- 出演者
- 松嶋菜々子
今回はミュンヘン五輪テロ事件を特集。テロリストが選手村に潜入し、イスラエル選手団を人質にして立てこもったという事件だ。
オープニング映像。
今回の運命の分岐点は1972年9月5日。オリンピックの選手村にパレスチナの過激派が侵入した時だ。テロリストはイスラエル選手団11人を人質に取り立てこもった。第一の視点はイスラエル代表選手のガド・ツァバリ。ガド・ツァバリはテロリストの拘束から間一髪で逃れたという。テロリストはコーチたちを拘束し、ガド・ツァバリも捕まったが逃げ出すことができ、アメリカのテレビ局のスタッフに助けを求めて、事件の一報が広がっていった。元警察官のヴァルター・レナーは当時について「オリンピックのような場でテロが起きることは想定してなかった」と語っている。
保護されたガド・ツァバリは警察の事情聴取を受けた後に選手村に戻り、そこでイスラエル選手団の仲間から、拘束された人質の1人が殺されたという知らせを受けたという。殺されたのはガド・ツァバリが逃亡した直後だったという。ガド・ツァバリは「思い出すと心が痛む」と語った。そうした中で西ドイツと襲撃グループの交渉は続いていた。ノンフィクション作家のスヴェン・ケラーホフはテロリストについて「オリンピックという舞台を利用して自分たちの主張を世界にアピールしたかったのでは」と見解を語った。テロリストは空輸による輸送を求め、ヘリで人質を連れて飛び去っていった。
次の視点は警察官のギド・シュロッサー。ギド・シュロッサーは仲間と共に乗務員に変装して、脱出用の航空機に潜んでいた。西ドイツは密かに人質救出作戦を練っており、ギド・シュロッサーの志願して救出任務に参加した。ヘリが到着すると銃撃戦が始まり、結果はテロリスト5人死亡3人逮捕、人質は11人全員死亡、警察官1人死亡という状況で終わった。
次の視点は当時のIOC会長だったアヴェリー・ブランデージ。アヴェリー・ブランデージはテロ事件を受けて五輪を続けるのか中止するのか決断を迫られたという。IOCは緊急会議をして、そこでイスラエル選手団団長の シュムエル・ラルキンから「競技を続けてください」というメッセージが寄せられたという。そしてアヴェリー・ブランデージは追悼式で競技を行うことを伝えた。
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その後、ミュンヘン大会はスケジュールの変更はあったが予定されていた競技は全て行われたという。2021年に行われた東京オリンピックでもミュンヘン五輪のイスラエル選手団のメンバーの追悼が行われた。そして今年の夏にまたオリンピックの季節がやってくる。
番組の次回予告。