三菱化工機の油清浄機は燃料のC重油を油と水、不純物の3層に分離する。遠心分離機に投入されたC重油は高速回転した際に発生する遠心力によって比重の軽い油の部分が内側に、油より少し重い水が油の外側に分離されて、水よりも重い不純物の個体が一番外側に分離される。日常生活で受ける重力加速度は1Gで、回転体にかかる重力加速度は1万G。この重力は戦闘機の約1000倍。回転体の特徴は高い強度、絶妙なバランス、高速の分離技術。回転体のもととなる金属は1万Gに耐えられるよう、独自に開発したステンレス鋼でできていて、強度や耐食性を兼ね備えている。回転体はバランスを保てないと回転にズレが生じて遠心力により大きな振動が発生する。一定のバランスを保つために独自の検査機で回転数や振れ幅などを測定して振動を抑制している。回転体が液体を分離する際に欠かせないのが分離板。回転体は約100枚もの分離板が重なる構造になっている。枚数が多いほど不純物を効果的に取り除くことが可能になる。油清浄機は24時間稼働するため、不純物を自動で排出する機能を備えている他、波の揺れに耐えられるよう品質検査も行っている。
1935年、三菱各社の出資により「化工機製作」を創立。1938年に商号を「三菱化工機」に変更。1940年に油清浄機の製造を開始した。1957年には船舶自動排出式の油清浄機を製造してシェアを拡大してきた。高度経済成長期に入ると大気汚染が深刻化。そこで取り組んだのが排ガスから有害物質を分離する排煙脱硫装置だった。事業の集中化への反省点を活かして三菱化工機は分離技術を多角化する方法へシフトした。その事業の一つが水素製造。
1935年、三菱各社の出資により「化工機製作」を創立。1938年に商号を「三菱化工機」に変更。1940年に油清浄機の製造を開始した。1957年には船舶自動排出式の油清浄機を製造してシェアを拡大してきた。高度経済成長期に入ると大気汚染が深刻化。そこで取り組んだのが排ガスから有害物質を分離する排煙脱硫装置だった。事業の集中化への反省点を活かして三菱化工機は分離技術を多角化する方法へシフトした。その事業の一つが水素製造。