換算すると100万円)の株主として出資し、1897年に工事がスタート。約2年後、会津に鉄道が開通した。

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会津若松市(福島)日下義雄福島県立博物館郡山市歴史資料館
スタジオトーク

佐藤二朗は「国がやってくれないなら、自分たちで」と鉄道開通を実現させた会津の人々に百折不撓の精神を見たという。鉄道の開通により、会津塗や本郷焼といった地場産品が全国に広がり、日本酒の流通量も増えた。佐藤二朗は敗者の視点から歴史を見ることの大切さを改めて痛感したという。

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会津塗会津本郷焼戊辰戦争
(エンディング)
次回予告

「歴史探偵」の次回予告。

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