埼玉・戸田に住む男性は財産を家族に残すだけでなく他に役立てられないか考えてきた。現在、司法書士とともに自分の現金を遺贈寄付するため遺言書を作成している。寄付先の一つとして検討しているのが秋田県仙北市。生まれ育ったふるさとへの恩返しとして教育施策に役立ててほしいと考えている。遺贈寄付は現金だけでなく不動産でも行えるようになり始めている。都内にアパートを所有する70代の女性は去年、夫を亡くし子どももいないため財産を引き継ぐ人がいない。これまで遺贈寄付の受け入れ団体は不動産を受け入れないところがほとんどだった。現金化する際のリスクや手間がかかることがその理由だった。この日、女性は遺贈寄付の支援を行っているあるNPOを訪ねた。去年、立ち上げられたNPOでは現金だけでなく不動産も一括して引き受けるサービスを行っている。引き受けた不動産の売却や家賃収入によって現金を作る。それを指定された団体に寄付する仕組み。女性は両親が残した不動産に愛着があるため一定期間、建物を残し家賃収入を寄付に充てることにした。