2025年8月23日放送 18:00 - 18:30 テレビ東京

知られざるガリバー〜エクセレントカンパニーファイル〜

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(知られざるガリバー)
年商592億円 “分離技術”で燃料をつくる化工機メーカー

大型船は1日に50~100tと燃料を大量に消費するため、ガソリンではなく石油の中でもコストの安いC重油が使われている。C重油を燃料として使うには油清浄機がないと船は動かない。C重油に含まれる不純物を取り除かないと燃料の役割を果たさない。油清浄機の核となるのが遠心分離機。油清浄機で船舶業界では国内で9割、世界で4割のシェアを誇るのが今回のガリバー「三菱化工機」。

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三菱化工機の川崎製作所では油清浄機を製造している。年商は592億円、従業員数は1017人。製造拠点は国内に4か所。80年以上の歴史がある油清浄機は7月に累計生産台数が12万台を超えた。遠心分離機に藻が混ざった水をいれると、回転体の中に供給されて1万Gの遠心力で藻が沈み外側にたまる。

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三菱化工機川崎市(神奈川)

三菱化工機の油清浄機は燃料のC重油を油と水、不純物の3層に分離する。遠心分離機に投入されたC重油は高速回転した際に発生する遠心力によって比重の軽い油の部分が内側に、油より少し重い水が油の外側に分離されて、水よりも重い不純物の個体が一番外側に分離される。日常生活で受ける重力加速度は1Gで、回転体にかかる重力加速度は1万G。この重力は戦闘機の約1000倍。回転体の特徴は高い強度、絶妙なバランス、高速の分離技術。回転体のもととなる金属は1万Gに耐えられるよう、独自に開発したステンレス鋼でできていて、強度や耐食性を兼ね備えている。回転体はバランスを保てないと回転にズレが生じて遠心力により大きな振動が発生する。一定のバランスを保つために独自の検査機で回転数や振れ幅などを測定して振動を抑制している。回転体が液体を分離する際に欠かせないのが分離板。回転体は約100枚もの分離板が重なる構造になっている。枚数が多いほど不純物を効果的に取り除くことが可能になる。油清浄機は24時間稼働するため、不純物を自動で排出する機能を備えている他、波の揺れに耐えられるよう品質検査も行っている。

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三菱化工機川崎市(神奈川)

1935年、三菱各社の出資により「化工機製作」を創立。1938年に商号を「三菱化工機」に変更。1940年に油清浄機の製造を開始した。1957年には船舶自動排出式の油清浄機を製造してシェアを拡大してきた。高度経済成長期に入ると大気汚染が深刻化。そこで取り組んだのが排ガスから有害物質を分離する排煙脱硫装置だった。事業の集中化への反省点を活かして三菱化工機は分離技術を多角化する方法へシフトした。その事業の一つが水素製造。

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三菱化工機岩崎小彌太

三菱化工機が現在力を入れている事業が水素製造。東邦ガスの工場は去年、三菱化工機の水素製造装置を導入して水素製造プラントを立ち上げた。三菱化工機は水電解より3分の1から4分の1のコストで水素を作ることができるという。改質器という装置の中で気化させたガスに800℃の熱を加えるとメタンから水素を取り出せる。水素の純度を上げる吸着塔では水素だけを分離して99.999%の高純度の水素を取り出す。三菱化工機は小型の水素製造装置も手がけている。三菱化工機の水素製造装置は福岡市の下水から水素を製造する取り組みや、製鉄業界の脱炭素化にも活用されている。この方法は都市ガスを燃焼させるためCO2が出てしまう欠点があるが、発生したCO2を貯蔵して再利用する技術も開発している。その活用例が藻を培養するプラント。培養した藻はバイオ燃料や化粧品の原料として利用されている。

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三菱化工機川崎市(神奈川)東邦ガス知多市(愛知)福岡市(福岡)

田中社長は「持続可能な社会の実現に向けて貢献する会社を目指している」などと語った。

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(エンディング)
次回予告

知られざるガリバーの次回予告。

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