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大澤温泉は静岡県の西伊豆にある。今回の旅人、映枝は、「大澤温泉 野天風呂 山の家」を訪れた。築80年を越える木造の建物。湯船の底からボコボコと湧き出す源泉は、10mほど離れた場所から一切空気に触れずに引き込まれている。泉質は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉。柔らかく包まれるような肌触り。元々混浴だったが、20年ほど前に男女別に仕切られた。自然の岩場を生かした空間で流れる癒やしの時間。入浴後の上がり湯にも源泉が掛け流されている。
「大澤温泉 野天風呂 山の家」からバスで40分ほどのところに堂ヶ島温泉はある。映枝は「海辺のかくれ湯 清流」という旅館を訪れた。客室数39、すべてがオーシャンビューのつくりで、伝兵衛島などが望める。県の天然記念物に指定されているトンボロ現象も見られる。露天風呂は男女別で、それぞれ西伊豆の絶景を望める。泉質はアルカリ性単純温泉。とろみある優しいお湯。温度が異なる3つの湯船がある。
「海辺のかくれ湯 清流」の夕食は、アワビの踊焼きや特選和牛「静岡そだち」の石焼きなどからなる創作会席。約3畳の貸切風呂“だんらん”は、西伊豆の絶景を独り占めできる。お湯は少し熱めだが、時折流れ込む海からの風が心地よい。
「祢宜ノ畑温泉」は、堂ヶ島温泉からバスで40分ほどのところにある。映枝は町営の宿泊施設「やまびこ荘」を訪れた。建物は廃校した小学校を再利用したもの。源泉は25mプールにも注がれている。元々職員室だった場所にある男女別の内湯には、檜でできた3畳ほどの湯船がある。泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉。無色透明の少しぬるめのお湯。
映枝は土肥温泉の「坂聖・玉樟園」という旅館を訪れた。作家・花登筺が執筆したとされる特別室「こばこ」には和室とベッドルームの他、露天風呂も備えられている。
「坂聖・玉樟園」では数々の将棋の対局も行われてきた。脱衣籠の番号にも将棋の駒がデザインされている。土肥温泉は江戸時代、土肥金山の採掘時に湧き出たと言われている。湯船には5種類の源泉を混合したお湯が注がれている。泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉。夕食は駿河湾でとれた海老が中心で、うちわ海老の温泉蒸しや、桜えびの釜飯などで構成される。無料で利用できる 貸切風呂「山水」もある。