- 出演者
- 弘中綾香 入山章栄 水野明人
メジャーリーグで話題になっているのが魚雷型バット。ボールがよく飛ぶと注目を集めている。これはマサチューセッツ工科大学で博士号を取得した、リーンハート氏が考案したもの。注目のスポーツテック業界にスタートアップとミズノが仕掛ける戦略とは。
スポーツ市場が注目されている。ゲストはミズノ社長 水野明人さん。ミズノは明治39年創業、スポーツ用品の製造・販売を行ってきた。スタートアップと協業し様々な施策を展開している。キーワードはスポーツテック。スポーツテックとは最新技術を使用し、選手のパフォーマンス向上や新しい観戦体験などを提供する取り組み。
大阪・淀屋橋にあるミズノランニングステーション。一般のランナーたちが更衣室やシャワーなどを利用できるランナー専用の施設。その中に、ランナーのための新サービスがある。汗乳酸は走っていて疲れ始めると出てくる物質。その成分を計ることによってランナーの披露の目安がわかる。マラソンのペースを調整したり、個人に合うトレーニングを指南できるという。その機械を提供したのが慶應義塾大学発スタートアップのグレースイメージング。代表の中島さんは、2015年に汗から乳酸を計測する研究を始め測定器を開発。3年後にスタートアップとして独立。もともとは心臓に病を抱える患者のリハビリ用に開発していたが、5年前にミズノから声をかけられたという。この形が今後のスタートアップの大きなヒントに。典型的な良い例で、スポーツテックの可能性はスポーツ以外の分野からくるという。今回も医学・医療系に開発していたが、スポーツに応用したらビジネスが広がるという。ミズノみたいな知名度や販路もいっぱいある会社と組むと可能性が広がるという。さらに、ミズノがスタートアップと協業し日本野球界に広めているブラストベースボール。バットのそこにセンサーを取り付けスイングすれば、アプリケーション上でバットのスイングやスピード等が解析できるという。元はアメリカにあるBlast Motion社が開発し、それを翻訳したりカスタマイズしてミズノが独占的に販売。Blast Motion社は、センサーなどを用いて行うスポーツ選手の動作解析技術に強みを持ち、指導や育成のためのシステムを提供する企業。さらにミズノが手掛ける最新の取り組みが、東京に本社を置くスタートアップ「Knowhere」への出資とサポート。手掛けるのはSmartScoutという野球のパフォーマンスを上げるサービス。ピッチングやバッティングをのボールをスマホで撮影し球速や回転数などが測定できるアプリ。
ミズノみたいな知名度のある会社と組むことで、信頼性があがり資金調達や消費者の購買意欲が高まる効果のことをエンドースメント効果という。ミズノ側のメリットは、自社だけでなく外部の知見や技術も取り入れて新しい価値を創出する取り組み「オープンイノベーション」をすることで、大企業のイノベーション創発につながるという。世界的にもオープンイノベーションは重要と言われていて、日本もようやくこれをやる大企業が少しずつでてきているという。スタートアップと組むメリットは、開発コストが減り、専門人材の確保、挑戦の風土づくりができるという。水野さんは「新しいことをやり続けることに価値がある」などと話した。
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- エンドースメント効果ミズノ
大阪のミズノの本社ビルの横にあるミズノエンジン。様々な競技の研究開発が行える。最新設備を備えたスペースが全部で8種類。これこそスタートアップと協業するミズノの強み。ここに持ち込むことで、実際の使用シーンに合わせて試して新しいデータを測ることができる。データを元に次の改良で進化を一緒にできるのが大きいという。ミズノエンジンは2年前にオープン。様々なスタートアップとの新商品開発が行われている。
スタートアップは新しいことをやろうとするが、実験施設やデータ取るところがない。ミズノもスタートアップとの協業で得られたデータを元に試しながら開発を進めることができる。会社の挑戦する風土を作るのが大企業では難しいという。だんだん保守的になるので、挑戦する風土をつくるのが社長として重要だという。
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大阪市にあるDIFF.はミズノの商品開発部で8年間勤務した清水さんが起業したスタートアップで、現在は左右で足の大きさが違う人向けのシューズを片足ずつ販売するオンラインショップ事業を展開している。清水さんは左右の足の大きさが違い、学生時代にサッカーをしていたときに常に片足の内出血に苦しんでいたという。その後ミズノに就職すると足の大きさが違う人が多いことを知り、複数メーカーで事業を展開することに意味があると判断して起業を決意した。起業から2年間はミズノが出向という扱いで給与をサポートし、現在もミズノと協業関係にある。
国内スポーツ市場はコロナ禍を経て活発化していて、ファン文化やスポーツツーリズム分野などが成長を続けているという。アメリカでも健康志向の高まりなどからフィットネス事業が急成長を遂げている。
今年3月に渋谷サクラステージでFUTURE TALENTの交流会が行われた。東京大学在学の星さんが提案したのは次世代電動バイク ハブレスホイールバイクの開発で、今年6月にはプロトタイプが完成するという。大手企業所属の高林さん率いる社外競争チームが提案したのは自分の気持を色で記録するアプリ「iroai」の開発で、今後はPRにも力を入れてユーザー数を伸ばしていくとしている。
スタジオからは「みんながチャレンジするための環境を整えていくのが経営者の役目だと感じている」などの話が出た。
エンディング映像がな晴れた。