岩城さんは「肺がん」を疑うも、SpO2が3%下がるほどだと病状がかなり進行していることが考えられる。それだと肺に胸水がたまり、レントゲン画像で確認できる。肺がんの可能性は低い。伏江さんはレントゲン写真を撮るのに患者が移動したことで、SpO2が下がったと推測する。高木さんは患者の長引く咳ではなく倦怠感を重要視し、「甲状腺機能低下症」を考える。上野さんに肺活量検査を行い、基準値が70~80%とされる1秒率が58%。研修医たちの総意は「受動喫煙による慢性閉塞性肺疾患」。気管支が炎症を起こすことで空気の通り道が狭くなる。加えて、空気を吸い込んでも、うまく吐き出せなくなるという。
厚生労働省の統計では2023年、慢性閉塞性肺疾患で亡くなった人は16941人。近年、増加傾向にある他、正しい診断もされていないケースもあるという。和足医師は「卓越した診断能力を身につけるには徹底的に病歴を聞き、頭のなかで映像化していくこと」と助言した。病気が分かったことで上野さんの居酒屋では禁煙を実施し、吸入薬によって以前と変わらない生活を送っている。
厚生労働省の統計では2023年、慢性閉塞性肺疾患で亡くなった人は16941人。近年、増加傾向にある他、正しい診断もされていないケースもあるという。和足医師は「卓越した診断能力を身につけるには徹底的に病歴を聞き、頭のなかで映像化していくこと」と助言した。病気が分かったことで上野さんの居酒屋では禁煙を実施し、吸入薬によって以前と変わらない生活を送っている。