2025年4月4日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
“がんを防ぐ”ワクチン 効果は?安全性は?

出演者
首藤奈知子 宮地真緒 中野貴司 
(オープニング)
趣旨説明

茨城県の筑波大学。この日、女子学生を対象にHPVワクチンの接種が行われていた。毎年1万人の女性がかかる子宮頸がんを予防する効果も示されている。しかし、10年程前、接種後の症状への不安が広がり接種率は急速に低下。現在もおよそ5割程にとどまっている。そうした中、進んでいるのが接種後に症状が出た場合、丁寧に診察を行う体制作り。ワクチンの最新の情報を伝える取り組みも広がっている。

キーワード
HPVワクチン国勢調査地域保健・健康増進事業報告子宮頸がん筑波大学茨城県
オープニング

オープニング映像。

”がんを防ぐ”ワクチン 効果は?安全性は?
子宮頸がん どう防ぐ?HPVワクチンを考える

HPVワクチンは小学6年生から高校1年生の女の子を対象に定期接種として提供されている。過去に接種を逃してしまった大学生などを対象にキャッチアップ接種も行われている。

キーワード
HPVワクチン子宮頸がん

静岡県に住む女性は24歳の時に子宮頸がんと診断された。子宮頸がんは25歳から40歳の女性の場合、乳がんに次いで多く亡くなるがん。手術によって子宮と卵巣をすべて摘出した女性。さらに、その3年後にがんが再発。仕事も辞めざるをえなくなった。女性が中高生のころHPVワクチンの接種は始まっていなかった。ワクチンを予防する選択肢を持つ女性たちには正確な情報を得て判断してほしいと願っている。HPVワクチン接種率の推移を紹介。今、26歳から31歳の人は比較的高い接種率だったが、それ以降は接種率が急激に減った。ここ数年で徐々に上昇はしている。接種後に体の痛みなどの症状が現れた人がいるということで、その症状の因果関係は確定していないが厚生労働省がしばらく積極的におすすめしないという期間があった。その期間に接種率が非常に低下している。3年程前にまたおすすめするというのが再開され、現在は接種率が再上昇してきているという途中。

キーワード
HPVワクチン井出智厚生労働省国勢調査地域保健・健康増進事業報告子宮頸がん静岡県
HPVワクチンを考える 効果・安全性の最新情報

医療分野のデータ分析を行う民間の研究機関、エムスリー総合研究所。去年からHPVワクチンの接種に関するアンケート調査を行っている。接種を検討してこなかった人にその理由を尋ねたところ保護者は「副反応が怖かったから」がほとんどを占めた。一方で、対象者である本人は「知らなかった」が一番多く、次いで「副反応が怖かったから」が多くなった。分析結果を共有された医師たち。接種への不安の解消に加え情報の伝達に課題があるという意見が出された。国は現在HPVワクチンについてがんを防ぐ一定の有効性が示されているとともに安全性について特段の懸念がなく接種を継続してよい状況としている。現在、主に使われているワクチンは子宮頸がんの原因といわれるヒトパピローマウイルス約80%から90%をカバーできるということで効果が期待できる。また、スウェーデンなどでは非常に高い接種率が維持されていて、そういった国々では子宮頸がんのリスクが9割近く減少した国もあるという。

キーワード
HPVワクチンエムスリー総合研究所スウェーデン厚生労働省子宮頸がん港区(東京)
ワクチン接種後の症状 最新の医療体制は

HPVワクチンの接種後に症状が出た女性。15年前の中学2年生の時にワクチンを接種。その直後に腕の痛みを感じた。腕の痛みは治まったが接種から1年たったころ、けん怠感や胸の痛みを感じるようになった。しかし、医療機関で検査をしても原因は分からなかった。そのころメディアで接種後の症状を巡る問題が相次いで報じられていた。女性は自身の症状もワクチンが原因ではないかと考えるようになった。不安を感じ4つの医療機関を受診。しかし、まともに取り合ってもらえなかった。体調が改善しない中、母親が見つけてきたのが「副反応の治療」をうたう民間療法だった。マッサージなどの施術や食事や生活の指導を数年間受けたものの体調の改善は見られなかった。ようやく症状が治まったのは接種から5年程たった高校3年生の時だった。ワクチン接種後の体の不調に対し医療機関に真摯に向き合ってほしかったと今も、わだかまりを抱えている。ワクチン接種後の症状や不安にどう対応するのか。厚生労働省の研究班は接種後の症状の分析や診療体制の在り方の議論を続けてきた。国はこれまで適切な診療を提供するため協力医療機関を全国に84か所整備。その中の12か所を拠点病院と定め診療体制の強化を図っている。拠点病院の一つ、横浜市立大学附属市民総合医療センター。痛みなどの訴えに丁寧に耳を傾け治療に当たる方針を掲げている。この日、来院したのは去年の夏にワクチンを接種しその後、腕の痛みを感じたという女性。痛みはいったん治まったが経過観察を続けてきた。女性の場合、痛みが出た要因に筋力低下の影響が考えられることから筋肉を鍛えるリハビリを続けている。病院では患者の家族関係や生活での困りごとなどについても聞き取りを行っている。さまざまな視点から要因を探り症状の改善につなげようとしている。

キーワード
HPVワクチン厚生労働省愛知医科大学横浜市立大学附属市民総合医療センター牛田亨宏

ワクチン接種後の症状について医療体制も整備されてきている。予防接種を打ったあとに体調が悪くなった時、WHOなども予防接種ストレス関連反応という概念も提唱しており、不安や痛み、もしかしたらいろんなメディアからのレポートによってもこういった不安は増す場合もある。そういったことも考えて対処してあげることが大切で、その診療体制は整備されつつあるので安心して接種できる体制が整いつつある。現在、分かっているワクチンの効果や安全性を知ってもらおうという取り組みも広がっている。

キーワード
HPVワクチンNHKプラス世界保健機関
子宮頸がん どう防ぐ?ワクチンを”知る”

千葉県で婦人科クリニックを営む医師の横須賀治子さん。ワクチンについて正確に知ってほしいと地域での情報発信に力を入れている。この日、訪れたのは近隣の小児科クリニック。仲間の医師たちとHPVワクチンに関する漫画を作成。県内の自治体や医療機関に配布している。さらに力を入れているのが接種を受ける当事者である子どもたちへの情報提供。子宮頸がんと予防に関する現在分かっている最新の情報を伝える。これまで横須賀さんが訪ねた学校はおよそ20校。教育現場への働きかけを通じて接種率の向上につなげていきたいと考えている。接種を受ける当事者に近い若い世代も情報発信を始めている。都内で中高生を対象に開かれたHPVワクチンについて学ぶイベント。主催したのは医学部に通う大学生。メンバーの一人、大坪琉奈さん。中高生の時に接種を逃し大学生になってキャッチアップ接種を受けた。中高生たちがワクチンについてお互いに気軽に話し合うことで接種を検討する機会が増えてほしいと考えている。

キーワード
HPVワクチン中央区(東京)子宮頸がん木更津市(千葉)

接種率の向上に向けて自治体も取り組みを進めている。接種率が全国的に高い富山県では毎月の県内接種率を公表したり医師会と連携して自治体向けの勉強会を開いたりしている。担当者は県が積極的に情報を開示して市町村や医療機関などと連携することが重要と話している。

キーワード
HPVワクチン子宮頸がん富山県森安祐成渋谷区(東京)
(エンディング)
エンディング

エンディングの挨拶。

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.