2025年2月28日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
人生最期に残すもの 広がる選択肢

出演者
合原明子 井上城治 齋藤弘道 
(オープニング)
趣旨説明

去年亡くなった男性は妻への最期の言葉を保険会社の新しいサービスを使って残していた。首都圏のお寺でも最期の手紙を家族に残す取り組みが行われている。自分の財産を亡くなったあと第三者に寄付する人も。この10年でおよそ3倍に増加している。さらに今、お金だけでなく不動産を寄付するケースも出てきている。

オープニング

オープニング映像。

人生最期に残すもの 広がる選択肢
人生の最期に…言葉や財産残したい

多死社会が進む日本。1年間に亡くなった人の数は増加が続いていて直近では157万人を超えている。自分の死後、家族や大切な人に何か残せないか悩む人も多いと思う。そうした人たちに向けて今、新たなサービスが広がっている。今回、注目したのは最期の言葉を残す手紙のサービス、そして不動産などを寄付するサービス。

人生最期の”手紙” 受け取った家族は…

茨城・那珂に住む鈴木京子さん(78)を取材。去年82歳で亡くなった夫 利明さん(享年82)。夫の死後、京子さんのもとに1通の手紙が届いた。夫は生前、保険会社が加入者に行っているサービスを利用していた。京子さんに対し手紙を書き残し保険会社が保管する。自身の死後、保険金が支払われた後に手紙が京子さんに届けられる仕組み。50年前に結婚した2人。夫は家では口数が少なく京子さんにねぎらいの言葉をかけることはあまりなかった。夫は62歳の時、脳梗塞で右半身がまひ。その後の不自由な生活を京子さんが支えてきた。夫が亡くなって2週間後、最期の手紙に書いてあったのは慣れない左手で書かれた京子さんへの感謝の言葉だった。

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脳梗塞

手紙のサービスを提供している生命保険会社。死亡保険に加入している人であれば無料で利用でき5年前にサービスを始めて以来、登録件数はおよそ20万に上っている。親しい人に残す人生最期の手紙。その取り組みは證大寺 昭和浄苑でも行われている。 この日、亡くなった男性の四十九日に合わせ最期の手紙が開封された。手紙には「阿弥陀仏の願いを聞いて迷いの世界に戻ることなく真実の世界に生きていきたい」と書かれていた。お寺では残された家族が亡くなった人に対して返事を書くことを勧めている。この取り組みを始めた證大寺の住職、井上城治さん。現在、預かっている最期の手紙は800通以上に上る。特別につくられたこの施設で保管され、本人の死後、遺族に渡される。最期の手紙を始めたきっかけは井上さん自身の経験にあった。24歳の時先代の住職である父が亡くなり1200年続く寺を継ぐことになった。重圧に押し潰されそうになっていた時、支えになったのが父が残したメッセージだった。書かれていたのは寺が建立された経緯。そして最後に井上さんへの言葉が記されていた。寺が始めた最期の手紙。残された家族が亡くなった人に対して手紙を書き続けるケースもある。この場所を毎月訪れている人もいる。その後、寺でおたき上げされる手紙。亡くなった人と残された人をつないでいる。

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明治安田生命保険船橋昭和浄苑證大寺

スタジオ解説・トーク。手紙を残した人たちの体験談や取り組みが紹介された記事が見えるサイトをQRコードで紹介した。スタジオゲストの證大寺住職・井上城治さんが紹介された。井上さんは、「亡くなって終わりじゃない。亡くなったあとも応援している」という気持ちを残したい人などが手紙を残しているなどと話した。

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證大寺

埼玉県に住む31歳の女性はおととし息子が生まれたことで事故などで突然、家族を残して亡くなる人のニュースが気になるようになった。まだ、自身の最期を意識する年齢ではないものの家族との思い出や感謝の気持ちを手紙に記すことにした。

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埼玉県

スタジオトーク。若い内に最期の手紙を書くことについて井上さんは、万が一のこともあるので年代関係なく手紙を残すのは大事なことだと思うなどと話した。また、残された家族が亡くなった人に手紙を書く大切さについて井上さんは、亡くなったらおしまいだと思う人もいるが、手紙を書くことで改めて向き合うことができる、亡くなった人と会話することが大事だと思う、などと話した。

広がる財産の”寄付” 不動産でも可能に?

埼玉・戸田に住む男性は財産を家族に残すだけでなく他に役立てられないか考えてきた。現在、司法書士とともに自分の現金を遺贈寄付するため遺言書を作成している。寄付先の一つとして検討しているのが秋田県仙北市。生まれ育ったふるさとへの恩返しとして教育施策に役立ててほしいと考えている。遺贈寄付は現金だけでなく不動産でも行えるようになり始めている。都内にアパートを所有する70代の女性は去年、夫を亡くし子どももいないため財産を引き継ぐ人がいない。これまで遺贈寄付の受け入れ団体は不動産を受け入れないところがほとんどだった。現金化する際のリスクや手間がかかることがその理由だった。この日、女性は遺贈寄付の支援を行っているあるNPOを訪ねた。去年、立ち上げられたNPOでは現金だけでなく不動産も一括して引き受けるサービスを行っている。引き受けた不動産の売却や家賃収入によって現金を作る。それを指定された団体に寄付する仕組み。女性は両親が残した不動産に愛着があるため一定期間、建物を残し家賃収入を寄付に充てることにした。

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仙北市(秋田)戸田(埼玉)

スタジオ解説・トーク。遺贈寄付のポイントや注意点、相談窓口についての記事が掲載されたサイトのQRコードが紹介された。住職の井上さんは遺贈寄付について、とても大事だと思う、遺贈や遺産相続は仏教の言葉、仏教では大事になった不動産やお金のもとのところを大事にしている、などと話した。新たなゲストとして遺贈寄附推進機構の齋藤弘道さんが紹介された。齋藤さんは不動産を含む遺贈寄付について、寄付をしたい財産の中に売れない不動産があった場合、遺贈寄付そのものが断られてしまうケースがあり、紹介されたNPOはそれを補おうとしているところが新しい部分、信頼できるサービスになれるかが課題、などと話した。また、財産を第三者に残す遺贈寄付の意義について齋藤さんは、個人的な意義と、社会的な意義があるなどと話した。さらに遺贈寄付で気をつけるポイントとして、サービス提供に乗じて寄付を勧誘する業者への注意や、法定相続人がいる場合は慎重な対応が必要となることなどを挙げた。遺贈寄付の相談事業を行う団体が一覧で紹介された。井上さんは人生の最期に託す言葉や財産について、託すというのは願いを託すこと、受け取る方も願いを受け取っている、願いの遺産相続を大事にしたいと思う、などと話した。

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遺贈寄附推進機構
(エンディング)
エンディング

エンディング映像が流れた。

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