- 出演者
- 合原明子 ゆきぽよ 中井治郎
今年のハロウィーンについて危機感を抱いているのは渋谷センター商店街の常務理事の鈴木さん。毎朝商店街の清掃を行っているが新型コロナが5類になってからは飲酒によるゴミが急増している。回収には毎日2時間かかるが、その量は日に日に増えているという。鈴木さんはコロナ前のハロウィーンよりも混乱が起きると考えている。5年前のハロウィーンでは酒に酔った若者がトラックを横転させる事件が発生。また翌年も暴行や痴漢などで逮捕者が続出した。渋谷では酒によるトラブルが日常的に起きている。渋谷区のパトロールでは酒を片手に路上飲みをし騒ぐ人の姿が。この日も路上飲みをする街で喧嘩が発生し警察が出動した。コロナ禍で時短営業する中で始まった路上飲みは急速に拡大している。この春以降には外国人による路上飲みも。海外では公共の場での飲酒が禁止されている地域もありわざわざ渋谷を訪れる人も。またSNSでも路上飲みが出来ると紹介され、国内外から路上飲みをする人が集まっていて、トラブルが起きるリスクが高まっている。センター街では被害が相次いでおり、常務理事の鈴木さんが営む影もこの夏にオープン席のテントが壊されたという。路上飲みが蔓延する中でハロウィーンを迎えれば危険な状態になるのではと不安を感じてるという。
ゆきぽよは今の渋谷については渋谷で育ったが渋谷のハロウィーンについては普段渋谷にいない人たちが押し寄せ、常識のない酒に酔った人が暴れているイメージだと答えた。中井は渋谷のハロウィーンは遠方から来る人が集まってくるイベントでオーバーツーリズムになっていると答えた。また路上飲みが急激に増加し、そういった中で集まってくる人のマナーをも問題化していると答えた。また一部渋谷では飲酒禁止エリアを設けていて、またその地域の対象店舗では酒類の販売を自粛するよう要請している。
渋谷駅ハチ公口から徒歩2分ほどの渋谷センター街から中継。7時台とあって人出は多めも、普段とは変わらない様子。ハロウィンの仮装をして歩いている人は殆どいない状況。路上飲酒者は多少いて、パトロール員が注意する様子も。パトロール員は延べ450人。
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ゆきぽよは「今の私がいるのは渋谷のおかげ」としたうえ、渋谷ハロウィーン問題などについて「普通の渋谷に戻って欲しい」とコメント。渋谷区では取り組みも強めていて、ハロウィーンなどに来るような遠方からの来客に対して中井は自制を呼びかけた。
コロナ禍前はスクランブル交差点周辺だけで4万人が集まった渋谷ハロウィーン。その長谷部区長は街が汚される問題を重要視し、ゴミ袋を配るなどして対策もコントロールしきれず。世界のハロウィーンについて研究する武蔵野学院大学の佐々木副学長いわく、ハロウィンの起源は古代ケルト人の伝統行事「サウィン祭り」の前夜祭。サウィンでは死者の魂が家に戻ってくるとされ、死者の真似として仮装に。日本初のハロウィン仮装パレードは原宿の玩具店で誕生。開店当時、付近に米軍居住施設があったことで米国文化の影響が強く、少なくとも40年前にはイベントを開催との記録も。以来、地域主催のイベントとして日本中に広まったハロウィン。一方で渋谷ハロウィンには主催者がいない。きっかけは02年サッカーW杯での日本代表の活躍。その後、新年カウントダウンなどイベントスポット化。昨年には韓国イテウォンで150人以上が死亡する雑踏事故が。これも主催者がおらず、外国人観光客も多く、街に細い路地が多いなど、渋谷との共通点も少なくない。
主催者がいない中で盛り上がる渋谷ハロウィーン。専門家は渋谷について「はっちゃける場所」というイメージが定着していることや、都市では人が集まるのは当然であること、日本の都市には広場が少ないことを指摘。実際、海外の都市部には広場が必ずあるうえ、ハロウィンは子供の行事として定着しているそう。オーバーツーリズム問題を考えるには、人を分散させていくことが重要と中井は指摘。群衆は「焦点」を目指す傾向にあるうえ、日本にはハロウィーン文化が十分に根付いていないことも踏まえ、地域ごとに主催者などが「焦点」を与えられるよう目指すべきと指摘。