- 出演者
- 弘中綾香 入山章栄
お菓子業界大手が取り組むスタートアップとの協業について紹介する。
オープニング映像。
日本のお菓子市場は絶好調で小売総額は約4兆円とされている。インバウンド客の影響で海外にも魅力が広がっているとのこと。一方で原材料の高騰と少子化によるニーズの減少が課題となっている。弘中アナは嫌なことがあったりすると会社のコンビニでお菓子を買うとのこと。
カルビーは昭和24年創業の大手お菓子メーカー。スナック菓子でヒット商品を連発し、近年ではシリアル商品も売り上げを伸ばしている。そんなカルビーではスタートアップと協業し、レトルト食品の配送サブスク「OMA MESI」や工場敷地内で地元の食べ物を提供する「FOOD for FACTORY」などの新規事業を展開している。
カルビーは新規事業に前向きで、その代表例の1つが「フルグラ」の発売。入山さんは「カルビーは食品業界の先駆者的存在」などと話した。そのカルビーでスタートアップとの協業に取り組む金子さんが手掛けているのが「Body Granola」。2023年にサービスを開始したもので、個人の腸内環境に合ったグラノーラが作れるというサービス。金子さんは「お客様一人一人の健康課題に対応するため、人によって違うとされる腸内環境に目をつけた。カルビーは元々人々の健康に役立つ商品作りを目指して創業した会社なので、創業時の理念に立ち返ったヘルスケアに関する新規事業を考えた」などと話した。
ボディグラノーラが生まれたのは2社のスタートアップの存在が大きいという。山形県に本社を構える「メタジェン」。腸内環境の研究者である代表の福田さんとカルビーの出会いからサービスの構想が始まった。メタジェン監修のもと開発がスタートしたが、サービスを開始する上で利用者の腸内環境をどのように検査するのかという壁があった。そこでタッグを組んだのが東京に本社を構える「サイキンソー」。2014年から一般向けに自宅で簡単に腸内環境を調べることができるサービスを展開しており、その技術をボディグラノーラに応用。こうして販路を持つ大手のカルビーと知見と技術を持った2社のスタートアップが協業することで新しいサービスが生まれた。このサービスの誕生で腸内環境に一層注目が集まり、現在の会員数は3万人以上にも及ぶ。
ビジネスを知る大手企業×専門的な技術をもつスタートアップの組み合わせは今後いっぱい出てくるという。カルビーのボディグラノーラのサイトには味の素が手掛けるコーヒーやミツカンの商品など他社ブランドの商品が並ぶ。すべて腸活に関わる商品ばかり。同じ志を持つメーカー同士が連携して市場全体を広げようとしている。新しいマーケットを作るためには組むことが大事だという。
筑波大学で睡眠の研究をし、ノーベル賞候補として注目されている柳沢正史教授。柳沢教授のスタートアップが株式会社S’UIMIN。独自に開発した睡眠脳波測定機を使うことで利用者の睡眠の質を可視化するサービスを展開している。睡眠を含めた脳機能と腸内環境の調整が健康維持のためには重要だと言われている。
カルビーが出資するスタートアップ。S’UIMINは睡眠科学を研究する企業、タウンドクターはオンライン栄養指導サービスを展開する企業。新しい技術やサービスを知ることで次の事業のヒントになるという。
現在の世界的なスタートアップ市場の盛り上がりを牽引しているのがAIだが、最近ではAI分野のスタートアップへの投資がやや冷静になってきている。こうした中日本のスタートアップ市場の成長のカギとして注目されているのがベンチャークライアントモデルで、大企業がお客としてスタートアップの製品を購入することを示す。入山さんは「大企業がスタートアップの商品を買うことでスタートアップは成長が見込め、大企業としてもイノベーションが起こる可能性がある」など分析した。
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