オープニング映像。

74歳の沼田博美氏は3年前に脳出血で倒れ、妻の久美子さんが献身的に支えている。2人はデパートの広告部にデザイナーとして勤務していたが、久美子さんは作家を志し、子供向けの物語を書きたいと思った。題材にしたのは博美氏の幼少期で、母親が入院生活を送るなか、江ノ電を見て寂しさを紛らわせたという。出会って7年後、2人は結婚。博美氏は画家として電車の絵を描き、発表するようになった。スケッチ旅行に出かけると、博美氏は日没まで絵を描き続けたことがあり、久美子さんは待ちぼうけを食った。だが、出来上がった絵を見ると、怒りもおさまったという。博美氏には脳出血の後遺症で右半身麻痺、言語障害が残った。利き手の右手は回復しないと告げられた時、表情を失っていたという。久美子さんは前向きになるよう励まし、博美氏は左手でも作品を描き始めた。電車となると熱心さが段違い。今、夫婦は外に出かけ、江ノ電を描くようになった。

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江ノ島電鉄