2025年8月26日放送 22:00 - 22:45 NHK総合

総合診療医ドクターG NEXT
(4)「かぜが治らない」

出演者
藤井隆 赤木野々花 菊池桃子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(総合診療医ドクターG NEXT)
50代女性に異変 いったい何が?

夫と居酒屋を切り盛りする上野幸子さん(55)は2ヶ月ほど前から風邪のような症状が続いていた。

スタジオトーク

総合診療医として16年のキャリアを持つ和足孝之医師が登場。些細な手がかりから病気の原因を探り当てていて、国内外の医療現場を渡り歩いてきた。さらに研修医の岩城叡遼さん、伏江真彩さん、高木創志さんが挨拶。伏江さんは病院でミュージカルを上演する活動にも参加し、高木創志さんは以前に出版社で営業をしていたと明かした。

キーワード
京都大学医学部附属病院
かぜが治らない病名を推理

上野幸子さん(55)が病院を訪れ、風邪が治らないと医師に訴えた。熱は特になく、鼻水も喉の痛みもない。咳が続き、階段の昇り降り、仕入れ作業もキツイと感じるという。居酒屋を切り盛りする夫に同じような症状は出ていない。これまでに大病を患ったことはない。また、3ヶ月前にネコを迎えたこと、2週間前に咳き込んだ後、気を失ったことを明かした。

スタジオトーク

上野幸子さん(55)の基礎情報をおさらいした。菊池桃子は素人ながら肺の状態が思わしくないと感じたといい、「肺気腫」を疑った。岩城叡遼さんは「肺がん」、伏江真彩さんは「結核」、高木創志さんは「ランバート・イートン症候群」と推測。結核の主な症状に倦怠感、咳があるが、上野さんの場合、発熱はみられない。ランバート・イートン症候群は免疫の異常反応により、筋肉がうまく動かなくなる。がんにともなって引き起こされるため、高木さんは肺がんも視野に入れる。上述した症候群は咳を起こさないが、肺がんであれば咳をする。出演者は患者のレントゲン写真を鑑別し、結核、肺気腫の可能性は下がると判断した。

キーワード
ランバート・イートン症候群結核肺がん肺気腫

上野さんは診察時、咳の他、白い痰がわずかだが出ると話していた。伏江さんは細菌感染ではないと推測した。また、咳についても概説した。3週間未満は急性咳嗽、3週間~8週間は遷延性咳嗽、8週間を超えると慢性咳嗽と呼ばれる。上野さんの場合、慢性咳嗽が考えられる。藤井隆は上野さんの勤務先が居酒屋ということから、受動喫煙による慢性咳嗽を疑った。

キーワード
慢性閉塞性肺疾患気管支喘息
かぜが治らない病名を推理

上野幸子さんの心音、呼吸音に異常はみられなかった。SpO2は92%。

スタジオトーク

岩城さんは「肺がん」を疑うも、SpO2が3%下がるほどだと病状がかなり進行していることが考えられる。それだと肺に胸水がたまり、レントゲン画像で確認できる。肺がんの可能性は低い。伏江さんはレントゲン写真を撮るのに患者が移動したことで、SpO2が下がったと推測する。高木さんは患者の長引く咳ではなく倦怠感を重要視し、「甲状腺機能低下症」を考える。上野さんに肺活量検査を行い、基準値が70~80%とされる1秒率が58%。研修医たちの総意は「受動喫煙による慢性閉塞性肺疾患」。気管支が炎症を起こすことで空気の通り道が狭くなる。加えて、空気を吸い込んでも、うまく吐き出せなくなるという。

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慢性閉塞性肺疾患甲状腺機能低下症肺がん

厚生労働省の統計では2023年、慢性閉塞性肺疾患で亡くなった人は16941人。近年、増加傾向にある他、正しい診断もされていないケースもあるという。和足医師は「卓越した診断能力を身につけるには徹底的に病歴を聞き、頭のなかで映像化していくこと」と助言した。病気が分かったことで上野さんの居酒屋では禁煙を実施し、吸入薬によって以前と変わらない生活を送っている。

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厚生労働省慢性閉塞性肺疾患
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